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ショートショート|伝説の殺し屋ジョーズ

「そーれ!高い〜高い〜」
「パパ〜!もう一回やってー」

公園の砂場で、背の高い細マッチョの男性は、幼い少女を抱き上げていた。

公園の横に止まっている黒のレクサスの車内では、2人の男が細マッチョの男性を見つめていた。


謎の男「ボス!あいつが伝説の殺し屋ですか?」


依頼主「あぁ…、奴ほど優れた殺し屋を見たことがない。」


謎の男「ほっ、本当ですか!?あんな見た目なのに?」
「ボス…、失礼ですが、あの程度なら私が5秒で倒せますよw」
「しかも、誰もボスの命を取るなんて、この国では誰もいませんよ!」


謎の男はニヤリと笑った。


依頼主「ジョーズには誰も勝てない…」
「あいつの気まぐれで、俺は生かされているだけだからな…」

謎の男は、ボスの言葉に少しイラつきながら答えた。


「それでも、5秒で倒せる自信がありますよ!」
そして、お前もな!
心の声が思わず出そうになり、謎の男は依頼主に感情を悟られないように車を出した。

数日後、謎の男は会員制の高級クラブに居た。


「すみません。Nさんですね?」
声のする方向を見ると、背の高い感じの良さそうな男が話しかけてきた。

「誰だ?お前?」
謎の男はイラついた声で答えた。


背の高い男は、スーツケースを持ち上げて謎の男の前でケースの蓋を開けた。ケースの中には大量の札束が入っていた。


「おい!これは何だ?」
「お前は、一体何者なんだ!」
戸惑う謎の男に対して、背の高い男は優しい声で答えた。
「ちょっと、Nさんと話したいので席を外して頂けますか?」


クラブの女性たちは、首を傾げながら席を離れた。

「ボス!就任おめでとうございます!」
背の高い男がワイングラスにワインを注ぎ始めた。


謎の男は、驚きを隠せず声のトーンが高くなった。「はぁー?、お、お前なにを言ってるんだ!それに、この札束は何だ?」


背の高い男は、Nの耳元で囁いた。
「私がボスを消しましたよ。あなたの願いが叶いましたね!」


ワイングラスを持つNの手が震えていた。
「な、なぜそれを…お前の目的は何なんだ!」


背の高い男は、和やかな表情で答えた。
「あなたの計画はすべて知っていますよ!」
「この組織は、あなたの活躍でここまで大きくなった!みんなNさんがボスに相応しいと認めてますよ!」


謎の男は、いつのまにか背の高い男のトークに上機嫌になっていた。
「あはは!お前凄いな!初対面でここまで褒められたのは初めてだ!」


ワインボトルは、あっという間に空になった。

「ちょっと、トイレに行ってくる。」
Nは上機嫌で席を立った。



背の高い男も同じタイミングで立ち上がり、Nに向かって答えた。
「ボス!私はボスのボディーガードなので一緒にお供します。」
背の高い男はNの身を守るような仕草で答えた。

「わはは!お前を幹部にしてやるぞ!」
Nは上機嫌で答えた。


トイレで用を足して手を洗うNに、背の高い男は背後からNの首を掴んだ!


「そーれ!高い〜高い〜!高い高ーい!」

「お、お前、な…、何をする!」
気がつくと、Nは天井まで持ち上げられていた。
「く、く、るし…い。…、手、手を離せ…」


「ほーら、他界他界〜」
凄い握力で、みるみる血の気が引くN
「お、お前は、ジョ…ジョーズなのか…」

突然、トイレのドアが開き依頼主が現れた。
「N、残念だったな!お前が俺の地位を狙っていたのは最初から知っていたよ…。まさか右腕のお前が裏切るとは…」


「なぜ、ジョーズと呼ばれているか教えてやろう!」

「褒め上手だからジョーズなんだ!」

依頼主は笑いながら答えた。



「……。」
Nに反応はない…
すでに絶命していた…


「やだなー!それ言わない約束でしょ!」
笑いながら松岡は答えた。


「シュー蔵ちゃん!ごめん!」
「シューちゃんの好きなオロポでも飲もうよ!」
ボスは苦笑いを浮かべながら答えた。

※オロポとは、オロナミンCとポカリスエットを混ぜたサウナーの伝説の飲み物のことである


NNさんの投稿を読んで、突然にアイデアが浮かんだので・・・
『人生2作目』のショートショートを投稿しました(^◇^;)


記念すべき人生初のショートショートはコチラ


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