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大正12年生まれ、在日一世のハンメ

2022年3月、98歳だった祖母が、お腹が痛いと病院へ運ばれた翌日、安らかに亡くなった。

前日まで自分一人で家事全般をこなし、毎日散歩して、前夜にはお風呂にも入っていた。「さすがハンメ!」… 本当にハンメらしい逝き方だった。

父方の祖母(ハルモニ)を私たち家族は韓国の方言で「ハンメ」と呼ぶ。最近の韓国ではほぼ使われていない在日言葉のようだ。(韓国では「ハルメ」という方言が一般的のよう。)

ハンメの一周忌が済んだ2023年の春、「私の人生はドラマ以上に波乱万丈やったから、あんた、本が書けるで!」と言っていたハンメの人生を、ちゃんと記録しておこうという気持ちになった。

笑いながら苦労話をする豪快なハンメの声を思い出すだけで、暖かな気持ちになる。突然訪れても、いつも全身全霊で大歓迎してくれたハンメは、本当にエネルギッシュなおばあちゃんだった。

2021年の春、神戸にて。元気いっぱいだった。

ハンメの人生。4歳で日本へ

‐ 1923年(大正12年)に韓国・慶尚南道生まれ
‐ 1927年、4歳の時に両親に連れられ日本へ
‐ 両親と10人の兄弟姉妹、総勢12人家族で渡日
‐ ハンメは3人姉妹の長女、男兄弟は7人
‐ ハンメが一番長生きで、他の兄弟姉妹はすでに亡くなっている。

(個人情報を含むので限定公開とさせて頂きます。)

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