録音時に書いていること

 よく「録音時にスコアを用意してくださいと言われるけど、実際に何を書いているのですか?」という質問を受けることがある。
 とある収録で使ったものを画像としてアップしましたので参考までに。

ブラームスソナタ

分かりやすいのはT2とか書いてあるやつ。Take2のスタート箇所に記してある。
次に÷4と書いてあるのは? ここでは何か(事故)が起こった場所。なぜ÷の記号を使うのか?それは外国にはこの記号がないからアーティストが外国人の場合意味不明になる、と-(マイナス)にしてしまうとプレーヤーがめげてしまうので使用は避ける。「悪い」という言葉とも掛かってる。
++5というのは「とっても感動した!」テイク。このページではTake5に++が多く散見されるので基本的にTake5を使用。
ただ、一番下のPの文字が沢山あるけど、基本的にここはピアノがすごく難しいので、「パッチ」で録っておいて1発でOKのこともあれば、組み合わせて一つのフレーズを作ることもある。

 この一覧を見れば事故があった場所もあとから録ったテイクで十分にリカバリができているのが一目瞭然。

 これを基に最終的に赤ペンで「ここからここまではTake5」とか記せばあっという間に作業指示書の完成となる。

 実際のセッションレコーディング現場では「事故が起こっても気にしない!」と演奏者にモチベーションを保たせつつ、++が沢山出るようにメンタル面、フィジカル面(疲れがたまり過ぎていないか)などを適宜判断して適切に休憩を入れたりすることになる。

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