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#224 GitHub流出事件に思う
「GitHub」に企業システムの一部ソースコードが流出した問題
三井住友銀行、NTTデータ ジェトロニクス、NEC、コア、サイオス子会社のProfit Cube・・・
たしかにソースコードは発注者側の著作権となる(ことがほとんど)。機密情報の漏洩の問題も含む。
それでも、私はGitHubの利用が制限されるような事は反対する。論外と思う。
知の伝達は複製であるけど、ソフトウェア学習も仕事もまさにコピーから始まる。
一から打つことなどあり得ない。
それがデジタルの強み。
その優位性を突き詰めたオープンソース思考では、データ、コード、ソフトウェアなども共有する。
知の進化と創造できる典型的な場所がデジタルのこうした場と考える。
「大規模開発のスピードや質を確保するうえでGitHubや同様のクラウドサービスは必須の道具になりつつあり、その利用禁止は組織を横断したシステム開発を否定するのに等しい」とCSAJは訴える。
三井住友の事件では、自身の年収を予測するサービスを利用するために外部サービスにソースコードを解析させていたらしい。
これは法的にはクロ。
倫理的にも社会通念上もいかんこと。
こう聞くと、すごいヤバイ奴だ!GitHub危な!何をやっとる連中だ!と思うかもしれない。非エンジニアのフツーの人だと。
ではコードのごく一部をシェアさせるのは?
何人かのITエンジニアに聞いてみた
「実際問題として一部のソースを出したところで何も起きない」とのこと。
むしろ学習効果、生産性、品質、労務は向上する。
顧客情報でも機密情報でもセキュリティ情報でもない。
頭の中に入ったコードを思い出すのを補助して外部記憶のような扱いにすぎない。
さらに頭の中身を共有しているに等しい。
これはすごいことではないか。知の理想郷。
私も賛同する。得るものが大きすぎる。
そのためには明らかな違法行為はやめよう。
でも、利用制限など絶対にしないで欲しい。
もし、賛同してくれない人は、間違いなくコード書いたことの無い人だと思う。プログラミングの勉強もしたことないだろう。そうしたフツーの人には理解は不能だろうな。
じゃましないで欲しい。
たとえ給与上げてもらっても、コピペ情報共有はやめない。
「お金やるから大阪まで歩いて行け」「重機の代わりにツルハシでビル壊せ」「この本全部手で写せ」と同じくらいに感じるレベル。
「やるかそんなもん!」もう戻れないのだ。
三井住友の偉い人がGitHubを知らないとしたら、そっちの方が怖い。
司法も同じだと思う。
そうだとしたら日本のITは暗い。DXなんてほど遠い
APIのときも書いたけど、今の日本は、
「GitHub知っている人と、知らない大勢」
「APIわかっている人と、わからない大勢」
に分断されている。
この分断は深い。そして気づかれていない。