巻き込まれゲー Nehrim(ネタバレ)
今日のお話は、つい最近Steamで独立タイトルとして配信開始したNehrimです。Enderal同様、もともとはOblivionのフルコンバージョンMODとして開発されたものです。Steamでおぶりを持っていれば無料でプレイ可能。
ゲームの説明は日本語ですが(ありがとうありがとう)、現状ドイツ語音声のみ日本語字幕なし。今後対応予定だそうです(NexusにNehrim専用各種MODがあるんですけど、残念ながらSteam版では動かない模様)。本家に日本語化MOD(Steam版では動かないはず)置いてあるので、実装はそれほど先のことじゃないかも。音声ドイツ語だもんで英語字幕を読むにも頭が取っ散らかって非常にしんどいので日本語対応心待ちにしております。
Nehrimはこんなゲーム
目が覚めると薄暗いあなぐらの中。自分がなぜこんなところにいるのか、それはある日、玄関口に置かれていた謎の手紙が発端でした。そこには選ばれた者だけがこれを受け取ることができ、指定の場所に来れば運命が開ける、というようなことが書かれていました。招待を受けて現地にたどり着いた途端、後ろから何者かに襲われて意識を失ったのです。逃げ出さなければ!と足を踏み出すと、足元の床板が抜けて下層に落ちてしまいました。そこにはあなた同様に手紙を受け取った一人の男性が。自分以外の人間がいたことに安堵しつつ、ここはトロールの巣窟になっていて非常に危険であることを教えてくれます。自分をこんな目に遭わせた手紙の送り主は誰なのか?彼らの目的は?トロールたちを撃退しつつ、入り組んだ坑道を脱出するところから、運命の冒険が始まります。
まあまあきれいに作れる。だが暗すぎてコレジャナイ事案誘発しがち。
通常以上に英語字幕の読み取りがアレなもんで、細かいところは違うかもしれませんがまあこんな感じです。このシリーズは、天の高みにあるイノダンという領域に住まう7人の現人神、ライトボーンが治めるヴィンの物語。その中の大陸の一つ、ライトボーンからの独立を求める人々による内戦で揺れるネーリムが今回の舞台になります。治めると言ってもライトボーンはほとんど現世に干渉しないので、いるんだかいないんだかわからない存在。地上に住む人々も信仰はしてますが、困ったことが起きても特段何かしてくれるわけでもなし、格差も激しいしで潜在的に信仰心は薄れています。また、ライトボーンの意思を実行する役割を担う人々も、現世利益や自己保身に神々を利用している節があり、人々はあまり幸せには暮らしていません。この辺の世界観を細かく説明するととんでもなく長い話になるので、Enderal(エンデラルもヴィンの地名)をプレイするなどしていただければ(投げやり)。
鬱ゲーですがユーモアはあります。
スターターダンジョンなのにダガーフォールよりしんどいんだが?????というぐらい広くて大変だった…。戦闘やレベルシステムはおぶりとだいたい同じです。魔法やスキルを覚える方法が少し違ったり、装備数でボーナスが付く全身セット装備があったりするぐらいなので、経験者が戸惑うことはないと思います。
Nehrim、ここがいい
・完全に別ゲー
Oblivionのエンジンを使って、どう見てもおぶりなのにどこか違うVynという世界を作り上げてしまった創造性がすごい。またそういうのやれる人たちが集まって趣味で作っちゃったのがすごい。さらに人の入れ替わりはあると思いますが、TES5で続編(直接の続きじゃないけど相似性があって一人だけだけど同じ人が出てくる)作っちゃうのもほんとすごい。すごいしか言いようがない。すごい。あと話がでかい。考察厨にはおいしい。
・洋ゲーなのに和ゲー感がある
良くも悪くも一本道なので、「これこれこうだからこうなんだよこうしてくれ」「あうあう」って言ってる間に話が進む辺りが非常にひところの日本産RPGを遊んでいる感があって懐かしく、そしていい感じにプレイヤーを突き放す洋ゲー感も山盛り濃厚。こういう組み合わせにはちょっと新鮮みがありました。残念ポイントでもあるのですけど。
・Enderalに改善点が活かされているのがわかる
EnderalにしてもNehrimにしてもMODを入れすぎて魔窟と化しているせいで、MODとして導入するのが不安すぎて独立タイトルにしてくれて本当にありがたいんです。Enderalの配信が先だったおかげで、経験積んだんだなあとかいう親心みたいなものが芽生えましたw
TES3でもMyar Aranath、ArktwendなるMODを制作していて、よりそういう実感やゲーム世界の理解を深めたりできると思うんですけど、さすがにちょっと手が回らん。
・息の長いサポート
2010年発表のMODをSteam独立タイトルにしたり、Enderal日本語正式対応してくれたり、ちょいちょい修正パッチ流してくれたりと本当に息の長いサポートで頭が下がります。MOD文化の良いところを体現しておられるように思います。TES6出たらどうなるかなってひそかにwktkしています。
Nehrim、ここが残念
・広すぎィ!!
マップが広大すぎる上に(テレポートの魔法やなんや補助する方法はいろいろあるけど)FT不可ですし、初見で飛べない目的地がめちゃめちゃ遠くてそっとコンソールを開いてしまうレベルに遠い。さらに目標設定されないクエストが多くて必殺movetoqtが使えない(普段よっぽどトラブった時しか使わないんですけど、あまりにも移動が多すぎるのと、おま環なのか不安定でCTD連発するのでやってられなかった)などイラチにはちょっとしんどいところがあります。
・ちょっと話が強引
ネタバレコーナーでこまごま書きますが、まったく感情移入できない不細工なおっさんに熱く語られても…みたいなところは大いにありました。
・バギー
度重なるCTDはおま環かなあと思うものの、確定CTDする場所があったり、元のおぶりに問題が起きるというレビューが出たりしています。頻繁にパッチが出ていますが、その辺はできるだけ早く対応してほしいところ。
まとめ
・気長にプレイできる人はやっておこう
・一本道嫌いマンには向かない
・きれいな鬱ゲー
・全体に暗すぎるので画面のブライトネスは上げた方がいい
・日本語字幕がないと本当に厳しい
人は選びがち。あとEnderalみたいに萌える人材が少ない。友達以上設定はあるんだけどジェスパーくんほど萌えない。「あれがこの件かー」って納得したり考察が捗ったりするので、私のようにEnderalやってすごく好きだけどNehrimまだなんだよなーという人はやった方がいいという感じ。本当は絶賛記事にしたかったけどちょっといろいろ大変すぎて無理でした。すまん
でも度重なるCTDを乗り越えてクリアしましたし、パッチ効果かCTD減ってきてますし、2周目(メインクエはあんまり進めずにマップを埋めたりアイテム揃えたりする旅)始めてますし、いい作品であることは間違いない。
以下改行以降がネタバレ。
ネタバレ部門
ライトボーンに反旗を翻すというのは非常によくわかる。Enderalも救いのない話だったし、実際ライトボーン何もせんし。しかしこのアランシアルJr.は駄目すぎてお前について行こうとはまるで思えないのだ。親子で最悪!!!
力こそパワーな癇癪もちの狂信者で、革命後にこの人が治世したら確実にロベスピエールかポルポト一直線になるやろ感満載です。まあそれゆえにあの結末になるのですけども、もう少しなんというか序盤ぐらいはかりそめでも理想郷が待っている感がほしかった。第四章が「終わりの始まり」というタイトルなのですが、序盤で彼と話をした段階でもうオワットル感じだったので、もう始まっとるがねってちょっと言いそうになりました。その点Enderalの騙し方は上手でしたね。
Jr.には相思相愛の恋人がいました。幽閉される前、キーパーソンのアークトさんと3人で神殺しの剣を探す冒険の途中で、恋人がアークトさんと抱き合うのを目撃してしまい、逆上してその剣で彼女を殺してしまいます。アークトさんも同じ目に遭わせようとしたが逃げられたという話だけでもドン引き。抱き合ってただけですよ!!!二人であいつころがそうぜ!ってベッドでもにょもにょしながら算段してたわけじゃないんですよ!!!
囚われていたJr.を解放してその話を聞いてドン引きしたあとその剣をもう一度手に入れると、「この剣には恋人の魂が宿っている、また一緒になれたね」とか言うんでさらにドン引き。おまわりさんこの人です!!!!!
アークトさん視点では、力に溺れ、必要以上のものを手に入れようとするJr.に彼女が愛想尽かししただけであると語られるのですけども、100%アークトさんが正しいとしか思えない異常ぶりで、本当にこの人に協力したくないんですけど…って思いながら地下活動して爆破テロとか起こさなきゃいけないのがしんどかった。せめてもう少し爆破テロする理由は丁寧に作ってほしかったなーって思います。
どっちかというとアークトさん主体でJr.をどうにかする手伝いをするのをメインストーリーにしてくれた方がもう少し感情移入できた気がする。涅槃でなんか改心して真人間になってたし。
Enderalではジェスパーくん(ロマンスあり/女性ロマンス対象もいる)とサラエルくん(ロマンスなし)という大変丁寧に構築されたキャラクターが出てきてくっそ尊いんですね。NehrimではKimさんがそのお相手になるんですが、登場場面の少なさ、会話内容の少なさにおぶりの不細工キャラデザ(それでもすごいがんばってる)が手伝ってイマイチ萌えづらかったのが残念でした。その上最後に彼に会ってからころがされるまでの間に接触が皆無で、「えっ誰しゃべってるん?あれ?お亡くなりになってるわー」って感じでイマイチ盛り上がれず。キムさんもいい人なんですけど、ジェスパーくんが同じ展開になったらうわー!!!!!!!!って泣きながら剣振り回すと思うんです。実際一回死んだときうわー!!!ってなったし。この辺の差は容量の問題とかEnderalで加わったライターさんの力量によるところが大きいとは思いますけども。
まあでもつらつら書きましたけど、こんな手の込んだMODを作ってくれてほんとにありがとうという気持ちが圧倒的なんです。くどくど言っちゃうのはそんだけEnderalがよかったからでもあるのです。いずれにしても鬱ゲーなんですけど、胸糞ではないのでSteamでおぶり持ってる方は、ぜひ一度お試しくださいませませ。