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アタシが離婚した理由 ≪17≫
カサンドラは憂鬱すぎる
2023年10月下旬のある日、
夫の国選弁護人の事務所に
電話をかけた。
担当は30歳代と思われる男性。
なぜ連絡しなかったのかと
強い口調で詰られる。
「奥さんには一生支え、必ず
立ち直らせると言って欲しい。」
と、言われた。
赤の他人が、
夫の為に人生を蔑ろにしろと言う。
なぜ、そんなことを言うのか?
言葉を絞り出した。
「離婚するつもりです。」
罪を軽くしてほしいとは
思っていないと突っぱねた。
「お好きにどうぞ、って感じですがぁ」
感じ悪い。
むかつく態度。
この男、本当に弁護士なのか?
罪を犯した人間の家族だから
軽く見ているのだろう。
これまでのことを説明した。
弁護士の態度が少しだが柔らかくなる。
面会時の夫は
「退職金を何に使ったか、絶対言わないんですよ。」
「バイクを買ったというだけで。いくら何でも全部ってことはないでしょう。と言ったんですけどね。」
その日の午後、
事務所にいく約束をしたが、
事情は分かったので来なくても結構です、
と言われた。
最後に恐る恐る尋ねた。
「夫は何を盗んだのでしょうか?」
「同僚のロッカーから2万6千円盗んだのです。」
だから市外の警察だったのか。
闇バイトではなかった。
しかし2万6千円で、このざまだ。
11月9日が裁判。
「執行猶予で即日釈放でしょう。」
拘置所にいると言う。
面会に行くことにした。
離婚届の用紙を持って。