「祖国統一」をあんなに叫ばされたのに
朝鮮学校時代、あれほどまでに
「祖国統一」こそが我々の夢!
「祖国統一」を一日でも早めるために!
等のスローガンを、行事のたびに数え切れないほど叫ばされたのに、金正恩の「統一不要論」「韓国は敵国」という新方針により、核心の価値観があっさり否定されるようだ。
北朝鮮の指示に100%従順な総連上層部の頭の中には、一体何があるんだろうか。今まで在日同胞や朝鮮学校学生たちに説いてきた価値観を、いとも簡単に、スパッと切り捨てることに対する恥ずかしさはないのだろうか。
元帥様のひと言に盲従する姿が、悲しく哀れにしか見えない。
気の毒なのは、こんな教育を受ける朝鮮学校の学生や、現場で民族教育という美辞麗句を信じ、身を粉にして頑張ってきた先生たちかも知れない。(上からの指示と、現場の要望の板挟みになり、もがいている先生も多い。)
多くの在日同胞に対しても裏切りであり、失望である。
来年から朝鮮学校の教科書や教育内容にも反映され、「統一」「平和統一」「一つの民族」「南朝鮮」「我が祖国=三千里」…等という言葉が消されるようだ。
『祖国は一つ』『統一列車』『我々の願いは統一』など、耳にタコができるほど馴染みのある定番のお決まりソングも、今後は禁止されるんだろうな。
しかも、
「韓国を敵国」として教えるなら、ほぼ半数を占める韓国籍の学生はどうなるのか?
朝鮮大学校の卒業前研修旅行が8月から再開するようだが、高校3年生の北朝鮮への修学旅行や迎春公演(ソルマジ公演)もまた始まるのか?
あの国の狂気と指導者に振り回された結果、犠牲を払い、被害を被ったのは誰なのか?
それは少なくとも、総連上層部の幹部ではない。
過去の過ちから学ばず、また繰り返される愚かな罪。
犯した過ちを、償える時間も方法も残り少ないのに。
朝鮮学校での経験をYouTubeで発信しているパクユソンさんの気持ちに、私も深く共感した。
彼を批判する朝鮮学校の関係者に、この文章を一読じっくり読んでほしい。