アタシが離婚した理由　≪14≫

裁判するする詐欺

夫が逮捕されてから
アタシを悩ませるものが幾つかあった。
その一つが債権回収を代行している
弁護士事務所からの電話と DMだ。

夫は出勤、帰宅がアタシより早かったので
都合の悪い郵便物はすべて隠していた。
非常事態なので躊躇わずに開封したが
開けなくても体裁を見ればわかる。

固定電話はほぼ使っていないが、
夫が連絡先として使っていたのだろう。

帰宅した時、電話のランプが
ぴこぴこしている。
心臓に悪い。

DMには9月〇日までに
入金が無い場合は裁判を起こす。
差し押さえなど法的処置を取るとある。
携帯代金10数万円ほどの滞納だった。
「夫は窃盗事件を起こして逮捕されました」
と電話したほうが良いのか？
どんな罰ゲームだ？
プールの授業の後
「このパンツ誰のですか」と、
自分のパンツが晒し者にされるのと
同じくらい屈辱的だ。
それに、信じてもらえるのか？

他にもカードローンや消費者金融の督促が
続々舞い込みアタシを大いに困惑させた。

携帯代金の督促は放置したが
こまめに手紙、電話は続いた。
期日を過ぎると次の手紙には
延長した期日が書いてある。
それが過ぎるとまた延長。
弁護士に対して言葉は悪いが
「裁判するする詐欺」だ。

後日談になるが
夫は携帯料金を一括で返済した。
刑事裁判後、釈放後のことだ。
携帯番号も数日で復活したらしい。

なんだ、そんなもんなの？
アタシだったら、
そんな不誠実なユーザーは、
即捨てて出入り禁止にするのに。