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遺言ブログ#1 振り返ったいつかその時に

 10月の最終戦をもって今シーズンが終了し、東北大学サッカー部の活動は一つの区切りを迎えました。それと共に最高学年である4年生のサッカー部での全ての活動が終わり、引退を迎えることとなりました。
 ただし、活動は終わったものの、後輩や応援してくださる方々に思いを伝える機会を、遺言ブログという形で頂いています。これから4年生全員が自分の思いを綴っていくことになりますが、これを読んでくださっている皆さんには是非最後までお付き合いいただければと思います。

 そして今回、遺言ブログの第一回を担当させて頂く、文学部4年の久保市哲太です。どうぞよろしくお願いします。


 このブログを書くみんなは、4年間の活動を沢山の思い出と共に終え、万感の思いで文章を綴ることでしょうが、私はそんなみんなとはちょっと違ったことを考えながらパソコンに向かっています。

 どれくらいの方がご存じかは分かりませんが、私は今年の一月からサッカー部の活動に参加した、ちょっと特殊で時期遅れの新入部員です。ですから私は一年に満たない期間の活動を持って引退することになったわけです。
 今回のブログでは、なぜ私がこの時期にサッカー部に入ったのか、そして1年間チームで過ごして今考えていることをお伝えできればと思います。

 大学に進学して一年目、初めての一人暮らしや大学生活が予想もつかずあたふたしていた私は、大学が新歓で盛り上がる中で、この後部活やサークルに入るにせよ、新生活が落ち着いてからでも遅くはないだろうと思っていました。当時は部活に入ってサッカーをしようとは考えていませんでしたし、元々人と関わることを億劫に思うこともしばしばな性分だったので、最終的に無所属でも特に問題はないと思っていました。

 新型コロナウィルスが流行し始めたのは、新生活も落ち着いてきて、大学生活にも慣れてきた一年生の終わり頃でした。何か新しいことを始めようと思っていた矢先に多くの行動が制限され、そんな気持ちは無くなってしまいました。

 大学3年になり、大学生活の終わりをイメージする頃だったと思います。知り合いの方と話しいていた際、「コロナもあってサッカーをする機会もない」といったようなことを何の気無しに話題にしました。するとその方は、「せっかく大学に通っているんだから、時間や機会に恵まれている方じゃないか」と言ってくだいました。その時に、大学生活の最後にサッカーをするのも悪くない、むしろチャンスがあるのは今ぐらいなのではと感じ始めました。それが東北大学サッカー部に入るきっかけです。色々な巡り合わせがあり、こうして遅い時期からサッカー部でお世話になることになりました。

 サッカー部に入ってからはあっという間に時間が過ぎました。4年生となり授業が減ったことで、時間的には昨年より余裕があったはずなのですが、大学生活の4年間で一番短く、そして楽しい一年でした。
 サッカー部に入ってすぐの頃は、なかなかプレーについていけず、肉体的にも精神的にも辛いと感じることが多かったです。しかし、チームのみんなとプレーする時間は他の何より楽しく、早く上手くなってもっと楽しめるようになりたいと思い、毎日の練習が楽しみになりました。

 一年生が加入した頃からは、新しいメンバー増え、本格的にシーズンに入ったことで、練習が一層活気付き、自分も負けていられないと感じ、一層サッカーに集中しようと思った頃、新型コロナウィルスにかかり、なんとなく出鼻を挫かれた気分になりました。その時期は就活が佳境であったことや、なかなか咳が止まらなかったこともあり、練習への参加頻度が減ってしまいました。この時期にもっとプレーできていればというのが少し心残りになっています。

 夏場に入り、この頃には少しずつイメージするプレーができるようになって、サッカーがますます楽しくなっていました。これからもっと、という時にはもう引退の時期になっていました。あまりにもあっという間にその時が来てしまったことで、少し複雑な気持ちです。あまりにも短かったと。

 改めて今になり、サッカー部に入るという選択を省みると、やっぱり入るのが遅かったですし、それならば入らなくてもよかったのではないかと感じる自分もいます。入らなかったら、その時間をもっと有意義に使えたかもしれません。何かが節目を迎えた時、誰しもそう思うことはあるではないでしょうか。

 でも今私は、その気持ち以上に、充実した時間が送れたことを喜んでいます。そしてそのことがこの選択が良いものだったと思わせてくれているのです。そしてそれはきっと、東北大学サッカー部に入るという選択であったからこそ、そう思えるのだと感じます。

 どんなに遅くてもサッカー部に入る、この選択が一番いい選択だった。今は自信を持ってそう言えます。そのことが今の自分に一つの目標を与えてくれています。それは、この先もずっとそう思える自分でありつづけることです。そのために、これからもっと色々なことを経験して、それを楽しんでいきたいと考えています。いつかまたこの選択について思い出した時によく決断できたと言うために。

 最後に、チームの皆さんに感謝を伝えたいと思います。

 サッカー部に入ってすぐの頃、新しいコミュニティに入って行くことに緊張していた自分に、チームの人たちがあたたかい声をかけてくれたことは忘れていません。それから今に至るまで常に優しく接してくださったみなさんのおかげで、とても充実した一年となりました。本当にありがとうございます。

 この一年、東北大学サッカー部で過ごせたことは貴重な財産であり、この時間が自分を成長させてくれたと胸を張って言えるように頑張りたいと思います。

 そしてここまで長い文章にお付き合いただいた皆様、ありがとうございました。いつかどこかでご縁があれば、その時はよろしくお願いします。

文学部4年 久保市 哲太

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