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今年はこの2曲のおかげでギリ耐えました2024

年の瀬になると毎年「今年はこの曲に出会えただけで良い1年でしたた20○○」と冠してその年に出会った印象的な曲についてまとめたnoteを更新してきた。振り返ったら2019年からやってた。第1回、スピッツの歌ウサギの話とかしてて懐かしくてびっくりしちゃったよ………あたしはその年24歳だったらしい。四捨五入したらギリハタチでビビる。

2022年は「今年は激動だった」という書き出しで始まっていて、2023年は「去年激動だったと書いたけど、今年もちゃんと忙しかった」と書いてあった。それでもなんとか娯楽に食らいついていた。強い。綴られている文章にもそこそこちゃんと熱量がある。
今年❓
今年はね、もー、全然終わり🎶
激動とか忙しいとかじゃなくて、終わり。音楽とかよくわかんねえし感情もぐじゃぐじゃだから中島みゆきのヘッドライト・テールライトでも流しながら街を焼き尽くそうかな❓とか言ってみたりして(そんなこと簡単に言ってみたりするなよ)、実際街でもなんでもいいけど「何かを焼き尽くす」みたいな体力があるわけもなく、天井を見つめ、1日が過ぎるのをただじっと待っていた。そんな平々凡々とした日々にヘッドライト・テールライトは流れてくれないし、他のBGMをつける元気もなかった。

そんな中で一瞬でも生活のBGMになってくれた曲が2曲だけあるので、今年はその話だけします(あえて記事のタイトルめちゃくちゃ軽薄にしてみた🎶いつかちゃんとまた書けるようになった自分が鼻で笑ってくれますように)



SHINONATSU/ゆれる

有名になったもん勝ちか 大概のことは笑ってみせた
あたしは阿呆みたいな顔で 何晩か、アルコールとばした

深夜、日が落ちても茹だるような暑さが続く夏の三宮を自転車で駆け抜けながら、でっけー音でこれを聴いてでっけー声でアーとかウーとか唸っていた。誰かに怪しまれるとかそういうのはどうでもよかった、絶望が口の端からヨダレみたいにこぼれて止まらんかった。それに音をつけたらアーとかウーになっただけの話だった。夏の暑さと生活の苦しさで頭がやられていた。
雪国生まれ雪国育ちのあたしが本州の馬鹿みてーな猛暑を乗り越えられたのはゆれるのおかげだ。海の綺麗な島で生まれたひとが作った夏の歌。この夏はこれとクレイジーサマーソルトばっかり聴いてた。
(Twitterのハンドルネームである七月の由来をゆれるのあみに聞かれたとき、「7月に転機が訪れることが多かったので、……あと貴方の誕生日から、」と答えたかったところを照れでひよってしまい、後半を「クレイジーサマーソルトの歌詞から」と言い換えたらあっさり「じゃあ俺の誕生日ですね」と言われてしまってかなり恥ずかしかった!七月生まれのいとしいひとよ……)

あたしの生活そのまんまみたいな歌だ。
あの優しい声が「もうだめかと思ったよ、これで終わりにしようかな」なんて言うので何度引き摺られそうになったことか!あたしもずっと「優しい嘘なんかより浅はかな勘違いがいい、早く会いに来てよ」って思ってた。あたしが住んでんのは歌詞にある402号室の1DKじゃなくて、701号室の2LDKだけど(デカ希死念慮マンなのに良い暮らししててちょーウケる)、物が多くて、整理もできなくて、掃除機なんていつかけたかもわかんない、片付かない部屋の宇宙だった。ねえ早く会いに来てよ!って、思ってた、優しい声が曲の中で何度もそう言うのを聴きながら。誰に会いに来て欲しかったのかはわかんない、ずっと、誰か!って思いながらもがいている夏だった。

この曲が収録されている「distractions+」が発売されたのは2024年、あたしの8つか9つ年上のあの人はその頃27歳か28歳だったはずだ。あの人が今のあたしよりひとつかふたつ年下だった頃、どんな気持ちでこの曲を書いたのか、片付かない宇宙で誰を待っていたのか、そういうことを何遍も考えた。あの人がその頃「外付け階段最上階へ、錆びた鉄柵から宙返り」しないでいてくれたおかげでこの夏40歳近くになったあの人がこの曲を歌うのも聴けた。6月に子供が産まれたというあの人は「自分の子供ってほんとうに可愛い、こんなに可愛いなら早く教えておいてくれよ」とはにかんで言った。死の夏なんかとっくに越えたんだろうなと思うと勝手に寂しくて、だけど死なないでくれてありがとーと思った。必死でもがいてるあたしのそばにはいつもあなたの歌があるのだ、生きて、歌っていて欲しい、この曲を書いた時のような気持ちではもうなくても、と思った。あたしだって「どうにかなりたいわけじゃないしどうなってもいいなんてのは嘘」だ!嘘だよね。嘘って思える瞬間がたまにでもあるのが嬉しい。そういう瞬間をくれるのがまだ音楽であることも、この上なく嬉しい。



詩々い/ArtTheaterGuild

曲名は、うたうたい、と読む。
ArtTheaterGuildはだいたい年に1枚くらいのペースでEPを出してくれる。あたしは感性が結構ミーハーなので(例 恋愛リアリティーショーをよく観る、嵐のファンクラブに入っていたことがある、好きな漫画がNANA)毎年表題作を真っ先に好きになることが多くて、昨年のnoteではAM、2021年のnoteではpicnicについて取り上げた。
今年もMVになっている昨日狼が死んだを最初に好きになって、好きなバンドがちゃんとかっけーって思える新曲を定期的に出してくれるのって当たり前じゃないょ。。。と思って風呂場で泣きながら聴いたりして、あ、ちなみにあたしはかなりすぐ泣くので別にこれは特別なことじゃなくて、なのに「泣きながら」ってわざわざ特筆しちゃうとこにあたしの嫌な部分出ててマヂムリ😫っていうのを注釈して許されようとしてるのもマヂムリ………でもこういう内省を書くのをずっとお家芸としてやってきたから「今まで通り書けてんじゃん🎶」という嬉しさもややあり………なんの話だっけ?

まあとにかく、少しずつ今回のEP「walk deadly」の他の曲も聴くようになって、ある日病院の帰り道にイヤホンから詩々いが流れてきて、は、と立ち止まって聴き入ってしまった。

あたしは歌詞を深く読まずにノリとパッションで音楽を聴く節がある。センチメンタル自己開示長文綴り女さん、人に自分の文章を読ませるくせに人が書いた歌詞の解読が出来ない。
なので何年も聴いている曲でも歌詞の意味に気付いていないみたいなことがザラにあって、ちょっと情けないけど、何度でも同じ曲を好きになり直せるのでお得だしそれでいーやとも思っている。詳しいことは知らんけどけどとにかく琴線に触れたから好き!と思って好きな曲を好きでいる。
伊藤のぞみが書く歌詞はちょー難しい。でも正確な意味が分からなくても言葉の並びと響きが嫋やかで美しいので、あたしはあたしの形で好きでいられればいいのだと思ってずっとそのままでいた。
だけどその日、道の脇で立ち止まって聴いたそれが突然すんなり耳に入ってきて、インターネットに乱文を放流し続けていた表現者のなり損ないみたいな去年までのあたしと、それすらも出来なくなってなげー名前のよくわらからん薬をボリボリ食うしかなくなった今年のあたしとを、両方をやんわり肯定されているような気分にもきっぱり否定されているような気分にもなって、いたたまれなくなった。そこから毎日聴いた。聴く度になんだか辛い気持ちになるのにやめられなかった。仕事納めの日も通勤しながら聴いた。そしてやっぱり辛くなった。余談なんだけど家を出て自転車を漕ぎ出すと同時にこの曲をかけると、次に流れてくる昨日狼が死んだの「さよならって口ずさむその片隅に また君を見つけたんだ」くらいで職場に着く。もうちょっとだけ聴かせてえ😭と思いながら曲止めて出勤してる。どうでもいい?

下半期に出た曲なのに2024年の再生回数ランキングで1位になってしまった(2位がSHINONATSUだった)。生で聴いたら泣くかもしれんと思いながら観に行った12月の東名阪ツアーでは、胸に来すぎて涙を通り越して吐き気を催した。良すぎて体調崩すライブって、なに❓おえおえしながら帰りました🎶

誰か見つけてくれって思いながら日々を生きている。見つけてもらいたくて続けてきた物書きの真似事も出来なくなったくせに、まだ、思っている。悔しいから血を吐くような気持ちでこのnoteを書き始めました、この曲のせいで(おかげで)!
上手く書けねーって奥歯を噛みながら書いては消して書いては消して、屍になった言葉たちがそこらに散らばっている。

耳飾りだけの海豚でも
波風を起こせなくても
その日限りの言葉だと
のらりくらり詩っても

いつか苦しくならずに聴ける日が来たら良いと思う。今のところまだしんどい。それでも毎日聴いています。



おい‼️‼️‼️年内に書き終えようとしているよ‼️‼️‼️やるじゃん‼️‼️‼️
2024年12月30日午前10時40分、脳がパキパキになってしまい一睡もしていないので文章のテンションもおかしくなって参りました。は~~~こんなに産みの苦しみを感じたnoteはじめてだよ(月に1回とか更新出来てた時はむしろ脳内に常に文章が駆け巡っていて文字に起こすのが追いつかない感じだった)、苦労して産んだ子はやっぱり愛しいもんですね。名前とかつけちゃおうかな。あたしの名前とクラピカの名前から1文字ずつ取ろうかな……2024年下半期、音楽聴くよりずっとハンターハンター観てたな……。

離れてしまった音楽と心の距離を取り戻すことに躍起になって、意地のように色んなライブに通った1年でもあった。神戸で1回、大阪で3回、東京で2回、京都で1回、名古屋で1回あみの歌を聴いて、大阪で2回ArtTheaterGuildを観た。来年は控えめに………と思っていたのに既に1月両者を1回ずつ東京で観る予定がある。あたしどこに住んでる?(A.神戸)
かなり無理した!マジで意地だった。そんな思いしてまで好きでいなくていーじゃんって何回も思った。あたしは馬鹿だから、そんな思いしてまで好きでいたいと思えてることを大事にしたいよ❗️と思って体に鞭打って夜行バスとか乗っちゃったけど、別にその都度適当な(雑みたいな意味じゃなくて相応しいって意味の方のね)距離感でいてもいーんだよ、って自分に思えるようになったらいいなあとも思う。行って後悔したライブいっこもないからとりあえずいいんですけどね。やり過ぎないようにね。去年のnoteの締めに「音楽は、おれを救わないし支えないし殺してくれさえしないけど、でも無いと困るはずだ。」って書いてあった、本当に無いと困るならどれだけ遠くに行ったって絶対に無くならないはずだ、安心して近付いたり離れたりし続けたい。
きっとあたしの感受性は鈍ったんじゃなくて疲れてスヤスヤ寝てるだけだ。そのうち起きるさ。

願わくば来年も街を燃やさずに終えられますように、あたしはベッドから出て飯を食います(12時になりました)。元気でいたいな。
じゃあ、またね。

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