ナイスガイのパワハラ封殺話


俺の話を聞いてくれ。これは、俺がパワハラをナイスガイ精神で封殺したときの話だ。

数年前、俺がまだ若手社員としてある企業で働いていた頃のことだ。俺は当時、どんな仕事にも全力で取り組んでいた。周囲の評価も上々だったが、どうしても一人の上司が気に入らなかった。彼は典型的な「パワハラ上司」で、部下に威圧的な態度をとり、些細なミスを咎め立てては人格を否定するような発言を繰り返す男だった。俺にとって、そんな人間はナイスガイの哲学に反する。人を貶めることで自分の立場を保とうとする者など、俺の眼中にはない。

ある日、彼が俺にターゲットを定めた。彼は会議の席で突然、俺に対して「お前のやり方は全くなってない。こんなやり方では会社に迷惑をかけるだけだ」と声を荒らげた。その場にいた他の社員たちは一瞬、息を呑んだ。俺は冷静に彼を見つめ、心の中で少し笑った。なぜなら、俺は彼の挑発に乗るつもりは全くなかったからだ。

「すみません、上司。何が問題だったのか具体的に教えていただけますか?」と俺は静かに尋ねた。彼は一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに「全部だ、全部がダメなんだ!」と怒鳴った。俺はさらに静かに、「具体的な改善点を教えていただければ、次回から気をつけます」と続けた。会議室は静まり返り、上司は苛立ちを露わにしたが、彼の言葉には具体性がなかった。

俺はナイスガイ精神を貫くことに決めた。無駄な争いは避け、理性と冷静さで対応する。そうやって、相手が感情に支配されるのを見越していたのだ。彼の怒りが頂点に達した瞬間、俺は目を見開いて彼をまっすぐに見つめ、ゆっくりと言った。

「上司、私はあなたの指導を受けるつもりでここにいます。ただ、理不尽な罵倒や怒鳴り声には、何の成長もありません。私はプロフェッショナルです。ですから、プロフェッショナルな対応を求めます。」

上司は明らかに困惑したようだった。会議室の空気は一変し、他の社員たちも俺に対する畏敬の眼差しを向けた。彼はしばらくの間、言葉を探していたが、結局何も言えなかった。そして、彼は「そうか…まあ、そうだな」と呟き、会議を早々に終わらせた。

その日を境に、彼の俺に対する態度は明らかに変わった。俺が意見を述べると、彼はしっかりと耳を傾けるようになった。そして他の社員に対しても、少しずつだが口調が柔らかくなっていった。

俺は、強者に媚びへつらう態度を持たない。だが、それは単に反抗するだけではない。俺が貫いたのは、正義と冷静さ、そしてナイスガイ精神だった。パワハラに屈しないことで、俺はその場の空気を変え、周囲の人々に勇気を与えたのだ。パワハラ上司との戦いを、俺はナイスガイの方法で勝ち取った。それが俺のやり方だ。

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