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13−3.住宅会社見極めポイント5つ《前編》

エネルギーコストがどんどん高くなるこれからの時代、家づくりにおいてどれも大切なポイントをこれまでお伝えしてきました。

そして今回が5つ目のポイント。
これからお話しすることもとても大切なことです。

5.耐震性能


まだ記憶に新しいかと思いますが、熊本地震(2016年4月)では震度7の地震が2回続けて起きるという、過去に例をみない地震が発生しました。

その最中、耐震等級3の住宅の倒壊数は0棟という調査結果だったそうです。

そして、2024年1月1日には能登半島地震。
被害に遭われました方にはお見舞い申し上げます。

この地域は耐震性能のない古い家屋が多かったこと、大きな地震が続け様に起こったことで多くの家屋が倒壊し、たくさんの方が犠牲となってしまった、との専門家の見解がありました。

「耐震性能」とは?
地震に対して建物が耐えられるかどうかの安全性の度合いのこと。住宅性能表示制度及び耐震診断により、建物がどの程度の地震に耐えられるかを示す、耐震等級1〜3が定められています。

▶︎耐震等級3とは?


ちょっと小難しい話ですがとても大切なことです。

●耐震等級には1~3まである
●耐震等級には許容応力度きょようおうりょくど計算』壁量かべりょう計算』によるものがある
●現時点では、許容応力度計算による耐震等級3が最高等級
●耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる強度
(災害時の救護活動の拠点となる消防署・警察署などの建物の基準になっている)

詳しいことは、こういったHPを読んでいただいた方が分かりやすいです。


短い時間で『耐震等級3って何ぞや?』っていうのが大まかに分かる動画です。


▶︎地震大国・日本に住むには


将来的には南海トラフ地震も予測されており、地震大国日本に住んでいる私たちにとって地震に対する備えは必須です。

なのに、実際に新築されている家で許容応力度計算(構造計算)による耐震等級3を取得している住宅は、まだまだ少ないのが現状です・・・
(ここらへんも住宅業界の闇ですね・・・)

というのも、許容応力度計算による耐震等級3を取得するには、構造からしっかりと詳細に計算する必要があるため、手間と時間がかかるうえ計算がとても難しい。

実際に家を建てるHMや工務店が計算をするのではなく、構造計算を専門に行っている第三者機関(設計士)に依頼します。

構造計算費用は、建物の構造や規模によっても異なりますが、30坪前後の一般的な住宅で30〜50万が相場であり、新築時の負担になるのは否めません。

それに加えて、耐震性能を上げるために耐力壁を増やしたり、耐震金物を設置するため建築コストが高くなったり、間取りが制限されてしまうこともあります。

そして、コストがかかるということは住まい手には高く見えてしまいますから、ほどほどの耐震性能でいいだろう、というのが耐震等級3を取っていない住宅会社の考えです。

確かに倒壊は免れるかもしれない。
でも、家が少しでも傾いていたら住むことはできません。

『許容応力度計算による耐震等級3』を取得した住宅じゃないと、本当の意味での地震に強い家にはなりません。

上辺だけの『地震に強い家』に惑わされることなく『許容応力度計算による耐震等級3』がこれからの住宅には必須です。

新築時のコストアップは本当に辛い・・・
私も覚悟していたとはいえ、他の建築費の高騰で挫けそうになりました。
でも、後から構造に手を加える事はできません。
新築時にしか出来ないことなんです。
住宅設備のように後から交換も出来ません。

耐震等級3を標準として施工している会社は必ずあります。そこを見つけられるのが一番ですし、そういった会社をぜひ選んで許容応力度計算による耐震等級3を取って欲しいのです。

▶︎建物だけじゃない


建物の耐震性能ももちろん重要ですが、そもそも地盤が脆弱では元も子もありません。
地盤調査で補強が必要になることも想定して予算組みしておいた方が、いざという時にも対応できます。

ですが、東日本大震災や能登半島地震のように、地域の地盤そのものの問題や液状化現象が起きてしまえば、どんなに土地や建物の補強を施していても敵いません。

土地を探す際に立地条件だけでなく、ハザードマップや今昔マップを参考にして、よりリスクの少ない土地を選ぶことも重要です。

また長くなってしまった・・・
後半に続きます。

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