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須田場好七の風景感考 1

その胡乱な男は、待ち合わせの時間に5分遅れてやってきた。カメラのレンズを拭いていると、つい時間を忘れてしまうのだという。
スタバ写真家。“スターバックスの紙コップ”が背景に対してどこまでインスタ映えできるのか、その限界値を探る男。(自身のインスタグラムにそう書いてある。)
私が、この神出鬼没の写真家の存在を知ったのは、BLUE CLASS KOBEのゲスト、首藤義敬氏が運営する多世代型介護施設「はっぴーの家ろっけん」を訪れたときだった。そこで秘書をしている高橋大輔氏との雑談のなかで、「写真のワークショップを考えているのなら、面白い写真家がいるよ」と紹介されたのである。
私はちょうど、大学で公式インスタグラムがスタートするなど、にわかに高まっていた学内写真ブームに呼応すべく、BLUE CLASSで何か写真にまつわるイベントができたらと考えていたところだった。
果たして、須田場好七とは何者なのか?
インタビューを通して見えてきたのは、彼のビートの効いた“つっこみ力”。
その矛先は、ファインダー越しに見える“風景”である。
スタバの紙コップという“ハリセン”を手に、彼は日常の何気ない風景に容赦なく切り込んでいく。その手さばきの軽妙さ。
写真とは、現実世界の死んだ標本ではない。それは、撮る者と撮られるものとの、饒舌に満ちたコミュニケーション、知的遊戯の場所なのだ。
インスタグラムに並ぶ須田場氏の写真群を眺めながら、ふとそんなことを思った。
抱腹絶倒、笑止千万の“風景漫才”。須田場好七のノンセンス劇場へ、いざ出陣!                文:永井一樹(附属図書館職員)

須田場好七氏インタビュー


プロフィール

須田場 好七(スタバ写真家)
19X2年生まれ。2013年にシアトルのスターバックス1号店を訪れ写真家になることを決意。その後、スターバックス神戸ハーバーランド店、メリケンパーク店、マリンピア神戸店など数々の店舗にてカスタマー経験を積み、2018年にスタバ写真家として独立。その後、インスタグラムにて数々の作品を発表している。

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