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#199 なぜ、日本はTFPに注目するべきなのですか?
Q:なぜ、TFPなのでしょうか?
A:日本は労働・資本は減少するので生産性を上げるにはTFPしか残っていないからです。
TFPとは「全要素生産性」(Total Factor Productivity)実質GDPの成長率を資本投入・労働投入と、それでは説明できない残差を意味します。
資本や労働を除いた残りですから、誤差も含まれますが、仕事の効率性やイノベーションなどで向上した部分と言えます。
成長会計で要因分解すると、日本は30年間、労働資本もTFPもマイナス続きです。
人口減少、人手不足、時短、働き方改革などで労働投入は減少しています。
投資効率から考えても機械化するところもほとんど残っていません。資本利益率は低下。マイナス金利でお金は余っています。
よって、経済成長するためには生産性を上げるしかありません。労働、資本の寄与を除いた技術進歩率TFPしか期待できません。
ところが、90年代以降TFP上昇率が大きく低下しています。また、90年代以降労働時間の寄与が一貫してマイナスとなっている。この2つが90年代以降の日本のGDP成長率の主たる押し下げ要因であったと言えます。他方で、労働の質、資本はプラスで下支えしているのです。