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恐れ多いが「歴史前夜」

恥ずかしいことを思い出して車内で叫んだ。
時よ戻ってくれ

倒れそうだ。

定期的に「歴史前夜」を聴きに行く。
2003年のROCK IN JAPAN FES.で
歌詞のない未完成な曲を演奏した。

歌に入る前の宮本さんのメロディに乗せながら
話すこの言葉に
私は共感し勇気づけられる。

「イェー 昨日の夜 あの ホテルで寝たんですけど
やー やっぱなんか
恥ずかしいことが多いんですよ
一人になるともう
これ懺悔するつもりじゃないんだけどさ
何か恥ずかしいことばっか浮かぶんですよね
部屋にいるとさ
ウーイェーイェー
そうだからevery body
ROCK IN JAPAN FES.  楽しもうぜ」

歴史前夜 冒頭の語り 宮本浩次

その後に「歴史」のメロディが始まり、
歌詞が全く決まっていない不思議な言葉で歌い出す。
でもすごく心揺さぶられる力強くも優しいメロディと
石くんの綺麗なギターと成ちゃんのベースと
(この頃の成ちゃんはよく動いている)
トミのお腹に響くドラム。
4人での演奏。

佐久間正英さんのインタビューで
宮本さんは歌詞を間違えるケースがすごく多いと。
理由が書いてある。
下の文章を引用した。

佐久間:曲で言うと、「今宵の月のように」はすごいなと思いました。宮本浩次は歌が本当にすごいですね。その場で聴いていられる自分が幸せというか、感動します。面白いのは、歌詞を間違えるケースがすごく多い。そうすると、そこで止めて、また歌いだすという録り方で、全部通して歌うということがあんまりない。力量的には、もちろん歌えるんですよ。でもなぜか歌詞を間違えるのは、彼にとって言葉というのは、実はどうでもいいんですね。彼自身がそう言ってたんだけど、「言葉なんかどうでもいい、言葉を歌ってるわけじゃない」と。だから歌ってる時に、どんどんエモーショナルになってくると、言葉から意識が外れちゃう。で、間違えるたびにだんだんイライラがつのってくるわけですよ(笑)。それがさらにテンションを高めて、もっとすごい歌になっていく。僕が経験したロックバンドの中で、テクニカルな意味も含めて、宮本浩次の歌のうまさはダントツですね。本当にうまい。ピッチとかリズムがうんぬんということではなく、たとえば「北島三郎の歌ってすごいよね」というような意味合いにおいて。もちろんヒムロックにしても、TERUにしても、歌はうまいしすごいけど、宮本浩次の力量はちょっと特殊ですね。

宮本さんは言葉を歌ってるわけじゃないのだ。

歌詞がなくても心にドシっと響くのは、
宮本さんが魂を込めて全身全霊で歌っているから
なのだろう。

でも意外と宮本さんは
未来の生命体の歌詞にもあるが
「オレはいたって冷静さ」
かもしれない。
FUNという今田耕司と藤原紀香と松任谷正隆さんの番組に出た時、ひっちゃかめっちゃかに見えて意外と冷静ですと宮本さんが言っていたような記憶がある。


ステージ上の自分の見せ方を本能的に知っているのか
研究しつくしたのか分からないが、
真のエンターテイナーだと思う。

画面から目を離せなくなるし
これ以上の表現が見つからないので使うが
彼の全てが愛おしくなり
沼落ちする。

自分はいつも頭の中では
「この言葉使わなきゃ良かった」とか
「余計なこと言って傷つけてしまった」など
いろんなことを考えて恥ずかしくなるが、
宮本さんもそうなんだと感じることができ
嬉しかった。

宮本さんのおかげで
森鴎外、永井荷風、曲亭馬琴、夏目漱石

いろいろな歴史を知ることができた。

葛飾北斎展も観に行ったな。
彼を中心に視野が広がっていく。
まだまだ知らないことが多い。
これからも知ることを楽しんで
いこうと思う。

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