オーストリアの湖水地方を一望する、ツヴェルファーホルン山頂ロープウェー
夏の間はオーストリアの避暑地、アルプスの湖水地方のザルツカンマーグート地方の記事を中心にお届けしていますが、
今回ご紹介するのは、こんなかわいいロープウェーです。
ヴォルフガング湖沿いのサンクト・ギルゲンは、教会の尖塔が特徴的な小さな町です。モーツァルトの母の生誕の地で、姉のナンネールの嫁ぎ先の村として、モーツァルトゆかりの地でもあります。
サンクト・ギルゲンの教会の尖塔
このサンクト・ギルゲンを出発駅として、後ろにそびえるツヴェルファーホルン山(Zwölferhorn)の山頂まで続くのが、この赤と黄色のロープウェー。スキー場のゴンドラのようなコンパクトさがまた、険しい山並みにアクセントとなっています。
ロープウェー乗車駅
ゴンドラは次々やってくるので、あまり並ぶことなく乗ることができますが、さすがに夏場の天気のいい日は訪れる人も多く、キャパ6人のゴンドラはフル稼働でした。
ゴンドラから見える景色は、ヴォルフガング湖を見下ろし、その向こうのシャーフベルク山を一望できる素晴らしい眺め。標高が上がると、モント湖やフシュル湖、シャーフベルク山の頂上の山小屋までよく見えます。
ヴォルフガング湖とサンクト・ギルゲンの町が見下ろせます。
頂上駅からは、息をのむ景色が目の前に広がっています。
頂上駅からのロープウェーとヴォルフガング湖とサンクト・ギルゲンの町の眺め
ロープウェー山頂駅から、巨大な十字架のある標高1521メートルの頂上まではすぐ。
十字架が山頂。ラベンダーが咲く斜面にパラグライダーを広げて、風を待つ人の姿も。
山頂付近はハイキングコースになっていて、ロープウェーで到着した人たちは思い思いに30分コース、1時間コースなどの散策を楽しんでいます。また、サンクト・ギルゲンから徒歩で山頂を目指す2,3時間のコースも整備されています。
山頂の展望台からは、ヴォルフガング湖とは反対側の景色も見渡すことができます。
案内板の矢印は、眼下に広がる山や湖の名前を指し示しています。
ゆっくり散策し、景色を楽しんだら、せっかくですので少し休んでいきましょう。山頂付近には6軒のヒュッテがあり、絶景を見下ろしながら軽食や飲み物を楽しむことができます。自然の中を歩いた後の一杯は最高ですね!
軽食や飲みものを頼んで、山の空気と景色を堪能できます。
また、向かいのシャーフベルク山と同じく、ツヴェルファーホルン山もパラグライダーの聖地。大きなリュックを背負ってゴンドラから降りてきた人たちは、ゆっくりとパラグライダーを広げ、風向きを見ておもむろに飛び立って行きます。山の間を縫って湖の上をすべるように飛ぶパラグライダーを見ているだけでも、素敵な気持ちになりますよ。
映画サウンド・オブ・ミュージックにも登場したシャーフベルク山は、ヴォルフガング湖を挟んで向かい側(写真左の山)。湖の上をパラグライダーが飛び交います。
帰りは再びゴンドラに乗り込み、絶景を堪能しながら下界へ降りて行きます。ゴンドラが小さいからか、本当に空を飛んでいるような錯覚すら感じられますよ。
ハードなハイキングをしなくても、ザルツカンマーグートで手軽に絶景と山歩きを楽しむことができるツヴェルファーホルン山。モーツァルト所縁の町サンクト・ギルゲンと合わせて、ザルツブルクからの日帰り旅行にぴったりです。
(2016年7月執筆)