マダムXの肖像
メトロポリタン美術館所蔵
オリジナルのストラップ位置
ドレスの形としてはウェストをしっかりと絞っていることで上身頃が立つような形になり、実際ストラップはジュエリーとしての役目しかなかった。と書かれていますが、 私はそうは思いません。
コルセットは固く体の線を形作りますが、サテンのドレスは柔らかくストラップがなければ落ちてしまいます。
だからこそ、このストラップの位置が表現するストーリーがスキャンダラスだったのだと理解できます。
ストラップの位置を変えても、胸の開きが変わっていません。描きなおすことは、サージェントとしてもかなり不本意だったことでしょうね。
ゴートロー夫人の肌の美しさは言うまでもなく、私は腕からも彼女の肉感的な美しさを感じます。わたしはストラップは肩から落ちた感じのオリジナルの方が好きです。
ショルダーストラップを塗り直したサージェントは肖像画を自身のアトリエに保管し、その後20年以上にわたって展示あるいは公開することを拒否したのだとか、その頃の写真だと思われます。
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1992年からのアメリカ暮らし、ボストンはそろそろ四半世紀になりました。
「取材」と称していろいろ経験したり、観光ガイドも楽しんでいます。
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