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【失敗談】フィリピン(セブ島)の民泊事業で200万失った話 その③-天国から地獄

フィリピンのセブ島で念願の起業!選んだのは民泊事業。
3つの運用物件も決まり、バタバタしながらも好調なスタートを切った自分。

中でも1つの物件が公開直後から問い合わせ・予約が殺到し、フィーバーする。今回の話は、その物件で実際に起こった内容である。

※この記事は数回に渡り、自分の民泊事業の体験談を紹介している。
まだ前編を読まれていない方は、ぜひ初めの記事から読んでもらいたい。
【失敗談】フィリピン(セブ島)で民泊事業で200万失った話 その①
【失敗談】フィリピン(セブ島)で民泊事業で200万失った話 その②-起業1ヶ月目から黒字?

■好条件の物件に潜んだ闇〜エージェントに騙されていた〜

公開直後から問い合わせと予約が殺到していたホテル内のコンドミニアム
運用開始から1週間ほどが経過したある日のこと。
いつもどおり、お客さんを部屋へ案内したあと、公共料金の支払いについて問い合わせをするために管理室を訪れた。

このコンドミニアムの管理人は50歳過ぎくらいの女性で、長年この職についているベテランの方であった。自分が公共料金についての質問を終え、帰ろうとした時、その管理人の女性が口を開いてこう言った。

管理人「ごえもん。最近、あなたが部屋に誰かを招いている情報を聞いているわ。念の為に伝えておくけど、このコンドミニアムは民泊による短期貸し出しは禁止されているわ。理由は、ホテルの価値を保つためで、エアビーやブッキングドットコムから予約された事実が発覚すれば、そのゲストは立ち入り禁止、または強制退室の処置が取られることになるわ。くれぐれも気をつけるように。」

その言葉を聞いた瞬間。自分は頭が真っ白になった。。。
混乱していたこともあったが、一度冷静に考えるために、その場は何も言わずに管理室を後にした。

「この事実が本当なら大変なことだ。」
なぜなら契約の際にそのことはエージェントに十分説明していたためだ。
「自分はこの物件で民泊をする予定だ。この物件は民泊をしても問題ないか?」と質問をして「問題はないです。利用方法はオーナーになるあなた次第です。」と言われていたのだ。

そして、契約書にはサブリースOKという項目もしっかりあったためにサインをした。
※サブリースは、賃貸物件をさらに第三者へ貸し出すことである。

「さっき管理人に言われたことは何だったのだろうか?もしかしたら聞き間違えかもしれない。」
そう思い、再度管理室に行って詳細を尋ねることにした。

トントン。ガチャ。

ゴエモン「すいません。さっきの話について詳しく聞きたいです。民泊がダメって本当ですか?」

管理人「民泊は禁止されているわ。そのことは部屋のオーナーやあなたに部屋を紹介したエージェントも知っていることよ。」

ごえもん「自分は民泊をするために部屋を契約したんです。そして、エージェントにはサブリースはOKと説明を受けました。」

管理人「サブリースは認められているわ。具体的には一ヶ月以上の長期契約であれば問題ないわ。ただ、エアビーなどを利用した数日単位で行う短期貸し出しは禁止されているの。」

ごえもん「。。。。」

管理人「あなたのエージェントを含めて、隠れて民泊をしているオーナーがいることは私も知っているわ。ただ、決定的な証拠が無い限りはこちらとしても罰則を与えることが出来ないの。基本的には、短期貸し出しでかつ金銭の受け渡しがあった時点でNGとなるから、短期宿泊でもオーナーの家族や友人で、金銭を受け取っていない場合は問題ないことになるわ。」

ごえもん「決定的な証拠って例えばどういったことですか?」

管理人「ゲストが関係者にエアビーやブッキングドットコムで予約したと言った場合や、それが分かるバウチャーを提示した場合になるわね。

ごえもん「なるほど。そりゃ何も知らないゲストはホテルスタッフに利用詳細を聞かれれば、躊躇なくエアビーの言葉を口にするでしょうね。Check-inの際も、ゲストが万が一ホテルのスタッフに尋ねれば、その瞬間にゲームオーバーってことですね?」

管理人「そういうことよ。とにかく、長期貸出やあなたの知人を部屋に招くことは問題ないわよ。くれぐれも気をつけるようにね。」

ごえもん「どうも。。。」

■こみ上げてくる怒り〜クレームの連絡〜

管理室を後にした瞬間に、完全に騙されたと怒りがこみ上げてきた。

幸いなことに、今まで宿泊した数組のゲストは自分がCheck-inの際に足を運んで入室までアシストしていたこと、またゲストが滞在中にホテルスタッフに質問をしなかったこともあり、ペナルティを受けずに済んでいた。

一歩間違えれば宿泊期間中に追い出されるという大惨事を招くことになっていたのだ。

気がつくと自分はエージェントにクレームの連絡を入れていた。
「民泊がダメなんて聞いていない。騙したな。内容に偽りがあったため、契約はすぐにキャンセルさせてもらう。支払った金額は全て返してくれ。」と。

するとエージェントが返信があった。
「何があったか知らないが、私はあなたをサポートするわ。落ち着いて詳細を聞かせて。」

自分は管理室で聞いた話の全てをエージェントに伝えた。そして、再度契約と返金を求めた。

しかし、エージェントからは「あなたが部屋をどう使用するかはあなた次第です。サブリースは認められています。契約書に偽りはありません。」

■弁護士に相談したが結果は残念なことに

当然、怒りが収まらなかった自分は翌日から行動した。現地の知人から紹介してもらい、助けも借りながら弁護士に相談を受けた。相談料として少し費用が発生したが、この際は仕方がないと思った。

そこで弁護士に言われたことは、「長期のサブリース自体は認められているので、契約書に偽りがあったことを証明するのは難しいでしょう。民泊運用をすることもしっかりと記載がされていれば良かったんですが。。。」という内容であった。

■失われた52万円

返金を受けることが出来なくなった今、出来ることはこの物件を利用して少しでもお金を作り出すことであった。

しかし、フィリピンの場合は物件契約時に2ヶ月分の家賃+家賃2ヶ月分のデポジット(保証金)を先払いすることになっており、1ヶ月の家賃は13万なので、自分は既にこの物件に52万円を先払いしていた。

この時点で選択肢は2つ、一つ目は「一年間運用をして契約満期でデポジットを返してもらう」二つ目は「既に支払っている2ヶ月間のみ運用して、デポジットは諦める」というもの。

しかし、民泊運用が出来ない状態で、一年間の運用は現実的ではない。

自分は2ヶ月間で出来るだけ回収して、同時に自分以外に一年以上借りてくれる人を探すことにした。契約満期まで自分の代わりに住んでくれる人がいれば、デポジットが返ってくるためである。

■地獄の2ヶ月間

それからの2ヶ月間は地獄そのものだった。
はじめに予約をしてくれたゲスト全てに事情を説明した。

【説明内容】
この物件は民泊運用が禁止になりました。エアビーやブッキングドットコムから予約をした事実がわかった時点で、強制退室の処置が取られます。そのため、Check-inは時は、必ず私のアシストを受けるようにしてください。ホテルの窓口からはCheck-inを行わないようにしてください。また、ホテル関係者から部屋の利用について聞かれた場合は、私の名前を伝え、友人であることを説明してください。

今考えても信じられない内容である。
日本人ゲストならまだしも、さまざまな国籍のゲストに説明と承諾を得る必要があった。

もちろん、不信感を得たゲストからはキャンセルが出た。しかしこれは仕方がないことである。この条件を理解してくれたゲストだけを招待することで損失をカバーするしか方法はなかった。

■結局マイナス38万でフィニッシュ↓

毎回、誠心誠意を尽くしてゲスト対応をしたこともあり、ゲストが追放されたりクレームを受けることもなく、地獄の2ヶ月は過ぎた。

それにしても、毎回ゲストに変な気を使わせなければいけないし、部屋に着いた瞬間、まずは謝罪をしなければいけない。2ヶ月は本当に地獄そのものだった。

結局、売上は2ヶ月間で14万ほどとなった。ただ、後半はコロナの影響も出始めてきたし、ましてやこの悪条件。14万円は回収出来たほうだと思う。しかし、残念なことに長期で借りてくれる方は見つからず、この1件でテレビやリネン系の初期投資も含めて、50万近くを失うことになった。

■失敗からの学び

勉強代にしては本当に高すぎた。。。
全て自分が悪いのは分かるが、今でも思い出す度に怒りがこみ上げてくる。

この失敗からの学びを共有したい。

・海外では契約書が命、隅々まで目を通して不足項目は追記しよう
・エージェントやオーナーに少しでも不信感を得た場合、その物件が良くても契約をやめよう→これが一番大事!!
・費用が発生するが、契約書は予め弁護士チェックを通してからサインするようにしよう
・賃貸で民泊を始める場合、売上が少なくても安い賃貸物件から始めよう


次回もまたここ数ヶ月で自分が体験した話を紹介したいと思う。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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