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南仏トゥールーズの巨大な機械人形 #1-街を闊歩するミノタウルス
私が住んでいるフランスのトゥールーズという街の誇るべき名物のひとつに、ラ・マシーン(La Machine)というストリートシアターカンパニーがあります。
このラ・マシーンは巨大な機械人形を作ってショーをします。
どれだけ巨大かというと、高さ14メートル、長さ13メートルの重さ47トン(ミノタウルス)。高さだけでいえば、およそ5階建ての建物に相当します。
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このラ・マシーンが来たる10月にトゥールーズの街を闊歩するということで非常に楽しみにしつつ、今回はこれまでに見てきたラ・マシーンをご紹介したいと思います。
トゥールーズの街中を練り歩くミノタウルス (2018年)
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「これって映画...?」
スマホの画面と実際の光景を交互に見ながら、これは現実の出来事なのかどうかわからなくなっている自分がいました。
周りの建物や人間の大きさと比べてみてください。
この巨大さが伝わるでしょうか?
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ミノタウルスはギリシャ神話に登場する半分人間で半分ウシの怪物です。
神話上のストーリーに基づき、ミノタウルスが閉じ込められている迷宮をトゥールーズの街にたとえて練り歩いているようでした。
なんといってもこのデザインセンス...!めちゃめちゃかっこいい。
しなやかな筋肉の造形がひたすら美しくて、いつまでも見入ってしまう。
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関節はもちろん、長いまつげをバサバサとさせて瞬きもするし、耳が動いたり、鼻息をブシューっとさせたり、細部まで精巧に作りこまれているんです。
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なんと、指先までこんなにリアルに作られている!
爪一枚が人間のこぶしの大きさと同じくらい。
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巨大クモ・アリエンヌは音楽隊を引き連れて
このミノタウルスの敵として巨大クモ「アリエンヌ」(ギリシャ神話上のアリアドネ)が登場します。
彼女は建物の上に乗ってみたり、糸(のように見える泡)をブシューっと出してミノタウルスと戦います。
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このくりくりした目と鼻(?)が妙に可愛くて、クモといえど気持ち悪さは全くありませんでした。
これもデザインが美しく洗練されているからこそなのかもしれません。
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このアリエンヌの後ろには、楽隊を載せた車が続きます。
その音楽のなんと美しいこと...!
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これだけ芸術への本気度や情熱やスケールの大きさをまざまざと見せつけられて、「あぁ、ここはフランスなんだ」と当時移住してきたばかりの私にはカルチャーショックも良いところでした。
神話での戦いが現実に
ミノタウルスとアリエンヌは最初は単独で街を練り歩きますが、ショーのクライマックスとしてバトルします。
私は見られなかったので公式の動画を拝借。
このバトルの舞台はトゥールーズのキャピトル広場というところで、ミノタウルスのバックにあるのが市庁舎です。
(ちなみに私はここで結婚式をしました。内部の装飾も見事です。)
狭い路地を練り歩ける秘密
トゥールーズの路地はそんなに広いわけではありません。街灯や街路樹もそこら中にあるし、こんな巨大なものが練り歩くなんて不可能に見えます。
実際ハラハラしながら見てました。
しかしそれを可能にしたのは、細かくつけられた関節と、各部位ごとにいる操縦士なのでしょう。
その場で状況を見ながら臨機応変に、かつヘッドセットからの遠隔指示を受けながら障害物を回避していくのだと思います。
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また、ミノタウルスもアリエンヌも完全に自立歩行しているわけでなく、支えとなる車両が付いています。(もし自立だったら凄すぎる...)
ちなみにアリエンヌは過去に横浜にも出向いたことがあるらしい。
次回予告-ラ・マシーンの工場見学
次回はトゥールーズにあるラ・マシーンの工場で行われたショーの模様をご紹介します。
ミノタウルス、アリエンヌに加え、ロンマーという馬ドラゴンが登場します。頭がドラゴンで体は馬(しかも特別装備の翼まで…!)、これまた超かっこいいのだ!
ではまた次回。