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中世ジェットコースター PENTIMENT

【追記】日本語対応されました!!ありがとうおぶし!!【追記終わり】

はい、クリアしました。しましたが下手こきまくりにもほどがある前半戦だったのでそっこー2周めに入っています。予告しておきますがおぶし信者なので長いよ!

前回の記事でええ感じなのは伝わったようなので(コメントありがとうございました!)、今回は内容メインで書いていこうと思います。ネタバレ皆無。お口チャック。
かろうじてネタバレにならない最終シーンを終えた時の感想を書き留めておきますと、
ちょおま…タイトル…ちょ…ヤバい…おぶし……好き///♥
という感じでした。信者冥利に尽きますごちそうさまでした。

PENTIMENTはこんなゲーム

時代はルネッサンス真っ盛り1500年代の神聖ローマ帝国。アルペン地方に位置する山間の小さな町タッシングと、町を見下ろすように建つベネディクト会のキエルザウ修道院が物語の舞台になります。主人公はタッシングに滞在する修行中の若き画家、アンドレアスです。キエルザウ修道院に雇われ、スクリプトリウムでスポンサーから注文された写本などを手がける合間に、ポートフォリオにするための代表作を制作中。数ヶ月後に故郷に戻り、彼の帰りを待つ会ったこともない婚約者と結婚して工房を構えれば、マイスターとしての輝かしい未来が約束されています。
そんなある日、出勤途中で修道院を訪ねて町にやってきた貴族の男に出会い、道案内をすることに。性格に難ありのこの人物はトラブルメーカーなのですが、代々大口の支援者の家系なので修道院の面々は頭が上がりません。そしてその翌日、彼は修道院内の会議室で何者かに殺害されてしまうのです。
遺体のそばにあった血まみれのナイフを手にした第一発見者、修道僧ピエロを見た修道院長は、その場で彼が犯人だと決めつけてしまいます。ピエロはスクリプトリウムに勤める同僚であり、息苦しい修道院におけるアンドレアスの唯一の理解者、かつ豊かな経験に基づいた知識と技術で彼を導いてくれる大先輩なのです。修道院内の誰よりも穏やかで、そして何より最高齢のピエロにそんな真似ができるはずがありません。このままでは、ピエロが犯人として公開処刑されてしまいます。ピエロの冤罪を晴らすべく、単身捜査に乗り出すアンドレアス。彼はまだ、この事件が始まりに過ぎないことを知る由もありませんでした――

のっけからプレスタージョンやら阿呆舟やらで西洋史知識のハードルカチ上げてくる

よし短い。短いけど最初の事件が起きるまで結構長い。でもチュートリアルとか活版印刷の普及によって知を独占できなくなった修道院の苦境とか別棟だけど男女同住の二重修道院の特殊さとかルター派の台頭に揺れる当時のカトリック教会とか重税に苦しむ領民とか修道院と町民の関係とかローマ以前からの歴史ある町とか殺される人の人となりとか色々見せないといけないから仕方ないね。舞台になる町も修道院も架空の名前ですが、建物の元ネタになったところはggればすぐにわかると思います。

基本完全にポイント&クリックとダイアログ選択ゲーなのでその辺が退屈だと思う人には少々退屈かもしれない。ぼくはへいき。
セーブは1周につき1スロット手動orクイックセーブロードなしオートセーブのみですが、タイトル画面でNew Gameからスロット選んで青いボタンクリックしたら10個ぐらい古いセーブ出てくるのを昨日知った。セーブのタイミングはマップ切り替えの他に犬猫なでなで後とかちょいちょいあります。
そしてオブシディアンですので何も考えんとほいほい選択肢押してると「今の選択はめっちゃ影響するからな」って突然言われるし、ぱっと見重要そうじゃないところで「あの時こっちの選択したからマイナス度大!」からの話術失敗になりますので本当に油断ならない。
大学中退だしスクリプトリウムで写本作ったり宗教画描いたりする主人公ですゆえ、FOのようにINT1みたいなビルドは無理でした。ざんねん。
・タッシングに来る前に滞在していた地域
・基本的な性格
・趣味
・大学の専攻1
・大学の専攻2
・ネタバレが必要なので書けない
・同上
の7要素。別に何を選んでも一長一短に作ってありそうだし、好きにやるのがいいと思う。

完成形がこちらになります。まあこれぐらいのスポイラーは許される。

PENTIMENT、ここがいい

タイポグラフィが最 of the 高
前回の記事に書いたし長々書きませんけどネタバレするから書けないし見せられないきらびやかでエレガントなやつの画像を貼れないのが心から悔しい。もう内容わからなくてもいいから買ってやってみて!!!って暴言ぶちかましたいぐらい最 of the 高。日本の古典で縦書きでこういうのやってみてくれないかな清少納言探偵とかいとをかしだと思うんですけどどうですか日本のゲーム開発の皆さん。

どういう日本語版になるかわかんないけど、ゲーム開始時に可読性高めコース選べるよ

・押しつけがましくない面倒な問題描写
前々から何度も書いてますが、社会的な問題にいろいろ意見があるのはいいけどゲーム性やナラティブを損なってまで大声で説教したり、昔のことを現在の価値観で断罪しまくるようなのは嫌いなんです私。そのさじ加減がうまくてイライラしないのがオブシディアン。今回もよかったです。ただでもこのゲームについては敬虔なカソリックの人はしんどいかもなーって思いました。実際Steamのレビューに不敬だって怒ってる人いたしね。しかし部外者的には事実陳列罪に過ぎないので仕方がないと思った。おぶしだし。
・幾重にも折り畳まれた丁寧なストーリー
多層構造のストーリーと、えっ終わ…りじゃなかったえっまさかそんなこれバッドエン…ドじゃなかったえっえっえええええという感じの本当にジェットコースター感あふれるストーリーテリングが圧巻でした。事件が起きるまではゆっくりゆっくり登って行って、ひとたび事件が起きたら急降下するメリハリ、超楽しかった。終盤になると容疑者はかなり絞られてくるのですが、それでも真犯人とその動機が最後まで上手に隠されていて、気持ちよく騙されました。ほんとによかった。そして2周目でその人物に注目してると、あっこの話題でめっちゃ嫌な顔するやんってわかって、細かく作り込んでるなあって確認中。
・キリスト教文化の掘り下げ
と言っても私は信者でも研究者でもなく、ミッションスクールでなぜ好きになれないのかを確認したくて聖書を読み、シスターや神父の先生にうるさく質問してウザがられていたしがない世界史好き元ガールですので、ガチ勢の皆さんがどう思うかはわかりません。先述したように不敬だって怒ってた人もいるしな。でもいいとこも悪いとこもひっくるめてたいへん丁寧に描かれていたと思います。いうていいところ以上に(マソソソマソソソのDisposable Teensの歌詞的な意味で)「そういうとこやぞ」がすごく多いと言えば多い。でもそこの文化圏の人もこういう見方してるんだなーって思いを致す内容で興味深かったです。
・みんな大好きドロみのある人間模様
修道院内も町中でもわりとドロドロしています。してない人もいるけどドロドロしています。それがアンドレアスさんの丁寧な聞き込みによってちょっとずつ明らかになるのがもうおいしい。どこにでも首を突っ込むやつと罵られてもやめらんねえよなウヒヒ
・細かい芝居
表情豊かなのもさることながら、平面で、動かせる関節も限られているにもかかわらず、モーションが情感たっぷり。ゆえにそれぞれのNPCがとても生き生きしています。中でもちびっ子たちのかわいらしさは特筆ものです。かわいさを研究しつくしている感。こういうディテールがいちいち丁寧だから、ナラティブへの没入度半端ねえの。おぶしのこういうとこ心から好き。

もう本当に子供がかわいい。あとエチオピア正教会の人もいるよ

・もやもや感
ネタバレしちゃうからあんまり書けないんですが、科学捜査や監視カメラのありがたみをひしひしと感じるモヤモヤが残るのがいい。もしかしたら理想的に捜査を進められればモヤモヤしないのかもしれない。なんせ下手こきまくった自覚しかないのでまだ不明です。でもほら魔女焼きしちゃう中世だからさ、そういうのもきっとナラティブのうちな気がする。あっ、でもでも最後まで消化不良というわけではないので大丈夫ですよ。お口チャック。

PENTIMENT、ここが残念

・忙しすぎ
いくら中世と言っても2日とか捜査の時間がぜんぜん足らん。時間はイベントを起こさなければ進まないから動き回れないわけではないけども、証拠物件見つけたら時間が進んでしまったり、日時指定の重要イベントや特定のタイミングでないと聞けない返事などがあり、結構頭を抱える。そしてみんなして昼ごはんや晩ごはんに誘ってくれるのはいいけど、誰と約束したか忘れるつらい(ジャーナルに書いてある気はする。なので結構ちゃんと計画的に動かないと私のように下手をこきます気を付けろ。
・何があったんですかぜんぜんわからんぞ
これはネタバレエリアになるので細かく言えないし、もしかしたら下手打ったせいでそこがまるっと見られなかった可能性もあるので残念なのかどうなのかはまだちょっとわからない。わからないけどもうちょっとkwskしてほしかった。ただこれは事件の本筋ではないので大丈夫です。
・ちょっと長い
初回クリアまでは30時間あまり。うち5時間ぐらいはきれいすぎてハァハァしてろくにゲームを進めていなかったかもしれない。それでも、セーブの不自由さとマルチエンディングの分岐を考えると、ちょっと長いかなって感じ。AppDataの中にセーブファイルがあるので、退避させることはできると思うけども。

それぐらいですかね。あとちょっとバギーだけど、そのうちパッチで直るだろうし、そこはあんまり気にしてません。トータルとして残念ポイントは少ないです。移動も面倒ではあるけどマップ切り替えが早いのでそんなに負担には感じなかったし。

まとめ

・ありがとうオブシディアン
・目と耳が幸せすぎるゲームだった
・タイポグラフィが好きな人は日本語を待たずに買ってやってしまえ
・だが宗教用語が多いので英語はちょっと手ごわい(DEほどじゃない)
・中世やルネッサンス期が好きな人は日本語が出たら買え
・っていうか気になった人はウィッシュリストにIN!!!!
・ありがとうオブシディアンあいしてる

いいゲームだった。こんなん2000円でいいのかと思うぐらいいいゲームだった。サントラも買った。一日も早く日本語対応してほしい。がんばれローカライゼーションチームの皆さん!!!!!おねがい!!!!!!

【追記】2周めを終えて理解したこと

ネタバレはしないです大丈夫ですお口チャック。
2周めを終え、これはダメコンゲーだということがわかりました。決定的な悲劇は起きるし防げません。んが、防げる悲劇はいくつかあり、防げるとエンディングでよかったなあという気持ちになります。超ハッピー☆な展開は用意されておらず、禍福はあざなえるなんたらのような感じなので、苦手な人は心のバリアを張っておこう。私は大好物ですので大丈夫です。
ゲーム内では具体的に描かれなかった、空白の時間を埋めてくれるDLCあるといいな。なさそうだけどあるといいな。

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