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折々々のことば 3

その異臭たるや、たとえようもない。

堀威夫

 1945年5月29日の横浜市街の大空襲のあと、被害に合った三ツ沢の本家に握り飯を届けるため、一望の焼け野原を通る。焼け残った家の柱を井桁に組んで、亡骸を焼いている。私は、たまたまこの時代のこの国に生まれたゆえに、今のところそれを知らずに生きられている。そのありがたさを想い、だからこそ、を志に育てて。日本経済新聞「私の履歴書」2月5日付朝刊から。

#2021・2・10

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