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今年はこの5曲と出会えただけで良い1年でした2022

26年間過ごした愛しい島国北海道を離れ修羅の国福岡に移住(何かと便利だしご飯も美味しいいい街ですマジで)、長年連れ添った苗字ともサヨナラし、慣れない環境でアワアワしていたらうっかりインターネットで少しだけ名前が広まってしまい情緒がフライングダイナソーみたいになったりと、2022年は激動だった。


D.Gray-manをD灰って略してた夢女子、元気にしてる?おれはラビ派でした。

すぐ関係ない話してしまうな。とにかくそういう1年だったので新しい音楽があまり聴けず、なんかもうずっとArtTheaterGuildとPK shampooとゆれるを聴いていた。上半期終わる頃には今年はこの記事書けないんじゃないかなってやや焦ってすらいた。

でもちゃんと今年も大事な出会いがありました。よかったー。宝物いっぱい増やしていきたい、大事な曲の数だけ日々が色めき立つので。
どれも今年を彩ってくれた最高の曲です。気になったら聴いてくれ。


stand in life / 時速36km

とある記事がバズった時、たった100人ちょっとしかいなかったフォロワー向けて呟いてただけのあれやこれやの揚げ足を取られて結構いろんなことを言われた。お門違いなことばっかりだったけど「こいつは本当はたいして音楽が好きなわけじゃない、音楽を承認欲求の道具にしている」みたいなことを言われているのを見かけた時は一瞬食らってしまったりもした。いやほんと言いたい放題だな、今となってはどうでもいいんだけど。
これを聴いてるおれ格好良い!みたいなのは多少なりとも誰でもあると思ってて、いやない人もいんのかな、ない人はすげーって思う。わたしは自分の好きな音楽のこと心底格好良いと思ってるから、こういうのを好きになれた自分も格好良いよ最高だよって思うし、そう思うことが悪いことだとは全然思えんよ。
前置き、なげー。

今年は時速36kmをちゃんと聴こうと思っていた。絶対好きなので。泥臭いバンドが好きだわたしは、恋愛のいざこざを歌うより自分の無力さとかそれでも生きていかなきゃならん絶望と希望とかを歌っているバンドが好きだ、ギターとボーカルはうるさい方がいい。時速はそういうバンドだという認識はあって、聴くきっかけだけがなかった。
で、フォロワーが、「なんとなくやけど四月さん好きやと思う」と教えてくれたのがこの曲だった。

この曲が好きそう、というのはそういう形の愛だと思っている。
曲じゃなくても本でも映画でもいいんだけど、「好きそう」と思って勧めてもらえるのは愛だ。ここまで発信してきた「好き」のひとかけらひとかけらを誰かがきちんと拾ってくれて、これって合わせたらこんな形してんじゃないかなって考えて贈り返してくれる人がいる、そういうのは愛だと思う。

何が好きで、どういうところが好きで、って話を飽きるほどしてきて本当に良かったと思った。インターネットっておもろい、会ったこともない知らん人に「お前がなにを知ってんねん」みたいなことを言われることもあれば、会ったこともない知らんはずの人がものすごいわたしのことをわかってくれていて愛を届けてくれたりもする。絶対的に後者だけ大事にしたいよ。音楽好きで良かった。好きって言いまくってきてよかった。

余談だけど後にこのフォロワーがSuiseiNoboAzと向井秀徳の対バンにかこつけて福岡まで遊びに来てくれた。ライブハウスの前でフォロワーと配偶者が出てくるのを待ってたら向井秀徳と遭遇して一緒に写真を撮ってもらえて、自慢したら普通に「キレそうです」って言われて笑った。ごめんて。
彼は酒を飲みながら、「俺は俺の好きな曲を音楽の趣味が合わない人にも格好いいと思ってもらえる自信があるけど、四月さんみたいにゆれるのライブで泣いたりするような人に格好いいねって言ってもらえるのが一番嬉しい形のいいねなんです」と言ってくれた。本当に嬉しかったです。


Mountain Top / ELLEGARDEN

ELLEGARDENの新曲。
ELLEGARDENの新曲?
ELLEGARDENの新曲が聴ける世界線ってなに?本当に令和の話?

ツイッターじゃ古のファンが沸いていて、活休後に好きになったわたしみたいな勢ももちろん沸いていて、そんな中で「エルレ?聴いたことないけど盛り上がってるし聴いてみるか」みたいな人がまんまと「格好良くね?」って騒いでるのも見かけた。そうだろうよ!!!
新曲、びっくりするくらいELLEGARDENでした。当たり前だが。

変わっていくことも変わらないままでいることもどっちも格好良いことだとわたしは思っていて、例えばBUMPなんかは初期の曲とここ数年の曲じゃ全然テイストが違うけどそんなの当然だしそれで良いんだと思う。突然初音ミクと歌い出した時はさすがに面食らったけど、でもちゃんと聴けばBUMPはずっとBUMPで、伝えたいことは何も変わっていなくて、ただ伝え方がちょっと変わっただけなんだとわかる。全然それだって最高だ。
ただ、今回エルレの新曲を聴いて、こんなに……こんなにずっとエルレがエルレのままでいられることってあんの?と思って震えてしまった。あまりにきちんとELLEGARDENだった。そんなのってすごいことすぎる。細美ももうアラフィフだというのに。えっアラフィフ…………?

エルレは、いつ好きになっても、どこから好きになっても良いバンドだ。多分どこを入口にしたとしても、なにか1曲好きになったんなら絶対に他の曲も好きになると思う。だってあまりにどこを切り取ってもエルレはエルレなので。
わたしがエルレを好きになったのは大学に入学してすぐ、新入生マジックで盛り上がってすぐ付き合って一瞬で別れた男の子の影響だった。感慨深くなれるほどの思い出も無いくらいの話なんだけど、エルレを教えてくれたことに関しては今でも感謝している。
2014年、19歳の春だ。エルレが活動休止してから既に6年が経っていた。だからわたしは活動休止前のエルレを知らない。けれどその数年後、ライジングサンで復活を見届けてきっちり大号泣した。まわりの大人もみんな泣いていた。

その年度末、3つ下の弟がエルレのコピーバンドでギターを弾いた。
3つも離れると音楽の流行り廃りや「ロックが好きならこのバンドは通っているだろう」みたいな必修科目が全く合わなくて、弟の学年に元々エルレを聴くような子はいなかった。それでも弟は先輩に誘われたそのコピーバンドをきっかけにエルレを知り、後輩たちもみんなエルレを好きになっていった。

そういえばわたしが大号泣していたライジングには友達の彼氏も参戦していて、わたしより4つ年下のその子はライジングサンで初めてエルレを知ったらしかった。
彼はボクシングをやっていて、一度試合を見に行った。試合前に「入場曲なににしたの?」と尋ねたら「知ってるかな……、ELLEGARDENの虹って曲なんですけど」と言われ、「いや多分君より知っていますが…………」と一瞬憤慨したあと、いや、でも、「知ってるかな」なんてことを言えてしまうほどエルレがいかに必修科目だったかを知らない世代の子が、そういう余計な情報やバンドのネームバリューなんか全く関係なく格好良いと思ったんだなと気がついて、嬉しくなった。それって本当にすごいことだ。

それでいいと思う。いつ好きになってもいい。なにがきっかけでもいい。再結成だ新曲だなんだで古いファンが盛り上がっているのを見て肩身の狭い思いをしている若いファンもいると思う、わたしだって古いファンを名乗れるほど昔から聴いているわけじゃないので両者の狭間で所在の無い気持ちになったりもしたけれど、新曲を聴いて、あまりにエルレがエルレのままだったため心から「なんでもいいやんけ」という気持ちになった。

なんでもいいです。好きなとこから好きなタイミングで入ってくれ。なんせELLEGARDENは今や現役のバンドです。どこから好きになってもこの先また新しい曲が聴ける。一緒に進んでいくことが出来る。
最高です。ツアーのチケット絶対に当てたい。
※全然当たりませんでした。


サイハテソング / オワリカラ

君が好きな歌を歌う声が好きだった
好きだった
たとえ時に攫われたらもう触れられないような響きでも

結構前に「オタクは告白をしない代わりに優しくしてくれた全ての女の子たちを心のガラスケースに保管している」みたいな内容のツイートを見かけて、別にオタクでもそうじゃなくてもいいんだけど、わたしは誰かの心のガラスケースに仕舞っていてもらえているだろうかと思ったことがあった。キモ………。

やっすいヒロイズムでほんと恥ずかしいんだけど銀杏BOYZが歌う「あの子」になりたかったし誰かの山口美甘子になりたかった。
いつか誰かがわたしのことを承認欲求の化け物と言ったけど(マジでうるせえ)、別に大多数に承認してもらわんでいいのだ、この世に誰かひとりだけでもわたしのことを思い出してノスタルジックになってくれる人がいたらそれでよかった。そういう人がいるかどうかは全然わからん。そういう風に生きてこれた気もあんまりしてない。
わたしはわたしがどういう人間かを良い部分も悪い部分もわりときちんと認識していて、だからこそどっか知らないところでハチャメチャ美化されて綺麗な思い出になっていたりしないかなあ、などと思ってしまう。本来の自分がそういうものと掛け離れているのがわかっているので憧れてしまう。承認欲求っていうか自己愛がつええ。

サイハテソングは、配偶者がカラオケで歌っているのを聴いて知った。
この世のどこかでこの歌い出しみたいに思ってくれている人がいるなら死んでもいーかもと思った。

同じ理由で好きな曲にピロウズのエネルギヤという曲がある。10年間良いことも悪いこともほぼ全部共有してきた悪友が「この曲を教えて貰えただけでもあんたと出会えて良かったと思う」と言った曲だった。
21の時、後に突然失踪した恋人に「この曲がすごく好きなんだよね」と聴かせたら「こう想われたいって思ってるんだろ」と笑いながら言われたのを思い出した。一人称目線で共感を覚えて聴いているわけではなくこの歌詞を捧げられるような女になりたいと思って聴いていたことを見抜かれて、そりゃー恥ずかしかった。わたしのことよくわかってる人だったなちくしょー。
そんでその人が失踪したあと、なんやかんやで書いた小説のタイトルを、エネルギヤにしたのだった。

オワリカラのことはまだよくしらない。実直なロックバンドなんだろうなと思ってる。そういうのって大好物。みんなもそうでしょ。と思ったら配偶者に「オワリカラは実直なロックバンドっていうよりキワモノやで」って言われたんですけどそうなんですか???他の曲聴いてみるの怖いんだが。
あとなんか知らんけど歳を重ねるに連れてメンバーにキーボーがいるロックバンドが好きになっていくな。Yellow Studsとかさ。地味になが~くピアノを習っていた反動でここまで無意識に避けていた気がするけど、結局多分わたしは鍵盤楽器の音が好き。

愛されるよりも愛したいと思ってたんだけどやっぱり愛されたいのかも。まだまだ自己愛の渦の中にいんのかも?人ってそう簡単に変われないよねー。アセアセ。
でも誰かが遠くで想ってくれていたとしてそれを知る術も特にないので、「そうだったらいいなあ」という妄想を引き連れて現実を生きていくしかないのでした。そのへんのリアルな逞しさは普通に身につけている、もうそこそこ大人なので。現実世界で残高と睨めっこしたり明日の弁当のおかずに悩んだりしている合間に時々夢に浸るくらいは全然タダだと思う。イタイ幻想も、かっけー音楽がBGMにつけばなんとか形になるんじゃないでしょうか。
オワリカラ、今後わたしの妄想を彩っていってくれそうです。期待している。


空は藍色/andymori

ゆれるというバンドのボーカルの、オサムラアミという人の歌声を世界で一番愛している。
ずっとずっと「愛しているなあ」と頭の中だけで思っていて、しかし活動休止とほぼ同時に好きになったため生で聴くことが叶わず、自分の中の愛の大きさをなかなか信じられずにいた。で、今年、静かに活動を再開したゆれるのライブのために大阪に一度、奄美大島に一度飛び、そこで初めて自分がどれくらい彼の声が好きだったかを知った。ああこの声が好きだって気持ちだけで無限に泣けるくらい好きなんだな。嗚咽するくらい泣くライブなんて人生に何回もなかったのに、2022年は2回もあった。

10月に奄美まで行ったとき「さすがにこれがライブ遠征納めだ、なんせ金がねえ」と思って、終演後あみに「次の予定はないんですか」と聞いて「今の所ない」と言われたことを寂しく思いつつほっとしたのに、そのあとすぐ12月に大阪での弾き語りワンマンが発表になった。行くしかないだろ馬鹿が!!!!って叫びながら飛行機取った。金、降って湧いてくれよ。

弾き語りワンマンはすごく良かった。当たり前だ。一曲目に大好きなSweet youをやってくれて困ってしまった。アンコールの手拍子が鳴って、「どうしよう、もう全部やっちゃった」と苦笑いして譜面をめくるあみが選んだのはニビイロノケムリだった。生で聴きたいと思っていたのに大阪でも奄美でもやらなかった曲だ。参っちゃうよ。

そんで、何曲かやったカバー曲の中で、一番最後に歌ったのがandymoriの空は藍色だった。
普段知らん曲は聴き流してしまうカスみたいな集中力をしているのにAメロですぐ「あ、これはやばい覚えとかなきゃいけん」となって、ゴミ記憶力を総動員して特徴的なワードを覚えて終演後すぐに調べた。最初藍色が灰色と聞こえてしまって阿部共実の空が灰色だからが出てきてフラッシュバックで死にかけた、あの漫画マジでキツいから記憶から消したい。なんの話?ちなみに「東の空に爆撃機」って打ち込んだらちゃんとandymori出てきた。
「カバー曲は全部歌詞にゆれるって入ってる曲をやることにしてる」ってあみが笑って言う。元々好きだった曲も初めて聴く曲も全部ぴかぴかの宝物に変えてしまう声だ、燦々と輝く星みたいな思い出と大切な曲がこの人によってこれからも増えていくんだろうと思った。おとぎ話みたいな夜だった。

andymoriの話したかったのに徹頭徹尾あみの話をしてしまいました。オタクの悪い癖です。
オルタナ好きなのにandymori数曲しか履修できてないのマジで良くないなと改めて思った。どういうバンドが好き?の答えにかなり近い形のバンドなのは何年も前からわかってたのになんか取っかかってこなかった。2023年はちゃんと聴きます、来年末のこの記事に令和5年にしてベンガルトラとウィスキーとか入れてたら微笑ましく思ってやってください。


惑星
時空怪盗/多次元制御機構よだか

いつも2曲通しでまとめて1曲みたいな気持ちで聴いてたので併せて紹介。
最後まで載せるつもりがなくて、空は藍色までの4曲で記事を書き終えてたんだけど更新する2時間前くらいに突然載せなければという気持ちになって滑り込んだ。よくよく考えたら下半期ずっとこれ聴いてた。

よだかは元フィッシュライフのハヤシングが今やってるバンド。バンドっていうかソロプロジェクト?あんま詳しいことは知らん。
フィッシュライフはもう完全に山田亮一チルドレン‼️エイジングハヌマーン‼️って感じだったのでもちろん何曲かよく聴いていた。解散した時は結構感傷的になったりもした。その後よだかでハヤシングが帰ってきた時は本当に嬉しかった。熱狂的なファンとかそんなんじゃないのにわたしは未だにハヤシングが楽しそうにしてるとなんか嬉しい。恋かな。

こういう形で帰ってきたバンドマンってなにかにつけては前のバンドと比べられがちで、それこそ山田亮一もバズマザーズでそういう葛藤みたいなのを歌詞にしていたりする。
フィッシュライフ、めちゃくちゃ詳しいわけじゃないけど、それでもよだかを初めて聴く時はわりと緊張した。で、聴き終わって、ハヤシングめっちゃ楽しそー!!!!って思って本当に嬉しくなった。
メロディーがポップで楽しげででもきっちりロックサウンドで、歌詞は比喩の仕方にやや山田の影響を残しつつフィッシュライフの時よりももっとずっと個性のある空気感に溢れている。わたしこの人のことまだちゃんとは知らないけどこれからもっと好きになっていくんだろうなと思った。やっぱり恋なのかもしれん。2023年、よだかの新曲が一番楽しみな気がしている。



以上!
最後に今年書いたライブ関連の記事をまとめておきます。

ライブレポっていうかただのMC覚え書き。結局いっつも似たようなこと喋ってるし。
この回も良かったけど今年見たPKは夏の味園ユニバースが一番良かった。ヤマト史上最も声が出ていた。
終演後ヤマトに声を掛けたら認識してくれていて「おお!!!結婚おめでとうな!!!」って言ってもらえた。Tシャツにも結婚おめでとうって書いてくれた。「なんかどうでもいいこと書いてください!」ってお願いした配偶者は「死ね!」ってかかれてた。なんで?

サインすらない


祈るような姿勢で見たライブ。このライブの後本当にArtTheaterGuildしか聴けなくなった。ロックが聴きたい時もロックが聴けない時も選びたいと思えるバンドです。そういえばSNSで有難いことにわたしの影響で聴くようになったバンドがあると声をかけてもらうことがたまにあって、一番名前が挙がるのがArtTheaterGuildだった。わかるよ~格好いいもんな。

マジで焦ってた。

人生一泣いたライブの可能性がある。もうそれだけ書いとく、あとはいい、あみの話しすぎなので……。
奄美大島は人生史上最も綺麗な海だった。あとみなとやの鶏飯がマジで美味しかった。また行きたい。


BUMP、ルーツすぎてどう語ればいいかわからなくて書く気なかったんだけど、ライブ後配偶者に「BUMPの話書かないの?読みたい」と言われて少しだけ書いた。ライブ本当に良かったです。今年のチケ運ここで使い果たした。




来年はどんな出会いがあるかなあ。楽しみだ。遠征は控えたいなって思ってるけど無理かもしんない、どうですかね。節約って一生できない気がする。まあいいや、今は今しかないのでね。進次郎構文みたいになってしまったが。
じゃあまた来年ね。良いお年を。

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