
水素社会の完成形を考えてみる。 #2 -日々の暮らしで、水素をいかに使うのか。
5.この文章で言いたい、私が実現したい水素社会とは
さて、昨日同様、また今日のまとめを優秀な部下であるChatGPTくんにお願いしてみましょう。
大型モビリティに水素を活用し、家庭では燃料電池を普及させることでエネルギーの自立性を高める社会。水素の熱利用による生活の質向上や、環境負荷の低いエンタメの実現も視野に入れている。
さらに今日は、昨日の内容とドッキングした内容も考えてもらいます。
余剰再エネを水素に変換し、地域・季節を越えてエネルギーを融通できるインフラを構築 しつつ、モビリティや暮らし、食、エンタメまで幅広く水素を活用することで、持続可能な社会の実現を目指す。特に、大型モビリティ(水素トラック・バス)に水素を活用し、家庭では燃料電池を普及させてエネルギー自立性を高める。さらに、水素の熱利用で生活の質を向上させ、環境負荷の低いエンタメの発展も視野に入れ、日本の技術力で世界をリードする構想を描く。
うん、いいんじゃないでしょうか。最後ちょっと無理くり感がありますが。ついでにこれもビジュアライズしてもらいましょうか。

いいんじゃないでしょうか! BBQをしている人、湖畔でお茶を楽しむ人などが描かれつつ、街全体のインフラが水素で繋がっている様子が描かれていると思います!(超拡大解釈含む)(細かくみると粗がバレるので、皆さんどうかダウンロードはせず、細目でご覧ください泣)
1. モビリティ
水素の実地調査などもしたことがありますが、やはり一般の皆様にとって、水素の利活用方法のシチュエーションといえば、自動車が圧倒的なイメージなようです。TOYOTAさんの企業努力が伺えます。
乗用車ですが、水素ステーションの数が少ないこと、自動車自体のニーズが社会全体で低下する中、水素燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle,FCV)を選択する理由が明確でないこと、この理由が主に普及を妨げていると肌感ですが感じます。
一度、大宮から長野県上田市まで、FCVをレンタルしてドライブをしたことがありますが、そもそもレンタル開始した時点で水素残量が60%程度しかなかったことが不安でした。 その道すがら、運良く群馬高崎に水素ステーションがあったため、往復計10kmほどの寄り道を挟み、なんとか目的地にゴール。当日は水素キッチンカーイベントの出展が目的でしたので、電源をキッチンカーに提供し、同じ道を帰宅。大宮駅に到着する頃には、水素残量はほぼカラッカラ。別の意味でスリリングすぎるドライブだったのでそれはそれでいい思い出でしたが、んー通常利用時に使用したいか、というと、なかなか難しいなぁ、という、一ユーザーとしての難しさを体感してしまったのです。

皆さんは、FCVを利用する際、ステーションの位置確認を含め、計画的に。
自家用発電可能な再エネが増えた先では、VtoH(Vehicle to Home, 再エネ発電で余った電気をEVに蓄積し、車として活用する、不足する夜などは逆に車から電力を供給するシステムのこと)でエネルギーマネジメントをする、という話であっても、正直一家庭で再エネを活用する上では容量として十分ではないか、と思ってます。
一つ、論点として重要なのは、EVもその電気をどこから発電するか? という発想を持つことです。 車自体のCO2排出は抑えられても、電気のCO2排出が変わらないのであれば本末転倒なので。
一方、大型の自動車(バス、トラック)は、水素の出番かと思います。出力密度が大きい点は水素エネルギーのメリットです。重たいものを長く運ぼうとすると、重量の軽い水素はメリットがあります。その上、トラックやバスなどは、走行経路がある程度決まっているため、水素ステーション設備としては、決まった場所に設置すればいいので、乗用車向けのステーション拡充とは違った戦略を取ることができそうです。
航続距離、出力密度、この辺りのメリットを取ることができるバス、トラック、電車などで、水素技術が普及していく、というのが、エネルギー自立を考える上ではよい落とし所になりそうです。
2.暮らし
エネファームは、家庭用燃料電池コジェネレーションシステムです。これがさらに普及していくと、水素の利活用シーンは増えていくと思います。
水素発電でのいいところは、”電気と一緒に熱も作れる”ということなんです。実は水素燃料電池は、発電する際に、約80℃ほどに発熱をします。その排熱を活用すると、実は家庭で使うお湯なんかも一緒に沸かせてしまうわけですね。
電気を使用するシーンとお湯を使用するシーンは必ずしも一緒じゃないので、蓄熱の技術は必要ですが、概ね燃料電池システムで発電中に生成される発熱・発電のエネルギー比率は、発熱が64%に対して、発電が36%、と計算をしたことがあります(W換算)。やや発熱の出力を大きめに見積もった概算なので条件によってこの値は大きく変化しますが、熱の比率は決して無視できない大きさである、ということだけが伝わればよしとします。
そして消費電力の内訳ですが、これまた熱需要というのが大きいんですね。ほとんどがエアコン由来のものなので、排熱利用するシチュエーションは少ないですが、お風呂を沸かす電気代は大体月2000円くらいのよう(参考文献)なので、このくらいの節約にはなりそう(思ったより小さくて悲しい。。。)

暖房への利活用なども技術的に広まると、ぐっと冬の電気代を削減するデバイスとして活用できそうです!あと、モビリティの話で”EVでいいのでは”と言った手前なかなか言いづらいですが、一家に一台、エネファームの時代が来るのであれば、FCVは水素を運搬する手法にもなり得るのかな、と思いました。 水素ステーションをハブとして、家庭で必要な水素を運搬かつ人を運ぶツールとして活用されると、”水素社会!”って感じがします(なんか今日の話、定性的なことしか言ってない気がする)。
暮らしのところはまだまだ話せそうです。エネルギーインフラと切り離されたエネルギー源を確保することは、防災の観点からも理にかなっている、と言えるでしょう。この話は、防災でまたテーマとして取り上げることにします。
3.食事
ほぼ暮らしに入れてしまってもよかったのですが、こと料理に関しては、水素のメリットは明確に出ます。それは、”燃やした際に出る水で、料理が水分を含む”ということです。
ピザとかは、”中ふっくら、外かりっと”といったように、水分を吸収することで、料理そのものが美味しくなる、という食レポを見たことがあります(参考文献)。僕はまだお目にかかれていないので、是非実食したいですね。
熱を生み出す手段として、やはり火というのはよくできています。IHはコイルからの誘導電流によって発熱する熱からの熱伝導が主に対して、火力を使うと熱源からの熱伝達もありますが、輻射熱も合わさって料理を加熱するため、フライパンなどで温度を上げる上では効果的です。
よく、うちの弟がIHコンロで作ったチャーハンが、ものすごい水っけを帯びていたんですよね。 リゾットですか? というくらいの。彼は中華鍋でパラっとしたチャーハンの仕上がりをイメージしていたようですが、それにしてもなぜリゾットに?! と突っ込みたくなります。
我が家のIHヒーターや鍋の不良、という線も考えられますが、熱を効果的に得られること、水を料理に活用できること、この観点からも、料理はわかりやすく、ユーザーへの体験として還元可能なのでは、と思ってます。
4.エンタメ(音楽)
水素スピーカーは音質が良い、という都市伝説があります。 燃料電池から出力される電気は直流(常に一定の向きに向かって流れる電流)で、それをコンバータで変換し、交流(常に向きが周期的に入れ替わる電流のこと)にしてスピーカーに電気を供給する、というものです。
一般的に家庭用コンセントは交流で我々の元に届きますので、そのときには既に一定のノイズが乗った状態になります。オーディオ界隈では、電源ノイズを除去するための様々な工夫があるようで、これのために試行錯誤している人もいるみたいです(参考文献、すみません、オーディオ界隈全然詳しくなく、変な説明になっていたら補足訂正お願いします)。
ということで、電源の綺麗さ、のような観点から、確かに音が綺麗そう、というイメージはわかります。しかし、その僅かなノイズを聞き取れているかというと、僕は正直ピンと来ておりません。もはやスピーカーを使わず、iPhoneの純正スピーカーから音楽を垂れ流したりするような人間なので(ほんと、こんな人間がこのセクション語るの申し訳なさすぎる。。。)。
ですが、こういうのは気持ちも一定大事だと思っているのと、何より、人間が楽しむエンタメで地球を汚さない、というコンセプトは、とても好きです。
水素音楽ライブを普及させようと、我らがとびChan.も尽力しているところです!
6.この文章に不足していること
1. 経済性とインセンティブの視点
2. エネルギー供給と水素インフラの整備
3. 産業利用・重工業への応用
4. 国際協力と輸出戦略
5. 社会受容性とライフスタイルの変化
国際協力と輸出戦略あたり、明日書いてみようかな。