1人で「さらりとした梅酒」を1リットル飲み干す鬼畜のような会に参加した話
チョーヤ梅酒株式会社が製造販売する「さらりとした梅酒」は、テレビCMでも宣伝される有名な梅酒である。
その「さらりとした梅酒」を、1人につき1リットル飲み干すという謎の会に私は参加したことがある。
「さらり会」
あれは、大学のOBとして、部活の新歓に参加した時のことだった。
大学の部活では、新歓や追いコンという名目でコテージを貸し切り、酒を飲むのが習わしになっていた。
OBの参加は任意だが、現役の部員と仲が良かったり、年が近かったりするOBの中には参加する人もいる。
当時、社会人になりたてだった私は、まだ現役生と年が近いこともあって参加することにした。
「さらりとした梅酒」を飲み干す会、通称「さらり会」は、部活に入ってきた新入部員を歓迎する新歓の場で行われた。
私が「さらり会」に参加するまで
「さらり会」を行うという話は、某SNSでつぶやいていた先輩がいたので知っていた。
「さらり会」を発案し企画したのは、私が知っている限りではNという先輩だった。
N先輩は、会に参加したい者は「さらりとした梅酒」を持参せよ、と事前に呼びかけていた。
正直、私はそんなに梅酒が好きではなく、参加を表明していなかったのだが、その場のノリで私も参加することになった。
梅酒を入手せよ
「さらり会」に参加するためには「さらりとした梅酒」を持参する必要があったが、私は持っていなかった。
なので他のおつまみなどの買い出しに行きたい人たちも誘って、近くのコンビニへ買い出しに行くことにした。
ただ、新歓の会場であるコテージは山の中にあるので、近くのコンビニまで9.8kmほど車で走らなければならなかった。
暗い道を走ってコンビニにたどり着いたが、残念なことにそこには梅酒は売っていなかった。
ヤケクソになった私は、更に7km先にあるコンビニへ行き、ようやく1000mlに紙パックに入った「さらりとした梅酒」を購入することができた。
梅酒を入手するためだけに、往復で20km以上も走ったのは後にも先にもこの時だけである。
「さらり会」の開幕
「さらりとした梅酒」が揃ったところで、「さらり会」は始まった。
貝ひもをつまみながら、梅酒を飲んでいたような記憶がある。
さすがさらりとした梅酒、さらりとしていて飲みやすい…と思ったが、しばらく飲み進めたところで私はようやく気づいた。
大量の梅酒にやられた
この「さらり会」は、「さらりとした梅酒」を1人1パック持参して飲む会である。
「さらり会」という、さらりとした名前のせいで気付かなかったが、一言で言えばただの酒豪の集まりである。
さすがに1リットルの梅酒は多い。多すぎる。
半分までは順調にイケたが、そこからマジで全然減らない。
結局、私はパックに入った「さらりとした梅酒」全てを飲み干すことはできなかった。
他の参加者も、全員とまでは行かなくても全部飲んだ人もいて素直にすげえなって思った。
名前だけで判断すると大変なことになる
「さらり会」の参加したあの日は、今でもなお私の人生で最も多くの梅酒を飲んだ日として記憶している。
なぜそんな無謀なことをやったのか、その理由は「さらり会」というネーミングにあると思う。
Twitterで下記のツイートをお見かけして確信した。
"授業で触れた実験で、全く同じゲームに「ウォール街ゲーム」「共同社会ゲーム」と名付けて別の人々にプレーさせたら、前者は7割が自己中に振る舞い、後者は7割が協力プレーをしたそうで、プロジェクト名等はそれ単独で人の行動に大きな影響を与えうるらしく、やはり「まん防」はきっと良くなかった。"
「さらり会」という名前も、一見するとやさしい感じに見えるし、言葉として聞いたときも何か軽い感じに聞こえる。
しかし実態1リットルの梅酒を1人で全部飲み干す酒豪の会なのだ。
名前はあくまで誰かがつけたものなので、名前の響きにとらわれずにその中身を注視すべきだということを私は学んだ。
だが、「さらり会」はみんなで共通の目標(梅酒ボトル全部飲む)に向かって進んでいく謎の一体感があってとても楽しかった。
コロナ禍でリアル飲み会もご無沙汰なこともあり、記事を書いているうちに正直またやりたくなってしまった…。