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#148 学習効果とは何か(1)企業内特殊技能の蓄積

学習効果について数回に分けて書きます。

知識経営の重要な論点です。

企業の組織、従業員の技能・教育、生産性向上、無形資産に関係します。

企業内特殊技能の蓄積を考えましょう。

ホワイトカラー不要論というのがあります。

中間的な仕事は不要といいます。フラットな組織、中抜きのようなもの。

末端の技能者はどうでしょうか。

それは企業内教育、OJT(On-the-Job Training)で蓄積されます。

ただし、熟練工は、派遣や非正規雇用で失われてしまう部分ですね。

企業特殊技能は、「Firm Specific Skill」と「Portable Skill」に分かれます。

前者は「その企業から一歩出たら全く役に立たない」スキルではありますが、これは同時に会社専用のスキルは外部調達できないことを意味します。

後者は、「持ち運び可能な技能」です。他流試合で成長できるでしょうか?

たとえば標準化されたスキルです。

しかし、そういう技能は、価格競争圧力にさらされます。また陳腐化が激しいものでもあります。

熟練技能は学習効果が大きいことが知られています。

学習効果(learning effect)、経験効果(experience effect)といいます。
学習曲線、経験曲線という言葉もあります。

簡単な例は、累積生産量が増えるごとに単位当りの生産コストが減少していく現象です。

20世紀初頭(1909~1923)に、T型フォードの生産において、          「累積生産台数と価格」の関係を両対数グラフで描いてみると直線になりました。その傾きから累積生産が2倍になると15%下がることがわかりました。

この事実から市場シェアを追及してコスト優位を築く戦略が生まれました。(70年代の経営戦略論です)

はたしてこの経験則は産業全体で成り立つのか?


           


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