カンボジアの大学でUI/UXを教えてみた
カンボジア の首都プノンペンの都市部から3時間、避暑地として人気のキリロム国立公園。ここに、カンボジアの全寮制大学キリロム工科大学 - Kirirom Institute Technology (KIT)がある。ITと英語を中心としたカリキュラムに、カンボジア国内外から学生が集まる。2019年8月中旬、30人の学生に3日間「UI/UXサマープログラム」を実施した。
なぜデザインなのか?
5月ー カンボジアが一番暑い時期に、キリロム工科大学を訪問した。カンボジアには、友人のプロジェクトで、6ヶ月間住んでいたことがある。今年、カンボジアとの新しい機会を探している中、キリロム工科大学でUI/UX講義のお話を頂いた。
キリロム大学は、システム開発力だけではなく、サービスの体験設計(UX)や最適なUIをつくりこむ能力を学生に身につけさせたがっていた。
事前に大学側とミーティングを繰り返し、ワークショップのテーマを慎重に選んだ。
結果、初日のUIから、UX、デザイン、最終ピッチまで、3間間のサマープログラムとなった。(自らハードルをかなりあげてしまった)
UI/UXプログラムを通じて、「どのようにつくるか」から「なぜつくるか」を学生に一番体験してもらいたかった。自らもユーザーであり、普段の「Developing=つくること」から「 Thinking=考えること」の視点をもつことをプログラムに盛り込んだ。
アウトプットにフィードバックをうける
3日間のデザインワークショップのアウトプットは、期待以上に高かった。学生たちの調べ、議論し、形にして、伝える力には正直驚いた。
何よりもワークショップが盛り上がり、楽しそうでよかった。
その反面、自らの固定概念を一度手放し、広い範囲から課題を設定する能力は、まだこれからかなと思った。
ユーザーにヒアリングし、ユーザーフィードバックをもとに、いかにアップデートしていくか。
だれ起点でつくるのかで、基本設計が最初から違うものである。だから、ユーザーありき、ビジネスありき、マーケットありきを学生に意識してもらうのことが大事だと思った。
だから、フィードバックを実際のユーザーから受けられる環境に身をさらすことがいいのかもしれない。
(近々、マーケットにローンチされるキリロム発のサービスがあるらしく、楽しみである)
反省とこれから
ぼく自身、人に教える機会が増えてきた。しかし、英語での講義とファシリテーションは、初めてだったのでかなり苦労した。
特に、アウトプットへのフィードバックである。
自分の意見や質問にあわせて、その理由や意図を詳しく伝えることが求められる。頭に浮かんだことをリアルタイムにうまく・よく伝えられる瞬発力が足りなかった。
あとは、魅力的なケーススタディを紹介するためにも、国内外でおもしろいプロジェクトにもっと参画したいと思った。
キリロム工科大学とは、これからも何かしら共同で新しいサービスを開発できるとうれしい。
インドでの起業、神戸での会社設立、事業会社勤務に10年以上経験して、これからはメコン地域(カンボジア・タイ・ベトナム・ラオス・ミャンマーの5カ国)での事業開発に力をいれてみたい。
優秀なキリロム工科大学の学生を通じて感じた、カンボジアの若くて自由なパワーに惹かれている。10代からバックパッカーとして、各地を旅して感じた原点がある。
まだまだ伸びるカンボジアで、多くの人と交わりながら自分のポジションを確立しようと思う。そして、ビジネスを通じて、カンボジアに根付いていきたい。
まとめ
・教えることで自分が一番学べる
・フィードバックをいつでもうけられる環境に身を置く
・カンボジアで何か始めてみる