私は語りたがる。
オタクは語りたがる。
推しの良いところ。世界観の作りこみ。etc……
その中で一番語りたくなるのは「なぜ好きなのか」ではないだろうか。文章力の拙い、noteの処女作として、他人にとって興味のないこの題材はうってつけだろう。それでは私の好きな事である、ディズニーパークを基にして語っていきたいと思う。
ディズニーパークが好きな人は三種類に分けられる、と私は考える。
1.キャラクターが好き派
2.原作が好き派
3.私の派閥
まずは「キャラクター好き派」から説明していこう。
■好きの細分化
・《キャラクターが好きだ》
キャラクター:演劇・映画・漫画などの登場人物。
この定義から、キャラクターとはミッキーやプーさんなどの”作品に登場したキャラクター”だけではないことは理解できるだろうか。ショーやパレードに出演している”ダンサーやアクター”、私たちゲストをもてなしてくれる”キャスト”もキャラクターのうちの一人である。
この派閥に埒内されるのはどんな人か。具体例には、
Aさん「ミニーさんに会うために二時間並んだよ。話してる時間は3分もなかったけど、これだけで8,000円の元はとれた!」
Bさん「アトラクションなんて乗らずにショーしか見てないよ。ショーの時間に合わせてランドとシー行き来するのは大変だけど、これが幸せなんだ!」
Cさん「やっぱりスペースのあのキャストさんマジイケメン。会うために今日来たといっても過言じゃない」
などが挙げられる。
普通の人が「ディズニーを好きな人って子供引きずってるよね」と言う要因は、ディズニーキャラ=かわいらしいモノと最初に思いつくからであろう。しかしディズニーパークは、様々な演者がいてこそ成り立っている。建築物を造る者。料理を提供する者。映画の世界から飛び出してきた者。その演者らを好きになるということは、普通の人がステージに立っているアーティストを好きになるように、一般的な嗜好であるため嫌遠しないでほしい。
・《原作が好きだ》
現在ディズニーパークにあるモノのほとんどが、何かしらの原作を持っていることが多い。ここでいうモノとはエリアだけでなく、アトラクションや置いてある装飾品(プロップス)も指す。
例)
ウエスタンランド;開拓時代のアメリカ西部(エリア)
白雪姫と七人のこびと;1937年に公開された「白雪姫」という長編アニメーション映画(アトラク)
タイムカードや広告?;アメリカで二十世紀前後で使われていたであろうもの(プロップス)……
(例外としてカントリーベア・シアターやホーンテッドマンションなどのアトラクションが原作である場合がある。これらも「海外パークにあるアトラクの再現」といえばそうなのだが…)
(⇡ ドックサイドダイナーにあるタイムカードなど)
これらの元ネタが好きであるから、疑似体験するために足を運ぶ人も多い。
・昔ながらのアメリカ西部の長閑さに身を包むためにランドに行こう。
・白雪姫の世界観を体験できるのはこのアトラクションしかないからランドに行こう。
・20世紀初頭のNY住民の価値観を知りたいからシーに行こう。
これらの需要を余すことなく満たすのがディズニーパークの評価されるべきところだろう。ビッグサンダーマウンテンに行けば実際に使われていた数億円もの価値のある鉱山機械が置いてあり、アメリカンウォータフロントに行けば女性の社会進出を後押しする看板があり、プロメテウス火山の地層は自然地理学的に説明が付くようになっている。このように再現度が高いが故にディズニー作品が好きな人だけではなく、地層学者や天文学者、歴史家がディズニーパークにハマるのも頷けるだろう。そんな方々がこの派閥の代表だ。
・《ディズニーパークは芸術作品だ》
ここからが本題だ。なぜ私はディズニーパークが好きなのかを述べていこうと思う。
まず、想像してほしい。あなたが美術館に行ったとする。そこで展示用ライトに煌々と電球色に照らされた一枚の絵画に出会った。想像が付きやすいよう、その絵画を「雨、蒸気、スピード-グレート・ウェスタン鉄道」とする(下に写真あり)。あなたはその時、どのような行動をとるだろうか。
汚い絵だと言いただ横を通り過ぎる?
とりあえず作者の名前を見てツウの真似をする?
音声ガイドの説明を淡々と聞く?
私は思う。それでは勿体なくはないだろうか。
芸術作品とは自分なりの楽しみ方を探すのが魅力でもあるため、私の智見を押し付けるわけにはいかない。しかしこれでは作品への理解は皆無に等しい。作品というのはどんなに些細なことでさえ作者の意図を持っている。そのため、たった一枚の絵画だろうと様々な事項が読み取れるのだ。
なぜ作者は題材を鉄道が橋を走行している様なのか。なぜ絵に輪郭がないのか。なぜ油彩という画法を選んだのか。なぜこのような作品名なのか……熟慮の種はいくらでもある。そこから作者の心情や閲覧者に何を伝えたいのか、ということが音声ガイド無しでも理解できやしないだろうか。
《ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーによる
『雨、蒸気、スピード-グレート・ウェスタン鉄道』》
同様に、映画を観た後の感想が「面白い」や「微妙だったね」だけでは作品が粗末に扱われているようで非常に不憫である。もし「面白い」と感じたら何故そう感じたのか。と思考を巡らせてみてほしい。脚本が奇抜で飽きなかったからか。使用楽曲が耳に残りやすかったからか。役者の演技が上手だったからか。無駄のない演出だったからか…
そう考えていると、自然と「どの系統の映画が好きで、この評価が付けられている映画は私に合っている」と、映画を選ぶ時の参考資料が作成できる。
ディズニーパークとは、ウォルトが後から手直しできるよう作った作品。つまりディズニー映画を三次元化した作品だ。そのためアトラクションや景観一つ取っても、製作陣が何を伝えたいのかという意思を持っているのだ。
カリブの海賊であれば「海賊の横暴さや自由は主体によって意味が異なること」、ソアリンであれば「飛行の雄大さや希望を捨てないことの大切さ」など、受け取り方によっては幾千もの解釈ができるだろう。
演出毎に「どうしてこの手段を選んだのだろうか」と考えるのを好んでするのがこの派閥に属する人の特徴だろう。
■多分化せよ(まとめ)
Dヲタやディズニー好きと一括りにする番組や人は後を絶たない。私はアトラクションや装飾品の真意を読み取るのは好きだが、ダンサーの名前や流れているBGMの元ネタなどには酷く疎い。その逆の人も無論存在する。なので私は一般人や私の派閥以外の方に声を大にして言いたい。ただ同行者とバカ騒ぎするのも良いが、辺りを見渡して「なぜ?」と自分に問てみてほしい。もし分からなかったらネットや書籍で調べるとよりパークへの理解が深まるだろう。
その理解を深め、製作陣の意図を読み取るという行為こそ、私がパークを好きな理由である。