スターター統率者デッキから始めるEDH ~デッキの概要と低予算改造案~⑤ 協約の魂、イマーラ編
はじめに
統率者スターターデッキの解説、改造案の記事も今回で最後になります。見て頂いた方、ありがとうございます。
今回は緑白イマーラデッキ(公式名:「トークンでの勝利」)の記事になります。公式のデッキレシピは以下
トークンテーマのデッキで、イマーラの効果を巧みに利用するカードが多く採用されており、ギサとゲラルフデッキに次いで構築済みの中では完成度の高いデッキとなっています。
それではデッキの解説に移っていきます。
デッキの解説
イマーラは2マナと非常に軽量な統率者で特に工夫せずとも2ターン目には安定して盤面に置けるクリーチャーとなっています。
P/Tは2/2で、能力も1/1絆魂トークン生成と控えめなものですが、タップシンボルの起動型能力ではなく、タップされることによる誘発型能力でトークン生成という点がイマーラ独自の動きを可能にしています。
タップされることによって誘発する能力であるため、イマーラで攻撃することによっておまけでトークンを生成することができます。
マナコストの軽さと合わせて早期に戦場に出ることができれば、初動が遅めのプレイヤーにとりあえずアタックすることでおまけのトークンを生成できるでしょう。
しかし、イマーラの能力の真の強みはそこではありません。
このデッキに入っている「召集」というキーワード能力を持つカードを見てみましょう。
「召集」は自軍のクリーチャーを任意の数タップすることで、タップした一体につき、そのクリーチャーの色マナ1か無色マナ1を軽減することができます。
イマーラを「召集」のコストでタップした場合「召集」によるコスト軽減の恩恵を受けつつトークンを生成することが可能となっています。
さらにうれしいのはクリーチャートークンも「召集」のコストに当てることができます。
そのため、「召集」呪文のコストでイマーラをタップし、出てきたトークンを次の「召集」呪文のコストにして…と「召集」と非常に相性がいい能力となっています。
「召集」以外にも様々な方法でイマーラの誘発型能力は発動させることができます。
他のクリーチャーのタップをコストにして効果を発動するクリーチャーや、タップ能力を付与するオーラ 等、イマーラで殴る事以外のタップ手段が豊富に用意されています。
こうして場に大量に生成されたトークンを「雷足のベイロス」などの全体バフで強化して、一気に攻勢に出るというのがデッキの基本戦術となっています。
デッキ全体として、トークン生成による横並べ→全体バフでフィニッシュ までの流れがしっかり作りこまれており、リソース不足になった際も横並べしたクリーチャーをドローに変えるカードが複数用意されているあたりも完成度の高さが伺えます。
デッキの改造案
先述したように、本デッキは構築済みの時点で高い完成度を誇っています。そのため、今回はデッキの基本コンセプトは変更せず、純粋にデッキのパワーを引き上げる方針で強化していきます。デッキリストは以下
IN
1 クウィリーオン・レインジャー
1 夢の円環のドルイド
1 森の友、ジャヘイラ
1 歓迎する吸血鬼
1 動物学者、ベニー・ブラックス
1 秘密を知るもの、トスキ
1 種子生まれの詩神
1 孔蹄のビヒモス
1 剣を鍬に
1 カビーラの叩き伏せ
1 英雄的介入
1 調和の儀式
1 不敗の陣形
1 隔離する活力
1 召喚の調べ
1 自然の秩序
1 巫師の天啓
1 バネ葉の太鼓
1 頭蓋骨絞め
1 勢団の銀行破り
1 密輸人の回転翼機
1 からみつく鉄線
1 天駆ける偵察機
1 移動駐屯所
1 エルドラージの碑
1 自然に選ばれし者
1 ケンリスの変身
1 謎の石の儀式
1 イトリモクの成長儀式
1 オーラの破片
1 獣使いの昇天
1 神聖な訪問
1 聖戦士の進軍
1 生存者の野営地
すべて合わせて約15000円程度となっています。今回はやや高額カードが多めに入っているので前回までよりも金額は高めです。
新たに「イマーラを効率よくタップするカード」、「イマーラをアンタップするカード」、「決定力の高いフィニッシャー」を中心にカードを追加しています。
イマーラを効率よくタップするカードには機体をいくつか追加しました。機体は搭乗のコストで能動的にクリーチャーをタップできるためイマーラとの相性が良好です。
中でも「移動駐屯所」は優秀な機体であり、搭乗でイマーラをタップし、殴った後にイマーラをアンタップしてイマーラの能力を再び使えるようにしてくれます。
「召集」カードで特に優秀な「召喚の調べ」も採用していますイマーラや生成したトークンをコストの頭数にできるのはとても優秀で、後述のドローソースクリーチャーやフィニッシャーの「孔蹄のビヒモス」などにアクセスしやすくなります。
アンタップ手段としては「クウィーリオン・レインジャー」や「Nature's Chosen」などを採用しています。特に「Nature's Chosen」はイマーラと最高に相性が良いのでおすすめです。
追加した「決定力の高いフィニッシャー」には「獣使いの昇天」や「エルドラージの碑」、「孔蹄のビヒモス」を採用しています。
特に「孔蹄のビヒモス」は単体で約3000円~4000円(2023年1月日現在)とやや高額カードであり、低予算構築の記事であることもあって、できれば採用は見送りたかったのですが、これがあるのとないのではデッキの決定力に大きな差が出てくるため今回は採用としています。
そしてこちらもやや高額カードですが「自然の秩序」を採用しています。
緑のクリーチャーを一体生贄に捧げ、デッキから好きな緑のクリーチャーを踏み倒して場に出せる強力サーチです。
これがあれば高コストの「孔蹄のビヒモス」に容易にアクセスが可能になるため、勝ち筋を太くするためにも採用しておきたいカードとなっています。
手札補充手段としてトークンを生成しながらドローできる「歓迎する吸血鬼」、「動物学者、ベニー・ブラックス」、最強ドロー装備品「頭蓋骨絞め」などを追加しているため、隙を見てこれらのカードで手札を補充していきましょう。
また、大量展開したクリーチャーをマナブーストに利用する手段も採用しています。
中でも緑の横並べ系デッキのお供である「イトリモクの成長儀式/太陽の揺籃の地、イトリモク」は非常に強力な効果を持っています。
横並べが得意なこのデッキであれば、裏面条件の達成は容易であり、裏面の土地は非常に凶悪なマナブーストを実現します。
このカードの元となった「ガイアの揺籃の地」は超高額カードとなっていますが、「イトリモクの成長儀式/太陽の揺籃の地、イトリモク」はそれと比べるとかなり安価で購入できる優秀なカードとなっています。
デッキの勝利までの道筋として
①:イマーラを様々な手段でタップしてトークン生成
②:展開したクリーチャーを利用してドローやマナ加速
③:展開したクリーチャーを全体バフして押し切って勝利
とシンプルにまとまっており、扱いやすく、使っていて気持ちのいいデッキとなっております。
今後の強化案
強化案としては、できれば「ガイアの揺籃の地」「大地の知識」の2枚のカードを採用したいところです。どちらのカードもイマーラと非常に相性がよく、デッキパワーをワンランク上げるほどの性能を誇っている凶悪なカードです。
ただし、どちらも再録禁止カードであることも相まって値段もまた非常に凶悪になっており、安直に手が出しにくい代物となっています。
EDH初心者がこの額をポンと出すのは中々にハードルが高いと思われるので、類似カードの「イトリモクの成長儀式/太陽の揺籃の地、イトリモク」や「謎の石の儀式」で使用感を確かめつつ、購入欲が湧いた時に思い切って買ってみるのも良いでしょう。
なお、「大地の知識」の方がまだ現実的な値段をしているので購入を検討しているならそちらから購入することをおすすめします。
それ以外のおすすめカードとしては「孔蹄のビヒモス」に繋げるための各種クリーチャーサーチや、横並べデッキの天敵である全体除去から身を守る手段として「テフェリーの防御」、「完璧な策略」などもおすすめです。
兄弟戦争の新カード、「アルガイヴの盾、ミュレル」もイマーラで生み出された兵士トークンと非常に相性がよく、大量の兵士トークンを生成してくれるでしょう。
まとめ
以上がイマーラデッキの解説、デッキ改造案になります。いかがだったでしょうか。
イマーラデッキは構築済み段階で「召集」などのイマーラと相性のいいカードが多数収録されており、非常にデッキの方針が明確で、改造しやすいデッキとなっています。
必須級の強化カードにはやや高額なものも多いという点がネックですが「孔蹄のビヒモス」、「自然の秩序」の2枚を採用できれば十分強力な動きはできるようになるので、何から強化するか迷ったらとりあえずこの2枚から組み込んでいくのがおすすめです。
緑のクリーチャーデッキではいずれも採用することの多いカードなので、他のデッキを組む際にも使いまわしが効くという点で値段以上の活躍はできるでしょう。
今回で統率者スターターデッキの記事は最後になります。
今までの記事がEDH初心者の方の一助になっていれば幸いです。
今後の記事は特に考えてはいませんが、統率者関係で思いつくことがあったら適時書いていこうと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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