見出し画像

奔放ゲー、FALLOUT2

ヘッダーでもおわかりのように相当古いゲームですが、未プレイの76とTactics以外で最も好きなフォールアウトのことをちょっと書いておきたかったの。

こんなゲーム

核戦争後の世界に残された人々が身を寄せ合い、細々と暮らすアロヨ村。村は今、干ばつのせいで住民の生存すら脅かされる事態に陥っています。古い記録から、豊富な水を生み出す力があるというGarden of Eden Creation Kit(G.E.C.K.)なる道具の存在を知った長老は、主人公である選ばれし者に捜索を命じて村から送り出します。辺境の村しか知らなかった主人公が、G.E.C.K.を村に持ち帰るべく世紀末ヒャッハー世界のアメリカ西海岸を奔走する物語、という感じです。

これはシリーズすべてに言えることですが、秩序や環境が崩壊した世界で、誰もが脆い心と体を抱え、時に滑稽にさえ見えるほど必死で足掻きながら生きているウェイストランドは本当に魅力的です。そこに生まれたいとは思わないんですけど。

けっこう難しい

前作プレイ済みの前提で作られており、難易度はかなり高め。スタート時のキャラメイクからガチガチにやらないと、あとで詰みかねないシビアさがあります。難易度は三段階用意されていますが、簡単設定にしても難所が多いです。幸い日本語での攻略情報も充実していますので、キャラメイクだけは多少情報収集をしてから始めることをお勧めします。日本語と言えば、ウィットに富んだセリフの魅力もあますところなく訳してくださっている有志翻訳があり、英語苦手でも万全です。

画像1

初回プレイ時の選ばれ子ステータス。アジリティはAPの余裕を得るために最優先、とある目的のために(今作では特に重要でない)ラックを削ってカリスマをカチ上げています。初代同様知性が低いとまともな会話が成り立たないぐらい頭が悪い子になるためそこそこにしていますが、思い切って低い数値にすれば、それはそれで腹筋が鍛えられる旅になることでしょう。

ほんとこれだけ正攻法でどうすればいいかわからない敵はそうそう思い当たらないほど、ラスボスの強さはえげつないです。それだけに強く印象に残りますし、そのほかの難所もどうやって掻い潜るかを試行錯誤したのは楽しいひと時でした。大の苦手であるアクションゲームだと絶対クリアできてないんで、ターン制バトルで本当によかった。

シリーズの重要な要素が詰まってる

3で終盤のキーアイテムになったGECKもそうですが、エンクレイヴやNCRなど後発シリーズに続く設定が多々出てきます。BOSはありますけど大して何もしてないんでこのあとすごくがんばったんですね、きっと。
開発元が同じということもあって、本作のNPCの名前や、当時の行動の顛末がちょいちょいNew Vegasにも登場します。通常価格なら1000円程度、セールなら単品300円以下だったり、1とTacticsと2のセットで1000円でもお釣りがくるお値段で購入可能です。シリーズのどれかをプレイしたことがあって本作を未プレイの方はぜひぜひどうぞ。

なぜ2が最高なのか

戦闘はもっさりしてるんです。グラフィックもまあご覧の通りです。ちょっと毛色が違うのは、スタッフ何かキメてたんかと疑いたくなるほどクレイジーなランダムイベントや、世間知らずの田舎の子がでんせつのよろいを着て、世界のどこかにあるでんせつのたからを探しに行く古き良きRPGスタイルをポストアポカリプスに持ち込んだことかしら。しかしそれも別にどってことないんです。
何より最高なのは、使えるものは何でも使って事態を打開する奔放さなのです。腕力に秀でた者は暴力で、交渉に長けた者は(最強と名高いラスボスさえも)口先三寸で、見目麗しい者はその体で、「ドーンとやっちまいなよ!ここはウェイストランドだぜ!!メーン」みたいなノリが最高なのです。

画像2

見た目と体力と中の人の気分があればAVにも出演できる(しなくてもまったく問題ない)ゲーム、それがFallout2

RP的に薬にも酒にも下半身にも節制が利かないダメ人間として生きることもできますが、それでも故郷の未来のためにGECKを持ち帰る目的を忘れず、泣いちゃうほど気持ち悪いケンタウルスに囲まれても、常軌を逸したラスボスと対峙しても、決して心折れない選ばれし者はとてもカッコよいのです。
同じスタッフによるNVによく似ているものの、やっぱりどこまでも自由奔放で、スタッフさんたちが好きなことを詰め込んだ2の方が好きです。

念のため、エロ(視覚的にエロい場面はありません)グロ(グロは設定で加減できます)やドラッグや理不尽な暴力がないと面白くないと言いたいわけではないんです。そういうのが特に好きなわけでもないし。
だけど、最近流行りのなんたらコレクトなんたらみたいな棍棒はお断りです。せっかく非現実世界に遊ぶんですもん、そこさえ弁えてれば創作世界は自由でいいはずです。いずれにせよ作り手と受け手の選択の問題ですから。その点において差異がないその他の娯楽コンテンツは不問で、ゲームだけが指弾されるのは常々納得が行かんのですよ。

閑話休題。Falloutは3から入ってNV→4→無印という順番で遊んできて、私にとっての最新タイトルが2になります。この順番は結果的によかったなあと思います。2が最初だったら、特に主人公の属性ががっちり固まりすぎてしまった4の感じに覚える違和感がさらに強まってしまったかも。4は4で好きなんですよ。ニック・バレンタインさん最高ですし。でもやっぱりNVみたいに三方よしみたいな結末がほしかったなとか、2みたいな野放図さがよかったなって思ってしまうので、私はきっとオブシディアンの色が好きなんだと思います。
オブシディアンと言えばアウター・ワールドが話題(DICE受賞おめでとうございます!)ですが、Steam勢のため今夏ぐらいの発売を待っているところ。すでにPS4でプレイしたオブシ好きの方からはFalloutみを強く感じるという感想を伺っており、とても楽しみにしています。
もはやレトロゲーにはなってしまいましたが、Fallout2、自由を愛するゲーマーさんには、ぜひ遊んでもらいたい一本です。おすすめ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?