
初の脱北民映画監督になったキム ギュミンさん
キム ギュミンさんと初めて会ったのは何年も前のこと。
韓国の某YouTube番組で対談する機会があり、彼の映画『冬の蝶』『愛の贈り物』について話を伺いました。

映画『愛の贈り物』は北朝鮮の黄海道で生活苦に苦しめられ、体を売るようになった主婦の悲劇的な実話を土台に描いた作品。

http://monthly.chosun.com/client/news/viw.asp?ctcd=&nNewsNumb=201909100006
この度、社団法人Free2moveがはじめて開催する北朝鮮人権映画祭(東京)にて、この作品を上映することになりました。

渋谷のユーロライブにて
ぜひご拡散ください。
『愛の贈り物』はイタリアミラノ国際映画祭(MIFF)「最高の映画」部門 &「主演女優賞」部門にノミネートという快挙も。
私はキム監督の作品を見ると、北朝鮮の日常の一コマを「臨時体験」するような感覚に陥ります。
「悪夢であってほしい…」と、あの国の厳しい現実に胸が締め付けられ、映画館を出る時は正直、地獄から抜け出たような気持ちになります。

「苦難の行軍」の真っ只中であった1999年に
キム監督が実際に目撃した飢餓を描いた
「たとえ僕の映画をたった一人の観客しか観てくれなくても、この世に実際にあった出来事を誰かに記憶してほしい」
そんな思いで「商業映画」にはなり得ない、「北朝鮮の闇の現実」を撮り続けているそうです。
中学生の頃、偶然韓国のラジオ放送を聞いて以来、北朝鮮の外に未知の世界が存在することを知ったというキム ギュミン監督。
1999年に脱北後、韓国で梨の果樹園で働くことを夢見ていたそうですが、心を改めて大学進学を決意。大学では映画を学び、卒業後は北朝鮮関連商業映画の演出部で、底辺から全ての制作過程に参加します。その時期に関わった作品が『国境の南側』『クロッシング』などの映画です。
監督としての初作品は、韓国生活10年目に発表した『冬の蝶』。
黄海道で目撃した実話に基づいた衝撃的な作品です。
3月22日に渋谷で上映される『愛の贈り物』は、2019年に発表された2本目の作品で、監督の娘さんが子役として出演しています。(予算不足で娘に出てもらった…と笑顔で話していらっしゃいました。)
たくさんの方々に来ていただけるよう願っています。
当日はキム監督ご自身も参加され、ビハインドストーリーや個人的なお話、質疑応答など、対談形式のトークショーも予定しております。
(入場無料)

真ん中の女の子はキム監督の娘さんで
素晴らしい演技でした。
※ 約5年前、韓国のYouTubeチャンネルでの対談動画です。
キム監督が助監督として関わったチャ インピョ主演の『クロッシング』 ↓
実話に基づいたストーリーで、忘れられない作品です。
【追記】タイトル写真はこちらの記事から引用しました。