フィクション(児童・青春・まんが)
このページでは、兵庫教育大学学部1年生(2021年)によるオススメ本の紹介記事のうち、フィクション(児童・青春・まんが)関係のものを掲載しています。
※凡例 ①著者 ②出版社 ③出版年
38『はらぺこあおむし』
① エリック・カール
② 偕成社
③ 1997
「何年経っても色褪せないあの愛くるしいあおむしのデザインは今もなおみんなに愛されています。タイトルは言わずもがな、あの横長な本の形がたまらなく好きです。あの顔もなんともいえない感じが印象的です。」(坂入翔馬)
39『星の王子さま』
① サン=テグジュペリ
② 岩波書店
③ 2000
「この本は、「大切なことこそ目に見えない」ということ、そして「自分の価値観や常識にとらわれない」ということを教えてくれます。そして、今の自分の視野がすごく狭いことに気づかせてくれます。」
「私は、“きみたちは美しい。でも外見だけで中身はからっぽだね。”という文に心を動かされた。中身のない大人になるくらいなら、間違っていてもいいから、何かに思いっきり情熱を注げる大人になりたいと心から感じた。」
「"私"から見た、星の王子さまという本の魅力は、文章の合間に多くのイラストが差し込まれているというところだ。そのイラストたちは、文章の情景をイメージさせ、とても印象に残る本にしていると思う。」(三浦秀祐)
40『ハリー・ポッターと賢者の石』
① J. K. ローリング
② 静山社
③ 1999
「主人公がごく普通の少年であり、その友達がぱっとしない子だったり優秀な子だったりして、魔法界だが親近感がある人物設定が魅力的だと思います。また伏線がとても多く回収が五巻目に及んでいるのも魅力的です。」
41『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』
① 阿部暁子
② 集英社
③ 2017・2018
「通称、どこ君・また君。この作品は二冊で一つの作品となっています。どちらから読んでも楽しめますが、オススメは一冊目のどこ君からです。まず、どこ君のラストに泣きます。そしてまた君のラストで大号泣です。」(金澤泰進)
42『レインツリーの国』
① 有川浩
② 新潮社
③ 2009
「聴覚障害者の女性と父親に忘れられた男性。お互いのことを考え、すれ違いながらも理解しようとし愛を育んでいく、リアルで美しい魅力がある話だと思います。この文字数では伝え切れないほど学びがある作品です。」
43『少年譜』
① 伊集院静
② 文藝春秋
③ 2011
「私が好きなのは「親方と神様」という話で、夏の終わりに鍛治職人の老人と鍛冶屋に憧れる少年が心を通わせていく物語です。少年が親方から教わった、自分の好きなことに対する思いを持ち続けたことが感動的でした。」(高下淳志)
44『桜のような僕の恋人』
① 宇山佳佑
② 集英社
③ 2017
「友達や家族、恋人など自分の大切な人との幸せな時間は長くは続かず、何かの拍子で終わってしまう。だからこそ、自分が大切だと思っている人との日々の一秒一秒を大切にしようと改めて思える本です。」
45『クオレ』
① エドモンド=デ=アミーチス
② 講談社
③ 2011
「この本の特徴は、字が読みやすい大きさになっていてイラストも少し掲載されているので、本を読むのがあまり好きではない私でも読みやすい点です。そして家族や友情の温かみが感じられます。」(石塚咲)
46『春となりを待つきみへ』
① 沖田円
② スターツ出版
③ 2016
「主人公の心の中が繊細に描かれているところがこの本の最大の魅力だと思います。物語の中で主人公は何度も同じ名前を呼ぶのですが、同じ文字なのに、前後の文章や表記の仕方で主人公の心の変化が伝わってきます。」
47『余命10年』
① 小坂流加
② 文芸社
③ 2017
「この本の魅力は、主人公である“茉莉”が残された10年をどう生きていくのか、仕事も恋愛もさまざまなものを諦めるしかなかった彼女から「生きる」ことについて考えさせられる点です。」
48『一瞬の風になれ』
① 佐藤多佳子
② 講談社
③ 2006
「爽やかな青春物語です。分厚目の本なので読むのが大変なのかと思っていたのですが、読み始めたら本の中の世界に引き込まれました。何かに挑戦したくなる、打ち込みたくなる、そんな背中を押してくれる一冊です。」(小川まひろ)
「主人公は中3で、ある程度継続していたスポーツに対するやる気が薄くなり、悩み抜いた末に競技を変えた。本を読んだ時の中2の自分の状況と酷似しており、その後同様に競技を転向するほど大きな影響を受けた。」
49『天国までの49日間』
① 櫻井千姫
② スターツ出版
③ 2016
「まずこの本は1人の学生がいじめが原因で自殺するところから始まります。そして49日間で天国か地獄か自分で決めるために、霊感の強い同級生と過ごし、復讐が無駄だと気づき、心境の変化に感動する物語です。」
50『秒速5センチメートル』
① 新海誠
② メディア・ファクトリー
③ 2007
「新海誠といえば、「君の名は」や「天気の子」のイメージが強いが、この本は、とても感情移入がしやすく現実味がある。とても恋が切ないものだという事が繊細に描かれている。映画が先にできているのだが、その主題歌がマッチしていて感動する。」
51『また、同じ夢を見ていた』
① 住野よる
② 双葉社
③ 2018
「日常での人との何気ないやりとりや、自分のあり方を見直すきっかけとなり、人生とは何か?幸せとは何か?という問いに対する自分なりの答えを見つけるてがかりとなるような本である。」
「この本には、さまざまな伏線が張られていて、それがお話の後半に向かうにつれてどんどん回収されていくのでスッキリします。また、グッとくる言葉がたくさんあり、自分にとっての幸せを見つけたいなと思える本です。」
52『君の膵臓をたべたい』
① 住野よる
② 双葉社
③ 2017
「今を大切に生きようと思える作品。明日どうなっているかは誰にも分からない。友達や家族と楽しい時間を過ごしている日々の日常は、当たり前ではない。きっと今を一生懸命生きていこうと思える。」
「とても感動しました。最高の恋愛小説です。衝撃的な題名や想像を裏切る急展開が待っていて、読んでいてすごく引き込まれます。恋愛面だけでなく、「死」を通して現れる人間の弱さ、「あたりまえ」の大切さを実感します。」
53『か「」く「」し「」ご「」と「』
① 住野よる
② 新潮社
③ 2020
「特殊な能力を持つ5人の高校生の何気ない日々の物語です。個々の能力や個性はそれぞれ違いますが、私たちは誰かと関わっていく中で互いに刺激し合って生きており、そんな関わり合いの大切さを感じさせてくれる作品です。」
54『青くて痛くて脆い』
① 住野よる
② KADOKAWA
③ 2020
「この本は、最後まで結末が分からないという点が一番の魅力です。序盤の雰囲気とは一転し、途中から急激に進んでいく物語に引き込まれます。また、情景がとても綺麗な言葉で表現されていて、読みやすい作品です。」
55『よるのばけもの』
① 住野よる
② 双葉社
③ 2019
「夜の姿がばけものだと思っていたが、実際はいじめられている子に対して見て見ぬふりをしている昼の姿の方がばけものだと最後の一行で分かるということが面白いし、考えさせられる作品だと思いました。」
(武本頼人)
56『卵の緒』
① 瀬尾まいこ
② 新潮社
③ 2007
「短編2編ですが、どちらも血の繋がらない家族のなんでもない日常のお話です。家族という存在の強さに気づかせてくれる作品で、瀬尾さん独特の文章がなんとも例えようのない暖かな感情にさせます。」(西村真奈実)
57『がらくた屋と月の夜話』
① 谷瑞恵
② 幻冬舎
③ 2017
「主人公のつき子と自分が重なる部分が多くあり、読み入ってしまった一冊です。ガラクタ、この物語の中ではブロカント一つ一つに込められた思い出によって異なった楽しさを垣間見ることができる作品になっています。」
58『WONDER』
① R・J・パラシオ
② ほるぷ出版
③ 2015
「主人公は生まれつき顔が変形しており、普通ではないと学校でいじめられます。しかし長い月日を経て、周りの子たちは彼の魅力に気づき始め、友達になっていくお話です。普通とは何かを考えさせられる一冊です。」(石田陽向)
59『風が強く吹いている』
① 三浦しをん
② 新潮社
③ 2009
④ 有
「同じアパートに下宿している人で箱根駅伝を走るという物語です。練習や地名、地形、10人の心情が細かく描かれていたり、事がうまく進まなかったりと、とても引き込まれます。駅伝シーズンに毎回読み直す作品です。」
「「箱根に行こう」という言葉から箱根駅伝を目指すことになった10人の大学生の話です。私がこの本を薦める理由は陸上が好きになれるからです。この本を読めば必ず走りたくなるのが面白くて読み続けてしまいます。」
60『三日間の幸福』
① 三秋縋
② アスキー・メディアワークス
③ 2013
「人生の価値について考えさせられる本です。自分の人生を悲観し寿命を売った男が、残りわずかな時間の中で本当の幸せを見出す物語。最後まで読んだらタイトルの意味が分かり感動する。切なくも優しい作品でした。」(林菜々子)
61『アイシールド21』
① 稲垣理一郎
② 集英社
③ 2002
「この本は、主人公がアメリカン・フットボールを通して成長していくスポーツ漫画です。物語の中に名言がいくつもあり、この漫画を読むだけで何事にも挑戦してみようと思えることがこの本の魅力だと思います。」(森祐治)
62『死神くん』
① えんどコイチ
② 集英社
③ 2002
「この漫画は、「死神」として魂を冥界へ連れて行く役を務める死神くんが、老若男女問わず毎回異なる登場人物に対して生の尊さを訴える物語で、死神から見た人間の愚かさ、また素晴らしさを読むことができる。」(村上綸)
63『弱虫ペダル』
① 渡辺航
② 秋田書店
③ 2008-
「引っ込み思案の主人公が自分に可能性があるならと紆余曲折ありながらひたむきに努力し成長する姿に自分も新しいことに挑戦する一歩を踏み出そうという勇気をもらえるストーリーです。」
#本でつながろう 目次
|0| #本でつながろう
|1| エッセイ・ノンフィクション
|2| フィクション(SF・ミステリー・ファンタジー)
|3| フィクション(児童・青春・まんが)
|4| フィクション(純文学・歴史・時代)
|5| フィクション(教養・自己啓発)