クラフトプレス(Craft Press)=小さな手づくり出版の可能性を考えたくて、イベントを開催します
2023年3月10日(金)の夜に、本づくりのあたらしい潮流『クラフトプレス』をテーマとしたイベントを開催します。主催は、Huuuuと藤原印刷、Camp Inc.の三社。
個人やスモールチームのつくる、小規模ながらも個性とこだわりに溢れた出版=『クラフトプレス』という概念について語り合い、考える場になります。
これからの本づくりについて、一緒に話して考えてみませんか?
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この「クラフトプレス」という概念はまだ、あまり多くの人に知られていません。だから、少しでもイメージできるように企画したメンバーが考えていること、思いを伝えさせてください。
「本をつくる」ことは、出版社に入らないとできないと思っていた
「出版社じゃないと、本は作れない」。これが、出版に対する自分の先入観でした。しかし、出版社を辞め、WEBのコンテンツづくりに強い「Huuuu」という編集チームに所属しているいま、ようやく「そうじゃないんだ」とわかってきました。
「やる」と決めて、印刷会社に相談をして、お金をかけて、チームをつくれば、本をつくることができた。
そこに、大きな可能性を感じました。出版とは限られた誰かのための仕組みじゃなくて、「やる」と決めた人のための仕組みでした。
完成して手元に届いた本を売り歩いてみると、また景色が変わった。終着地点だと思っていた「本の出版」の先に、まだ見ぬ人との出会いや、これまでと違う場所との出会い方があるとわかったんです。
本をつくることの効能は、本を読んだときの効果とも近いのかもしれません。
本を読み終えた後の人生で、その本を読んだ意味が見つかるように。本をつくった後の人生で、はじめて本をつくった意味と出会う。本づくりを終えて、明らかにその後の人生の道が変わっている。
そんな可能性のある本づくりを、より身近にする言葉と出会いました。それは、長野県の印刷会社・藤原印刷が提唱した「クラフトプレス」というもの。
藤原印刷のいう「クラフトプレス」とは、個人やスモールチームがつくる多様で個性的な本のこと。
craft=手作業でつくる、手工業の
press=出版業
という字面の通り、出版はひとりひとりの手工業から生み出せるものだと示してくれました。
藤原印刷のこと
藤原印刷の藤原隆充さんは、過去のインタビューでこう話していました。
「印刷」や「製本」という製造のプロの手がそこに入ることで、個人やスモールチームから生まれるプロダクトのクオリティが上がる。そして、こう呟いていたこともあります。
この言葉に、個人やスモールチームによる小さな出版の、先の先が現れているような気がしました。クラフトプレスには、つくる喜びが詰まっている。
この言語化は、藤原印刷が多くの個人出版を支え、伴走してきたからこそ出来たものだと思います。彼らは数多くの個人出版者と喜びを共有してきました。
そして、そんなつくる喜びから生まれた「クラフトプレス」という小さな起伏が、きっと未来をつくるための手がかりになる。
この「クラフトプレス」という概念について考えるイベントを3月10日(金)に開催します。詳細は、近日中に公開する予定です。
ぜひ、3月10日(金)夜の予定を空けておいていただけると嬉しいです。
文:乾隼人
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