見出し画像

底辺職業ランキングの炎上騒動を見るのが、個人的な事情でちょっとツラい

ある就活情報サイトが、「底辺職業ランキング」などと題した記事を公開して炎上しています。ランキングの中で「これが底辺の職業だ」とばかりに特定の職業を名指ししたのが多くの人の反感や怒りを買い、ネット上で拡散されている様子です。

該当記事は削除されたものの、炎上している最中に、その就活情報サイトは新規の記事として「Fラン大学一覧」などといったタイトルの記事を公開し、これも同様に反感や怒りを買って拡散されています。

この就活サイトの何が問題だったのか、という論点は、東洋経済の記事に私が考えている以上のことがしっかりとまとまって載っていました。問題点に関しては、私があれこれ考察するよりもこちらの記事をご覧頂いた方がはるかに有益だと思いますのでオススメします。

ですので、このnoteでは問題点の指摘ではなく、炎上を目の当たりにした私が思ったことを、2つほど書き残しておこうと思います。

知っている人が袋叩きに遭っているのを見るのは結構ツラい

実は、私は例の就活情報サイトの運営会社の社長と面識があります。向こうは私のことを覚えていないと思いますが、何度か直接会って会話をしたこともあります(最後に会話したのはもう何年も前ですが…)。例の就活情報サイトの存在も名前も把握していましたし、炎上する前に「自己分析のやり方」みたいな定番の記事をいくつか拝見したこともありました。なので、この騒動でサイトの名前を見たときには驚きました。

この騒動で一番最初に思ったことは、言葉を交わしたことがある人が、炎上の渦中で袋叩きに遭っている状況を見るのは、精神的にツラいししんどいな…ということです。

もちろん、「底辺職業ランキング」や「Fラン大学一覧」というような記事を公開したのは、言ってしまえばいろんな人を対象にした範囲攻撃を行ったということなので、大勢の人が怒っているのも無理はありませんし、ましてや私から怒りを鎮めろというつもりは全くありません。

ただ、冷静になって状況を見てみると、正直もう取り返しがつかないくらい盛り上がっちゃってるなと思います。整理のために、今の状況を自分なりに箇条書きで書いてみました。

  • Twitter上で公式マークのついた著名人を含むあらゆる人が(程度の差はあれ)ネガティブな反応をしている

  • 社長の名前を特定して、名指しで非難している

  • 社長の個人Twitterアカウントに300件を超えるリプライが殺到している

  • 今回の経緯や、社長の実名と経歴をまとめたトレンドブログやらまとめサイトやらYoutubeの動画やらが乱立している

  • 朝のテレビ番組で取り上げられて有名タレントまでもがネガティブなコメントをしている

  • 弁護士ドットコムや東洋経済みたいな割とカチッとしたメディアでも運営会社の問題点が取り上げられている

  • 台湾のメディアまで取り上げて、台湾の市民たちの反応を紹介している

世間からはあまりよく思われない事業内容だったかも知れませんが、紆余曲折あった後に「社長になります」と会社を立ち上げ、大手就活サイトと呼ばれるまでビジネスをしてきた彼の立場や気持ちを考えると、今回の炎上によって実名で負の烙印を押されてしまったというのは私もツラい気持ちになる部分があります。まあ、起きてしまった結果は受け入れないといけませんが…。

リスクマネジメントや危機管理の大切さ

もう一つ思ったことがあって、それは、自分が事業の責任者になったら、順調にお金を稼ぐことだけを考えるのでは足りず、クレームが来たり炎上したりするなど、ビジネスに悪影響が出た時の対応を、先手を打って考えておくべきだということです。

起業というと、私は何かカッコよくてキラキラしたもののようなイメージがあるのですが、実際は成功も失敗も全部自分の責任として思いっきり跳ね返ってくるシビアな世界なんだということを忘れてはならないと思い知らされました。

私は起業家などではなく、ただのサラリーマンとして雇われて仕事をしているのですが、今自分が所属しているプロジェクトのリスクマネジメントとか、危機管理といった内容は、正直あんまり考えたことがありませんでした。

別に私はマネージャーじゃないので、そういうことを考える立場ではないのかも知れませんが、私だからこそ気付けるリスクとか懸念があるかも知れないですし、それがどこで役に立つかわからないので、気づいたことを上申する試みはあってもいいなと思いました。

リスクマネジメントとか、危機管理とか、それ以前のコンプライアンス遵守みたいな視点は、目の前の仕事に熱中すればするほど視野が狭くなって疎かになってしまうような気がしているので、今回の騒動は他人事と思わず、自分もいつか不特定多数の人を怒らせて、にっちもさっちもいかない状況に陥る日が来るかも知れない…という慎重な考えは大切に持っておこうと思います。