囁き声
これは、私が小学2年生の頃に体験した話です。
“それ”は給食の時間のときに起こりました。私は、給食の「おかず」が苦手で、毎日白米、味噌汁、牛乳の順で食べていました。食べれそうなおかずは白米、味噌汁、牛乳を食べた(飲んだ)あとに食べていました。
ある日のことです。当時はまだ新型コロナウイルスも流行していなかったため、机を班の形にして給食を食べていました。
その日の給食は生憎、私が苦手なものばかりでした。大好きな白米ですらこの日はちらし寿司だったかもしれません。
「味噌汁と牛乳だけでいいかな」
そう思い、私は味噌汁と牛乳だけ飲んで他は残してしまいました。そのとき、私の左隣のクラスメイトに「他も食べなきゃダメだよ。一口でいいから」と言われ、仕方なく私はちらし寿司とおかずに手をつけました。
だけどやっぱり口に運ぶ勇気は出ず、箸を持ったまま硬直していたら、
「頑張れ」
右隣から女性の囁き声が聞こえたんです。
「うん」と私は返事をし、右を見てみたのですが、誰もいませんでした。左を向いても前を向いても後ろを向いても、囁き声の女性はいませんでした。
「?」と思いましたが、何事もなかったように給食を食べ進めました。
今でもあの声は誰のものだったかわかっていません。ちなみにちらっとその声の持ち主を見てみましたが、顔は長い髪で覆われており、服は白装束を来ており、紫と黒が混じったオーラを纏っていました。貞子みたいな感じです。
そう見るとやっぱり幽霊だったのかな、と思います。どうせなら幻覚と幻聴だったことを信じたいですが……
余談ですが
当時の席は上記のような感じで、私は〇の席で、「一口でも食べなよ」といったクラスメイトは黄色の4の席、囁き声が聞こえたのは黄色の3、緑の4の間でした。そして緑の4の席は男子だったので、やっぱりアレは姿も薄らですが見えていたので、幽霊だったのかなと思います。
以上。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?