#183 日本は貧困率7番目に高い。相対的貧困はキツイ。SDGsどうするの?
貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。
「絶対的貧困」は生活や生命を維持することが難しいほどの貧困状態を指します。
「相対的貧困」は国の生活水準や文化水準を下回る状態に陥っていることを言います。
日本で問題視されている貧困は、相対的貧困です。
厚生労働省の2016年「平成28年国民生活基礎調査」によると、日本の相対的貧困率は15.6%、7人に1人が貧困状態にあります。
人口の6人に1人が相対的貧困とされている日本の貧困率は、2012年には16.1%、2015年には15.7%、2018年には15.4%とわずかに改善傾向です。
日本は世界で14番目です。
先進国の中では中国やアメリカに次いで3番目です。
G7中でワースト2位です。
2017年のOECDでは先進35か国中7番目に高い。
悪いのは、イスラエル、アメリカ、トルコ、チリ、メキシコ、エストニア、日本です。
良いのはアイスランド、デンマーク、チェコなどです。
絶対的貧困であれば、餓死、栄養失調などになります。相対的貧困の場合、先進国の層であれば、アフリカの上位より高いのでは?縄文時代や江戸時代の暮らしからすれば、豊かじゃないの?こういった考えがあると思います。
だから問題ないという考えは間違っています。
人間は社会的動物です。他人との相対性で自分の位置を知ります。
今の時代に、給食費払えない、靴や服がボロボロ、誕生日に祝ってもらえない、塾はもちろん習い事一つ行けない。修学旅行は休み、学力があっても大学へ行くお金がない、一人だけスマホ買えない、家にネット環境がない・・・こういうのはキツイ。その親はもっとキツイ。
心が荒む。
戦中戦後の混乱期なら珍しいことではなかった。だから耐えられたかもしれない。みんな貧乏な時代であれば何も問題なかったのに。
現代では、シャレにならない。情報はたくさんあるだけに厳しい。
日本の相対的貧困は65歳以上の高齢者世帯や単身世帯、一人親世帯が多い
相対的貧困に当たる人々の手取り所得は、127万円を下回る。
2019年に生活保護を受けた世帯のうち、54.1%が高齢者世帯、49.5%が単身世帯
相対的貧困率の半数がひとり親世帯です。母子家庭、父子家庭です。
2018年の子どもの貧困率(17 歳以下)は13.5%
ただでさえワンオペでかまってやれないのに、貧困なので時間はさらに無くなってしまいます。
貧困は子どもに社会的な経験を与えることが無くなってしまいます。
子どもが1人で過ごすことは、コミュニケーションを取る機会が減ってしまいます。
教育格差や貧困の再生産になってしまいます。
実際、貧困家庭の子どもの方が学力が低い傾向があります。
子どもが安心して過ごせる居場所、あたたかい食事、学習サポートなど支援が必要です。
学童クラブ、子ども食堂、子ども教室などです。
SDGs(持続可能な開発目標)では、「目標1」として「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」と掲げるだけでなく、「目標10」に「各国内および各国間の不平等を是正する」と掲げています。
SDGs大好きな日本人は、これどうするつもり?