アタシが離婚した理由 ≪2≫
アタシは、いいオトナなのに
極最近まで
どんな人でも誠実に話し合えば
わかってもらえる。
気持ちは通じる。
きっと変わってくれると
信じていた。
でも、そんなことは幻想だ。
変えることができるのは、
自分だけ。
強く思って決めたときだけだ。
元夫と結婚したのは、
似た境遇だから、
価値観も似ているだろうと
思い込んでいたからだった。
婚約時こんなことを
打ち明ける人は、
いないだろう。
「オレ、貯金ないし~。」
「変なものも買わされて、
ローンも組んじゃったし~。」
「結婚資金もサラ金で
借りようと思うんだよね~。」
義父母も息子の借金癖を知らなかった。
夫の借金発覚は24年前
娘達が小学生のときだった。
夫は職場で大怪我をして
長期入院生活を余儀なくされた。
入院後1週間ほど経ったとき
自宅にダイレクトメールが届いた。
消費者金融からで、
利息を即払えというものだった。
は?
なんのこと?
何かの間違いじゃないの?
アタシは、カードローンや
サラ金を利用することを
考えたことがない。
土の下の見えない木の根に
つまづき転んだような
衝撃。
着替えを持って行ったとき
詰め寄った。
問いただした。
しかし、夫は
ヘラヘラしながら
根拠のない
「だいじょうぶ。だいじょうぶ。」
を繰り返す。
こんなときの、だいじょうぶを
誰が信じることができる?