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「奥から奥へ,地べたを行く」~~神楽坂・第三玉の湯
とある年の5月3日,東京は久々にまぶしいほどの朝日。
よし!今日は銭湯(ふろ)へ行こう(どうしてそうなる)。
午後1時半,愛車(ママチャリ)にまたがり出発。
新宿の西はずれから,東の果てまで,大久保通りを一直線!
目指すは,新宿神楽坂・第三玉の湯。あらまぁ開店40分前に着いてしまった。
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それじゃぁと周辺の街探検開始。白銀町,東五軒町,西五軒町,赤城・・・「奥神楽」と称される界隈。住宅,店舗,新築,古家,混在,混沌。
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ラーメン店も,焼鳥屋も,生き残るためにはひと味ひねらずにはいられない。自販機すら,街の風情に溶け込もうという努力も惜しまぬ。
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でも,そうした「作りこんだ」風情の中で,さり気なく佇むお店や住まいにこそ,ボクの好物。見るだけでジワっと口に唾液がこみ上げる
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路地のそこかしこに石段。
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一つ昇ると,そこは「奥・赤城神社」(笑)。
以前,竹の湯からの帰り道で発見,宵闇の幽玄に息を吞んだ神社。
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今日は青天に清められたお姿。
善男善女の列の向こうに社の朱塗りが映える。
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でも,ボクはこちらの大樹に目が行ってしまう。人の手の匠の結実たる社も美しいが,大地にどっしと根を下ろした大樹には叶わない。
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榊をまとう彫りの深い肌に力の漲りがあり,しばし見とれる。
そうこうして第三玉の湯に戻ると,開店10分前,すでに10名の列。
さらに10名増えたところで定時開店。
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やや雑然としたロビー。
脱衣所は2016年リニューアルとあって白が基調の明るい雰囲気。
浴室はカランの数21と中規模。
右手にサウナ,水風呂,露天風呂が並び,
正面に2基のジェットバスと電気風呂を備えた湯舟と炭酸風呂。
小じんまりとしつつも種類豊富で飽きさせない。
湯温は,メインが40℃前後,炭酸風呂は36℃,水風呂20℃(井戸水かけ流しはすごい),露天風呂は40℃の表示だけど体感42℃,全体的にぬる風呂。
ご近所の熱海湯が,超絶46℃の高温を誇るのでうまく棲み分けている感じ。
炭酸風呂は弱めだけれど,じっくり浸かれば身体の芯からポカポカしてきます(皆さんじっくり浸かるのでなかなか順番が来ない)。
露天風呂は都会の銭湯らしく四角い空がきちんと見えます。
油断ならぬのが電気風呂,何の表示もない。ビリッとやられました。
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ジェットバス近くの一区画なので,苦手な方はご用心。
そしてジェットバス,思いのほか勢いがある。新宿北部に多いタイプ。
神田川沿いのこの地域,往時には,学生相手の下宿,社宅やら紙・出版関連の中小工場やらがひしめいていた。彼らにふるまう食堂や総菜屋が立ち並んでいた土地柄。肉体労働の疲れをいやすためかジェットバスは概して強めなのです。この神楽坂とて,今ではオサレ,セレブ感漂う一画ですが,かつてはそんな「下町」だったことを感じさせる。
は~ぁあったまった。
第三玉の湯さん。ありがとうございます。いいお湯でした。
外に出て左側,路地が目につく。
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足を踏み入れると,大当たり。「奥・第三玉の湯」発見
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建物の背後にそびえるタワマン。さては億ションか。
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でも,ボクは,神楽坂を見下ろすタワマンに住むよりも,
タワマンなんか見上げもせずに「奥から奥へ」と地べたを歩き回る,
そんな生活の方が好みです
ただの負け惜しみだって!
そうかもしれませんけれどね
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