#281 意思決定理論(5)アレのパラドックス
(4)どっちのクジを選ぶ? の続きです。
2回のクジとも期待値は A<B でした。
ところがほとんどの参加者は、
1回目のくじでは期待値の低いAを選択
2回目のくじでは期待値の高いBを選択
これは期待効用理論と矛盾する結果となってしまいました。
これは「アレのパラドックス(Allais Paradox)」と呼ばれます。
モーリス・アレはフランスの経済学者・物理学者で1988年にノーベル経済学賞を受賞しています。1953年にニューヨークで行われた会議で参加者に問いかけたのが、「アレのパラドクス」である
この問題は、独立性の公理に対する1つの反例として有名になりました。
人は、確実な結果をもたらす選択肢を選好するようです。必ずしも期待値で行動しないのです。
意思決定に際して、個人が確実な結果をもたらす選択肢をより強く選好すること。これを確実性効果(Certainty Effect)といいます。
行動経済学で、プロスペクト理論で説明されることもあります。
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