=生成AIと空飛ぶクルマの未来を考える=
HAAM公式noteのコラムシリーズ。
代表のPRODUCER江藤誠晃がAAMの未来を独自アプローチで構想します。
▪️イントロダクション
空飛ぶクルマ産業の未来を「SDGs ウェディングケーキモデル」の3層構造(経済・社会・環境)で探究していくコラム。
まずは底辺を支える環境(BIOSPHERE)へのアプローチで考えていきましょう。
17のゴールのうちこの層に位置付けられるのは
(6)安全な水とトイレを世界中に
(13)気候変動に具体的な対策を
(14)海の豊かさを守ろう
(15)陸の豊かさも守ろう
ですが、この中から(15)へのアプローチでeVTOLの可能性を探ります。
▪️陸の豊かさを守るために
SDGs15のゴールには「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」と記されていて、土壌の保全や回復、絶滅危惧種の保護などによる陸地の資源の持続を目指すことになっています。
そこでストレートに生成AIに以下のように質問しました。
インターネット上におけるSDGs関連情報は膨大なので、以下のように詳細情報がまとめてアップされました。
広範に及ぶ情報を3つのテーマと具体事例でまとめてくれましたが、残念ながら「環境」側ではなく「人類」側からの考察に留まっている内容でした。
また、SDGs ウェディングケーキモデルの3層構造の「経済」「社会」階層で考えるべき要素に論拠している内容列記になっています。
そこで「陸域生態系への圧力軽減」に集中して探究を深めます。
▪️生態系の監視モビリティ
僕は長く観光分野における野生動物保護や絶滅危惧種に関する取材をさかねてきたので、その科学的解決策に関心があり、空域からのアプローチに可能性を感じています。
陸路なきジャングルの奥地へ川を辿って取材活動をしたり、高低差のある山上への移動に苦労した体験を振り返れば、空飛ぶクルマの実現に期待が高まります。
そこで再び生成AIにこんな質問を…
回答はかなり具体的かつ科学的なものでした。
いかがでしょう?
テーマを絞り込むと生成AIのリサーチ精度は上がります。
マルチスペクトルカメラなどは想定していませんでしたが、空域から得られる画像データをもとにAI学習を行うリサーチモデルなどは大きなヒントになります。
▪️高付加価値観光ビジネス
さて、空飛ぶクルマビジネスのマーケティングを検討する中では「それってドローンでも出来るのでは?」という疑問がよく出てきます。
上記のマルチスペクトルカメラの事例などまさにそうなのですが、ドローンにカメラやセンサーを搭載して行う空間リサーチは今でも多様な分野で可能です。
が、僕はそこに「ヒトも乗れる」eVTOLがモニタリングを行う価値を追い求めます。
これらの写真はSingita(シンギタ)と呼ばれる南アフリカの高級エコツーリズムの現場で、南アフリカ、ジンバブエ、タンザニアなどの動物保護区に宿泊する富裕層向けの自然保護ブランドでもあります。
100兆円規模と言われるラグジュアリーツーリズム(富裕層旅行市場)は高成長率で年々増加していて、今では全体の1%の富裕層が全体の13%を消費していると言われています。
そんな富裕層に人気の目的地として小型機のみで訪問可能なサファリロッジが存在し、野生動物を生で見ることができるのです。
これらのリゾートは超高額料金ゆえに滞在人数が限られ、野生動物の近くにサファリカーの渋滞?が起きる人工的サファリパークのようなオーバーツーリズムはありえません。
こんなサファリロッジで中空から静かに動物を観察するeVTOLがあれば?というのが僕のアイデアです。
富裕層が落としてくれる高額の滞在費は野生動物の保護などのファンドにすることができますから「環境」へのアプローチを「社会」「経済」分野の価値に昇華させる具体策が観光産業に潜在しているはずです。
●次回はSDGs wedding cakeモデルを使って空飛ぶクルマ産業の未来を社会面から考えます
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