![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147842523/rectangle_large_type_2_c2721435603c4cad63dc3844feabf92f.jpeg?width=1200)
JLPT、中国人に聞いた怖い話
釣りのような記事タイトルで恐縮です。ですが、特にオンラインで日本語教師をなさっている方に共有しておきたい怖いお話なのです。
最近の中国人生徒さん
最近オンラインで、こんな中国人の生徒さんからの問い合わせが増えてませんか?
「日本で日本語学校に通っている中国人です。日本で働くために中国から来ました。JLPT N2合格済みですが、会話が苦手なのでレッスンをしたいです。」
え?増えてません?私のところにはこんな問い合わせがよく来ているんです。
トライアルレッスンをやってみると・・・
で、トライアルレッスンをやるわけですが、本当に会話が苦手な方が多いんです。リスニングはさほど問題なさそうなのですが、スピーキングが全くダメでした。
どこがダメなのか具体的に言えば、基礎の文法が全く身についていな状態なのです。
その一例ですが、
「食べられます」→「食べできます」
「昨日本屋に本が買いました。」
発音もクセがありすぎて、「意味は分かりますか?」という問いかけに対し、「分かりますん」という返答。
他にも、意味は分かるけれど読み方を知らない、N4の動詞を知らない、などなど。他にもありますが、本題に戻します。
つまりどういう状況なのか
これらはほんの一例ですが、基礎的な文法でつまづいている方が目立ちます。N2に合格された生徒さんばかりなんですが。
逆に、N4をコツコツと勉強中の生徒さんのほうが、正確に文法を使いこなしている、という印象です。
もちろん語彙力に限ってはN2の中国人のほうが上ではあります。
なぜこんなに基礎が身についていないのか
最近、その原因を初めて知りました。中国ではこんな日本語学習スタイルが流行っているのだとか。
「日本は中国より就職しやすい。」
「日本で働くためにはN2以上が必要。」
「だから最初からN2の試験対策だけやったほうがいい。」
「なぜなら、俺達は漢字でだいたい意味がわかる!」
たしかにJLPTの試験は年2回だけ。とにかく早く日本に行くためには、N4→N3→N2とステップを踏まず、N2一点買いで望んだほうが効率がいいということなのでしょう。
漢字の字面で意味を推測するのが容易なのが、漢字圏の人たちの強みです。
その一方で、ひらがなを無視する、読み方も覚えないという人も多く、N4の文法に至っては「なんとなく分かったかも」レベルで読み飛ばしているそうです。
この学習スタイルで日本に来るとどうなるのか
結果としてはN2に偏重した知識だけで日本に来てしまうのです。
だからN3の形容詞リストを見せた際は「初めて見る形容詞だらけですねw」というリアクションでした。
N2に合格して半年から1年、日本語学校に通ってN1対策をしながらバイトする。卒業したら日本企業に就職するというプランのようです。
まとめ
私も2年前は「JLPTのなんてクソや。あんなもん役に立たんわ」と思っていました。ですが、最近はN4相当の文法と言葉を完璧に運用できるなら、それなりにコミュニケーションが取れるのでは?と考えが変わっております。
基礎ってどんな言語でも、つい甘く見てしまいがちですが、コミュニケーションにおいて一番使用頻度が高いのが基礎文法なんですよね。
基礎は大事!
ですので、N2だけど基礎文法が間違いだらけ、という生徒さんに出会ったら、N4の文法を総まとめしてあげるのも良いと思います。
いいなと思ったら応援しよう!
![オンライン日本語講師おじさん@タイの田舎で](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106972573/profile_d3a24959d640a44a443e68df1b663253.jpg?width=600&crop=1:1,smart)