【機上の空論】舞台は日本か?世界か?
空飛ぶクルマは国境を越えるか?
空飛ぶクルマ産業とこれまでの航空産業を比較すると明らかなのは、飛行高度が低く、移動距離が短いということです。
つまり、空飛ぶクルマの「行動圏」は世界を飛び交う飛行機に対してコンパクトであって、「国境を越える」シーンは少ないはずなのです。
都市型の観光においては「空飛ぶタクシー」。
地方においては過疎対策や物流など社会課題を解決するモビリティ。
というのが想定される空飛ぶクルマビジネスなので、基本的には各国におけるニーズに対するドメスティックなビジネス展開になるでしょう。
もちろん、国土を接する欧州においては国境をまたいで飛ぶビジネスモデルが誕生するでしょうが、周囲を海に囲まれた日本のような島国における空飛ぶクルマビジネスにおいては「国境を越える」想定はないと考えられます。
国産メーカーの舞台はどこか?
現在、空飛ぶクルマの機材開発を行うメーカー数は500社とも1000社とも報告されていますが、国産メーカーの雄であるスカイドライブ社のニュースが国境を越えだしました。
3月には自動車メーカー・スズキとの提携でインド進出の発表で話題になりましたが、今回はサウスカロライナ州政府との提携発表。
行政が核となりステークホルダーと多角的な連携を目指すアライアンスモデルは重要で、同社と兵庫県も提携発表をしていますので、動向が気になるところ様々です。
ちなみに、この写真は昨年7月にスカイドライブの福澤社長と兵庫県の齋藤知事と私が共演させていただいたイベント時の写真です。
海と山が近いユニークな都市景観を持つ神戸市や、その先に浮かんでいる淡路島。
さらには、日本海に連なる多様な構成市町を舞台に空飛ぶクルマの様々な可能性があることを対談で語り合いましたが、米国における「州」と日本における「県」の役割には同様のポジションがありますので、官民連携のあり方に要注目です。
このように、空飛ぶクルマ自体がフライトで国境を越える想定は少ないものの、ビジネスにおいてはグローバルな動きが活性化しており、Z世代のみなさんには業界の動向を世界レベルで追ってほしいところです。
世界市場でマーケティングは展開される
そこで注目いただきたいのが20〜30代のマーケターに向けた海外交流に関する意識調査のニュース。
訪日ビジネスマンや観光客、留学生が着実に戻ってきている今、渋谷の街でどんなディスカッションをしたいか?という質問に対して、ChatGPTやメタバースといった旬のテーマと並んで「空飛ぶクルマ」がランクイン。
各国でスタートアップ的に立ち上がるメーカー群が既存企業と提携したり産官学連携ビジネスを展開したりするニュースを潮流として捉えておくことが「感度」の高いマーケターに求められる要素となりそうです。
空飛ぶ倶楽部
HAAMでローンチさせたZ世代向けのコミュニティ「空飛ぶ倶楽部」では10月からSNSを通じた同世代向けの情報共有活動に軸足を移し、年度内に東西2ヶ所でディスカッションイベントを計画中です。
noteに加えて、X(旧Twitter)の公式アカウントも開設予定となっておりますのでご注目ください!
>>空飛ぶ倶楽部
/HYOGO空飛ぶクルマ研究室 CHIEF 江藤 誠晃
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