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#315 トヨタ決算の分析に足りないもの
祝トヨタ 2023年度決算 営業利益5兆円超え 日本の上場企業で初!!!
ということでNEWS PICS「トヨタはどうやって「5兆円」を稼ぎ出したのか」との記事。いろいろ分析があります。しかし、重要なポイントが抜けていることを祝意とともに指摘します。
ここに書いた私のコメントを転載しておきます(2024年5月8日/10日改訂)
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消費税還付金額は税務署も企業側も発表しないが、グループ全体で46兆円営業収益があるという事は、消費税還付額だけで最大1兆5千億円はあるのではないか(ざっくり算定しただけなので)。いったん資産計上しておくが、毎年、現金で還付されP/Lで雑収入になる。これに対するコストはなくそのまま営業利益⇒純利益に落ちてゆく。
トヨタ単体だけで5千億円は還付する。これは愛知県豊田税務署は毎年赤字になっていることが確認できる。
つまりトヨタなど輸出企業は円安効果だけでなく、(毎年固定的に)消費税還付を受けているのだ。
これは海外で10%加算して売っているわけでなく、仕入れに比例しての国からのキャッシュバックである。制度的な収入だから実力とは言えないし営業努力でもない。これは原価総額が高くなればたくさん還付される。
しかも決算情報では収益に紛れ込ませてわからないように発表している。為替の効果どころではない大きな数値だ。これを考慮せず原価率がどうのと計算しても良い数字が出るわけだ。台数が売れればそれに応じてバックは上昇してゆく。
決算で稼ぎの分析を行うのであればこれは見逃せない。なぜ、かしこいアナリストやエコノミストさん達はここを計算したり指摘しないのか不思議だ。(してたらごめん)
なお、インボイス制度はゼロ税率による輸出還付金を正当化するためにフランスで始まったものだ。これによるキャッシュバックは、円安政策と同様にトヨタ様など輸出企業にがんばって欲しいという国の願いの表れだ。
こうした輸出型大企業はうれしいが、同じ輸送費や原材料を支払っても下請け企業や内需型企業に還付はない(それどころか自らの付加価値分×10%を負担する)。実際、好業績の上位企業は軒並み輸出企業の名前だ。これは円安効果だけではない
逆にインボイス導入で苦労している中小企業やその従業員、自営業者はがんばって帳簿記入してもこうした見返りなど何もない。正当化のために付きあわされているとも言える。