「21世紀の足湯」から「昭和の銭湯」へ~~穴守稲荷・重の湯
年末のある日,青空が広がる。
見上げるうちにもっと広い空を見たくなった。
そうだ,空港へ行こう
羽田空港のターミナル展望デッキがお気に入りだけど
テレビで大混雑ぶりを見て方向転換。
京浜急行線と東京モノレールで一駅戻ると「天空橋駅」。
その近くにできた「羽田イノベーションシティー」を目指す。
と言ってもボクら夫婦は一駅分を歩いていく。
大きな通りを行くと,
空港に面したビルの一角が変な飛び出し方をしている。
ここだ!噂の「足湯」がある。しかも無料だと❣
羽田イノベーションシティーは建物というか空間そのものがとてもスタイリッシュで,建物好きならばたまらないだろうけれど、それはいつか別に。
ここだ!
人がいっぱい。足湯スペースは2か所だけ。
でも意外と皆さん入っていないので,待たずに足を浸す。
おっ適温。
以前,熱海駅前の足湯に入った時はアツアツで汗が噴き出した。
ここは,熱くないなぁなんて思いつつ,つい長湯をしてしまうと
脚が見事に茹で上がる。
(閲覧注意 笑)ボクの脚を見たくない方は飛ばしてくださいね
遮るもの一つない青空の下で,開放感を満喫。
21世紀の穴場的観光スポット。
羽田イノベーションシティと足湯,あなたも是非どうぞ。
なんたって無料です。
あっタオルの持参をお忘れなく。
でも,自販機で可愛いデザインのタオルを500円で販売しているから,それを買うのもアリです。
さて,長くなって申し訳ありませんが,
この先の連湯までお付き合いくださいませ。
脚だけでは満足できない我ら夫婦は銭湯を目指します。
さらに一駅戻って「穴守稲荷駅」。
もちろん歩いていきます
途中の,穴守稲荷神社や商店街も魅力的だけど,
そちらの話題もまたいずれ。
とっぷり暮れた首都高の高架脇を行くと,あと少しで多摩川土手。
そこにぼんやりとした明かりが見える。
ビッシリ並ぶ自転車の列。皆さんのお目当ては,重の湯。
この仄暗い感じは,ボクの直球ど真ん中。
暖簾をくぐる前から期待感が高まります。
くぐると,おっ!この傘立てのデザインは斬新。
そして,この造りはある予感を誘う…
やっぱり,番台でした。
背が低い2段のロッカーの上から何から,
脱衣所にあふれるごちゃごちゃ感に。
「昭和レトロ」好きな方には必見です。
いざ浴室へ。おぉ目に飛び込む雄大な富士。
手前に磯の小島を配置しておりますが,
センターが男湯に寄り過ぎていて,女湯の眺めはどうなのか。
いや,それ以上に…
これは書いちゃ申し訳ないかもしれないけれど
ペンキが全面にわたって剝がれかけている。
いやぁ年季が入っていらっしゃる。
これも風情と感じられる,ボクみたいな人種には,やはりたまらない景色。
カランの数は26と多い。
かつては一帯の中小工場あるいは運河や空港の荷捌きにと,
肉体労働に励んだ方が大勢いらしたのでしょう。
湯船は向かって右手から,座風呂,熱い風呂,寝風呂。42~44℃。
立ちシャワーが2基。
そして,サウナ。これが無料です。
サウナに入ってみると,意外と広い。10名はいられる。
温度はそれほどでもと思っていたら,オートロウリュウになっていて,一気に上昇するので,なかなかいい。
水風呂がないので,立ちシャワーを汗を流す。
あっという間に,いつもの1時間。
脱衣所に戻っても汗が引かない。
飲み物を買いつつ,番台の若旦那としばし語らう。
サウナ無料の太っ腹ぶりをほめちぎったら,
「いやぁよくないですよねぇ」と意外なぼやき。
何が??
サウナはメンテナンス費用がとてもかかる。
無料営業は相当つらいそうです。
でも,この辺りで最初にサウナを入れた銭湯が無料にしたので,
周りの銭湯も無料化せざるを得なかった事情があるとか。
若旦那「今もだましだまし動かしているんですけれど…」
ボク「まぁあまり無理をなさらないでくださいね。銭湯を続けていただくのが一番なんですから」
若旦那「ありがとうございます。でも,こうやってお客さんに喜んでいただくのが一番だから続けていきます」
―― いやぁ本当に人柄がよい若旦那です。
重の湯は,見た目が昭和なだけじゃなくて,人情味も昭和です。
お客さんもボクたち夫婦以外は地元の人100%。
重の湯さん,ありがとうございます。いいお湯でした。
皆さん,「穴守稲荷駅」周辺は,観光も,レトロな飲み屋街も充実しています。ぜひ,重の湯へ足を運んでくださいませ。