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アタシが離婚した理由 ≪15≫
弱り目に祟り目
夫が逮捕された翌日、
いきなりガスが止まった。
古いガスコンロなので、
いよいよ壊れたのか?。
しかし、ハッとして始末途中の紙束を漁った。
普段夫はアタシより出勤も帰宅も早かった。
見られて困る郵便物はすべて隠していたのだ。
そもそもインフラ料金滞納を家族に隠すのが
アタシには理解できない。
出てきた。
ガス停止の通告書。
5か月分も滞納し放置していた。
他にも水道代4か月、家賃2か月、
国保税(娘が個人事業主)7期分もだ。
水道も止められる寸前だった。
銀行やらコンビニエンスストアを駆け回る。
だらしない人と思われたに決まっている。
各インフラに電話して引き落とし口座の変更を依頼する。
ガス再開は翌日になった。
その日は電子レンジで食事を作り、
水シャワーで身体を洗った。
まだ、蒸し暑い日が続いていたが、
さすがに頭を洗うのは無理だった。
そんなときに限って、
今度は本当に洗濯機が壊れてしまった。
お猫さまが口内炎になり、
治療費が必要になる。
弱り目に祟り目。
泣きっ面に蜂って、
こういうことを言うのかぁ。
いや、アタシは泣かないけど。
ムカムカムカムカ。
腹立たしい思いを募らせながら
夫の持ち物を乱雑に仕分け途中
一辺の紙を見つけた。
あれ?
これは?
もしかして?
なぜ、毎年暮れに夫がハムの詰め合わせを
自宅に、アタシ宛に送ってきたのか?
謎が解けた。
頭がクリーンになった。
そういう思考だったのか・・・。