レトロな雰囲気が地元民に人気!ウィーン大学キャンパス内のクリスマスマーケット
毎年ウィーン市内で開かれる様々なクリスマスマーケットをご紹介してきましたが、今回は観光客にあまり知られてない、地元民に人気のマーケットをご紹介します。
ウィーン大学は学科ごとに複数の建物に分散していますが、その中でも最も大きく人文系の学部が入っているのが、アルテス・AKH(旧総合病院)と呼ばれるキャンパスです。その名の通り元総合病院だった敷地を大学として使用していて、敷地内にはあの映画『アマデウス』の冒頭でサリエリが収容されていた精神病院とされる建物もあります。
外から見ると普通の建物ですが、中に入ると教室やオフィスは、広く緑豊かな中庭を取り囲むように建てられています。スーパーや子供の遊び場、自家醸造のビールを出すレストランなどもあり、外見とは裏腹に、隠れた市民の憩いの場となっています。
そんな大学キャンパス中庭で開かれるクリスマスマーケットは、若者向けかつアットホームで、まるで一つの村のようです。
このマーケットの特徴は、昔のウィーンのクリスマスマーケットのようなレトロな雰囲気。観光客が少なめで、大学生や地元のウィーン人、親子連れ等に人気です。のんびりゆったりしたムードで、友達同士で散策してちょっと飲むのにピッタリです。
雰囲気を盛り上げる数々の屋台では、アクセサリ、手作りキャンドルや石鹸、革や木工などの手工芸品など、町のお店では手に入らない素敵なお店が沢山あります。
また、学生のたまり場と言うこともあり、アルコールの種類も豊富。クリスマスマーケットに欠かせないグリューワイン(ホットワイン)やプンチュ(蒸留酒ベースの甘く温かいドリンク)も、それぞれの屋台が工夫を凝らしたものが多く、つい何杯も味見してしまいます。
また、移動遊園地が子連れに人気。ライトアップされた姿は少しレトロで、ロマンチックな夜の遊園地気分が味わえます。
このマーケットにはカーリング用のスケートリンクがあり、時間単位でレンタルし遊ぶこともできます。子供だけでなく大人も楽しく遊べるマーケットになっていますよ。
この大学キャンパス内には、5つのビアレストランがありますので、マーケットで体が冷えたら暖かい室内で休憩し、ウィーン料理を味わってみてはいかがでしょう?地元の人は、仕事の後で友達と待ち合わせて外の屋台でグリューワインを一杯飲み、その後レストランに入って何か食べながらおしゃべりする、というパターンが多いようです。
このマーケットから発着していて、ウィーンの他のマーケットをハシゴすることができる、ホップオン・ホップオフ型のバスも便利です。街の中心部のシュテファン広場と、美術史美術館前のマリア・テレジア広場、それにベルヴェデーレ宮殿の三か所に行くことができます。
クリスマス前のウィーンが最も輝く時期、観光客でいっぱいのところだけではなく、地元民に愛される隠れ家的マーケットも覗いてみてはいかがでしょう?
(2016年12月執筆)