
アナログとデジタルの違いを問う
=生成AIと空飛ぶクルマの未来を考える=
HAAM公式noteの新コラムシリーズ。
代表のPRODUCER江藤誠晃がAAMの未来を独自アプローチで構想します。
▪️イントロダクション
アナログとデジタルの違いは何か?
空飛ぶクルマがもたらす未来社会を探究するこのコラムで【DX】Digital Transformationをテーマに新たな思索を重ねることになりました。
そこで、そもそもアナログからデジタルへの「変容」は生活者にどう映るの?
と考えてみました。

アナログ時計とデジタル時計でいえば「針」から「数字」へという「UI=ユーザーインターフェイス」の変容。
そろばんと電卓でいえば同じ計算機でありながら指の動きが抜本的に違う「UX=ユーザーエクスペリエンス」の変容。
そんな思考をしてみると「複雑」から「単純」への変容や正確性の獲得がデジタル化の本質のように思えます。
ただし、もうひとつ重要な観点となるのは、時計は今を知るための道具であり、計算機は数にまつわる解を出すと道具。
どちらもユーザーにとっての目的は同じであるということです。
▪️2次元から3次元へ
HAAMのスローガンは「地域創生を3次元化」です。
空飛ぶクルマという電動・無人・垂直離発着が可能な「魔法の乗り物」が僕たちの未来をどう変容させてくれるかを探るために活動しています。

人類の営みというものは有史以来、基本的に地表を這うように行われてきたもので、空を飛ぶテクノロジーの発展は気球から飛行船を経て飛行機まで数世紀レベルのものです。
ただし、人類の生活空間の3次元化そのものは遠い過去まで遡ることができます。
古代エジプトのピラミッドしかり、戦国時代の天守閣しかり…
古今東西、権力者は皆、建築物を高層化する「上昇志向」を持ってきました。
おそらく、22世紀も23世紀も、時の権力者は立体的な都市開発を推進し、その3次元社会に飛び交うのが空飛ぶクルマなのでしょう。
そこで例によって生成AIにこんな質問を投げてみました。
「立体的な都市開発」というテーマで未来社会がどのようになるか予想してみてください。
こんな回答がありました。
未来社会の都市開発は、立体的な都市が主流になる可能性があります。これは土地の有効活用と人々の移動の効率化を図るためです。
立体的な都市では高層ビルが垂直方向だけでなく水平方向にも建設されます。これにより建物同士がつながり複雑なネットワークが形成されます。人々は、エレベーターやエスカレーター、空中歩道などを利用して、建物間を移動することができます。
立体的な都市は緑化も重視されます。屋上庭園や垂直緑化が施され人々が自然に触れ合うことができる環境が整います。また、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーも利用され環境に優しい都市が実現されます。
立体的な都市は人々の生活の質を向上させる可能性があります。人々はより多くの自然に触れ合うことができ移動の時間が短縮されます。また、多様な人々が集まることで文化の交流も盛んになるでしょう。
立体的な都市は、まだ実現されていない未来の都市です。しかし、技術の進歩や環境問題の解決など、さまざまな要因が重なり実現の可能性が高まっています。立体的な都市が実現すれば、人々の生活は大きく変わるでしょう。
土地の有効活用や移動の効率化は想定範囲でしたが、垂直方向だけではなくそこからの水平方向への拡大が前提となっているところが驚きです。
さらに、建物同士がつながるネットワーク空間に自然が誕生し環境に優しくなるという見立ては予想には驚かされます。
続けてこんな質問を投げてみました。
空飛ぶクルマは立体都市でどのように機能するでしょうか?
こちらにはかなり細かい分析回答がありました。
空飛ぶクルマが立体都市でどのように機能するのか、非常に興味深いテーマですね。立体都市において、空飛ぶクルマは単なる移動手段を超え、都市の構造や人々の生活様式を大きく変革する可能性を秘めています。
空飛ぶクルマが立体都市で機能する上でのメリット
1)交通渋滞の緩和
地上交通網が飽和状態にある都市では空域を利用することで交通渋滞を大幅に緩和できます。
2)移動時間の短縮
立体的な都市構造を活かし地上道路を迂回することで目的地までの移動時間を大幅に短縮できます。
3)アクセス性の向上
地上交通網ではアクセスが困難な場所、例えば高層ビルの屋上や郊外の離れた場所へのアクセスが容易になります。
4)都市全体の効率化
物流の効率化や緊急車両の迅速な移動など都市全体の機能を向上させることができます。
立体都市における空飛ぶクルマの利用シーン
1)通勤・通学
高層ビル群の間を自由に飛び回り短時間でオフィスや学校へアクセスできます。
2)買い物
地上店舗だけでなく空中店舗へのアクセスも可能になりショッピングの選択肢が広がります。
3)観光
都市全体の景観を空中から楽しむことができ新たな観光体験を提供します。
4)医療
緊急患者を迅速に病院へ搬送したり遠隔医療の実現に貢献したりすることも期待できます。
立体都市における空飛ぶクルマの課題
1)安全性の確保
空中交通の安全管理システムの確立が不可欠です。
2)騒音問題
空飛ぶクルマの飛行に伴う騒音問題への対策が必要です。
3)エネルギー問題
バッテリー技術の進歩や充電インフラの整備が求められます。
4)法的整備
空中交通に関する新たな法整備が必要です。
立体都市における空飛ぶクルマの未来
1)パーソナルモビリティ
個人が所有する空飛ぶクルマが普及し移動の自由度が格段に高まります。
2)公共交通システムとの連携
地上交通や鉄道との連携によりより効率的な都市交通システムが構築されます。
3)都市デザインとの融合
空飛ぶクルマの飛行ルートや発着場が都市デザインに組み込まれ新たな都市景観が生まれるでしょう。
僕がここで惹かれたのは最後に記された「都市デザインに組み込まれた新たな都市景観」というフレーズです。
空飛ぶクルマの機材自体も未来的なデザイン的な要素に注目が集まっていますが、ランドスケープの構成要素として捉えているところに着目しました。
▪️ロープウェイの進化系
そこで生成AIに描いてもらったのがこの画像です。

こんな秘境に人が住むのか?という驚きの絵ですが「ロープウェイが活躍する未来都市」というプロンプトに対するビジュアル回答です。
最近、ロープウェイに関する調査案件があったのですが、改めてこの「空域移動」手段を観察してみると、人類はかなり以前にまちづくりの3次元化を進めていたことがわかります。
ロープウェイの歴史を遡れば、山岳エリアの移動と観光が主目的であり、過疎地の地域課題解決と行楽客獲得を同時に行う「魔法の乗り物」だったと言えます。
人類が空間に浮かぶ「浪漫」の実現という点においては、遊園地やテーマパークに進化形として導入されたともいえます。
山や谷と川に遮られて移動困難な地域に塔を建ててロープを渡し、そこに吊り下げた輸送機器に人や物を載せるという「索道」の取り組みは生活空間の3次元化の原点のようなものです。
アナログからデジタルへの「変容」を電話で考えると、そこに明確なのは「線(ケーブル)」があるかないか、つまり有線から無線への移行。
これをロープウェイに置き換えるなら「ロープなきロープウェイは可能か?」ということになります。
未来社会をアナログな有線が張り巡らされたロープウェイ移動から、支柱もワイヤーもない無線ネットワーク移動への「トランスフォーム」と定義すれば、そこに空飛ぶクルマが飛び交う価値が見えてきます。
▪️懐かしい未来

空飛ぶクルマに対して…
・自動車が「空陸両用」へ進化
・飛行機がコンパクトに電力化
・ドローンがヒトを運ぶシステムへ
などと語られることはよく聞きますが「ロープウェイの無線化」という喩えを聞いたことはありませんが、観光分野をメインに活動してきた僕にとってはとてもしっくりくるコンセプトです。
世界各地の景勝地やウィンターリゾートで搭乗したリフトやゴンドラ、ロープウェイの数々を思い浮かべると、なんとも優雅で牧歌的な時間の流れが懐かしく蘇ります。
スピード化と効率化がベースとなるテクノロジーの進化を前提とする未来都市づくりの文脈からは取り残されてしまう恐れがある景観の中に空飛ぶクルマが組み込む発想も忘れずにいたいものです。
●次回も空飛ぶクルマのDXを深掘りしていきます