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長年苦しみ抜いた精神疾患について、たまには真面目に語ってみる

わたしは元精神障害者です。

元と書いたのは、もう現在は寛解しているから(精神疾患に完治というものはなく、寛解といいます)。

患っていたのは、不治の精神疾患といわれている「統合失調症」。
とても長い期間、精神障害者手帳2級を持っていました。


わたしの精神疾患は遺伝性のもの

昨今ではネット上でも、みなさん気軽に「あの子はメンヘラ」だとか、「最近はちょっと鬱」などと言い合っています。

しかし本物の精神疾患となると、まったく訳が違ってくるのです。

わたしは自死遺児だったと書いたことがありますが、父もまだ若くして精神疾患にかかり、その病気によってみずからの命を絶ちました。

かなり昔の話なので、それでも自分はなかなか精神科病院に行けず、気づいたときには父と同じく統合失調症になっていたのです。

初めて精神科病院に行くことにした理由

それまでも、優しかった亡父のことを思い出して泣く夜もありましたし、周りから変人扱いを受けてフル無視されるようなことも多かったです。

しかし「狂人は自分が気が狂っているとは気づかない」と、よくいわれるではありませんか。

妙な例えかもしれませんが、ワキガの人は自分をワキガだと思わず、ケアをせずに臭いを放ったままであるパターンが多いですよね。
それと同じようなものでしょうか?ちょっと違いますかね…笑

♦火の始末ができなくボヤを起こした

「自分は普通じゃない、おかしい」と思ったのは、ある夜の出来事がきっかけでした。

なぜか空のフライパンをコンロの火にかけたまま、独り暮らしのキッチンの床に倒れこみ、そのまま翌朝を迎えたのです。料理もする気はなかったのに。

熱くて熱くて大汗をかきながら目覚めると、フライパンは原形をとどめないくらいぐちゃぐちゃに変形し、キッチンの壁も熱とススで真っ黒!
賃貸マンションなのにもかかわらず、ボヤ騒ぎを起こしてしまったのです。

幸いおおごとにはならず、軽く煙を吸った程度でヤケドもせずに済みました。

ただ、このときなぜだか「お父ちゃんが起こしてくれたんだ。そうだ、精神科病院へ行かなきゃ」と、ひらめいたのです。

♦初診では泣いてうまく話せなかった

その日のうちにPCで近くにある精神科病院を調べて電話をかけ、初診の予約を取りました。
そうして、初めて精神科病院の扉を叩いたのです。

今ではどうするのかわかりませんが、ふた昔以上前の初診では心理テストをさせられたり、生い立ちを訊かれたりしました。

「ご親族に精神疾患の人はいますか?」

「はい。父が…以前あの……ええと…」

そこまで言って声を詰まらせ、大粒の涙を流し泣き出したわたしを、医師がびっくりしたような表情で眺めていたのを覚えています。

今思えば、それも当然のことですよね。
悩みごとを打ち明けるカウンセラーにかかったわけではないのですから、症状についてきちんと説明をしなければなりませんでした。

精神障害者手帳を受け取ったとき

精神科病院にかかり始めると、ほどなくして医師から「精神障害者手帳が取得できるはずだから、もらったほうがいい」と告げられました。

自分が障害者?
思いもよらなかった現実です。

わたしは幼いころから正義感が強く、障害があることを理由にイジメられている子を見かけでもすると、助けるためにそのイジメっ子をボコボコに殴っていたような少女でした。

障害者差別は、やったことも考えたこともないつもりです。

♦障害者になってしまったのだと実感

しかしいざ自分自身が精神障害者手帳を受け取り、そしてそれに2級という等級が記載されていたとき、ショックがなかったといえば嘘になります。

「あなたはすでに健常者ではないんだよ」
そのような烙印を押されたのです。

わたしはそのころ精神疾患の症状がひどく、恥ずかしながら国民年金を払えていませんでした。

「まさか障害者になるんなら、無理をしてでも払っておけばよかったな」
そんな都合の良いことまで考えていた、自分勝手な人間です。

人並みに国民年金さえ納めていれば、障害者年金2級がもらえて、いくぶん生活が楽になるはずでした。

♦めちゃくちゃな生活を送ることに

暗すぎる過去は、あまり書きたくはありませんが…。

その後は春を売ったり、風俗嬢をしたりしながらなんとか生計を立てていました。

友達と呼べる人は、変わり果てたわたしの暮らしぶりや統合失調症によって引き起こされるおかしな言動を見て、どんどん離れていきます。

代わりに寄ってきたのは、わたしが持っていたお金をだまし取ろうとするような輩ばかり。
「金に困っているから貸してほしい」などと言われ、せっかく風俗で稼いだお金も複数人の詐欺師や悪い知人に、すべて持っていかれてしまいました。

生涯のパートナーとの出会い

消えてしまいたかった

孤立無援となり、「お父ちゃんのいるところに行きたいな」と自死を考え出したころ、救世主と出会いました。
今の夫となる男性です。

マッチングアプリで出会ったのですが、当初わたしは彼のことをまったく何とも思っていませんでした。

しかし彼は、そんな底辺にいたわたしを、真面目に一途に愛してくれたのです。
ある日いきなり土下座をされ、真剣なプロポーズを受けました。

何度かプロポーズをお断りした末、とうとう根負けし、周囲もびっくりのスピード婚をしたのです。

本当に意味不明な結婚の仕方ですよね。
こんなことで、果たしてうまくいったのでしょうか?

↓↓次回に続きます↓↓


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