アタシが離婚した理由　≪16≫

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元夫はアタシから見ると
病的なほど世間体、
他人からどう見られて
いるかを気にする、
「ええカッコしい」だ。

新婚旅行を決めたとき、
披露宴の後に泊まるホテルに
友人夫婦が泊りたいから、
一緒に予約して欲しいと頼まれた。
地方からの来客ではなく
同期の友人夫婦だった。
理由は
「ホテルに泊まったことがない。」から。

当然、宿泊費用は当人持ちだと思っていたが
アタシたちが夕食代まで払った。
すごくモヤモヤした。
当然だろ？！と反論は許されない。

その後、
友人宅で晩御飯をご馳走になる
機会があった。
メニューは豚しゃぶ。
夫は好き嫌いが激しく、
鶏肉、豚肉、魚、乳製品は絶対食べない。
だいじょうぶかなぁ？
どうするんだろう？と
思ったが、普通に食べている。
アタシが作ったら
怒って絶対食べないのに
よその奥様が作ったものは
美味しそうに食べるんだ・・。
また、もやもやした。

夫は早くからスマホを使っていた。
アタシがスマホを使い始め、
ＬＩＮＥを入れたとき
夫のニックネームが
（たかP）になっているのを見て
なんだ？コレは？と、訝しく思った。

夫の私物を仕分け中、誰かからの
バレンタインデーのカードと
御歳暮の発注書の控えをを見つけた。

カードにはこう書いてある。

たかP♡

いつもみーの支えになって

みーの為にがんばってくれてありがと♡

これからも仲良くしてね♡

御歳暮の発注書はアタシ宛と
もう一人女性の名前。
（フジモトハナミ）
なるほど。
ハナミでみーちゃんか・・・。
住所は母子家庭や年金生活者、
生活保護世帯が多く住む
福祉公営住宅。

赤の他人の女性だけに贈るのは
会社の人にどう思われるか心配。
世間体を最も気にする夫は
カムフラージュのつもりで
アタシにも贈っていたのだ。

視界が急に開けた。
パズルがピッタリ合った感覚。

2020年からのコロナ禍。
夫はこの（多分水商売の女）に
支援していたのだ。
言いくるめられたというより、
自分から申し出たのだろう。
他人にはとにかく
「ええかっこしい」なのだから。

大切な退職金が
詐欺で奪われたと怒り狂い
慰謝料だ裁判だと騒ぐところだろうが
アタシは不思議となんの感情も湧かなかった。
今もそうだ。

あのお金があれば、
アンタが今居るボロ実家の
リノベーションに使えたのに、とか
社販で節約しようと
せこい考えでいたのだろうけど
世間体を気にするあまり
買いたくなかった
アタシの分まで買って
結果、高価な買い物になったわね。
とか、思うだけ。

もう、
心が凍り付いて麻痺しているのだろうか？

時間には限りがある。
無駄に使いたくない。

アタシと娘の人生に一切関わって欲しくない。
それが一番の願いだ。