宝石の国における仏典解釈、考察 自分用まとめ
はじめに
仏教といっても宗派およびどの仏典を参考とするかによってかなり解釈が違うので全部が全部正しいと思わないでもらえると助かります。
市川春子先生が高校の頃は仏教校に居たというインタビューがあり、その中で仏の世界が宝石でできているという経を読んだと話しているので多分無量寿経 阿弥陀経 法華経、など浄土思想系を元にしているんじゃないかと考えています。
https://konomanga.jp/interview/8866-2 インタビューURL
1巻18P~ フォスフォフィライトセリフより
この国の成り立ち
「この星は6度流星が訪れ
6度欠けて 6個の月を産み やせ衰え
陸がひとつの浜辺しかなくなったとき
すべての生物は
海へ逃げ
貧しい浜辺には不毛な環境に適した生物が現れた
月がまだ一つだった頃繁栄した生物のうち
逃げ遅れ海に沈んだものが
海底に棲まう微小な生物に食われ
無機物に生まれ変わり
長い時をかけ規則的に配列し結晶となり
再び浜辺に打ち上げられた
それが我々である」
仏典箇所とおもわしきもの
参考文献 大乗仏典 中村元編 法華経 紀野一 義訳より
60p
1 文殊師利よ、導師は何故に、眉間の白い捲毛から大いなる光をあまねく照らしたもうのか。
2 マンダーラヴァ花・マンジューシャカ花を雨ふらし。栴檀(センダン)の香風は多くの人々の心をよろこばす。
3 この因縁により大地はみな浄らかとなり、しかもこの世界は六種に震動する。
4 ときに四種の会衆はことごとく皆歓喜して、身も心も快く、未曾有の思いを得た。
注釈 四種の会衆はそれぞれ
・帝釈天および天子の部下
・娑婆世界の王とその部下
・八大竜王とその部下
・四人のキンナラ王 四人のガンダルヴァ王 四人のアシュラ王 四人のカルラ王 韋提希夫人の子阿闍世王 とその部下
考察
6回目の隕石の段階で博士と金剛先生 お兄様(兄機)もいたことから
月人 アドミラビリス属 宝石 に機械もしくは半機械(博士)を足して四種の会衆とも見れる?
◯仏典は6の数字が好きなので色々出てくるので要読み込み
2巻 64p ウェントリコススの発言
伝説
かつてこの星には
にんげんという動物がいたという
この星が5度欠けたときまでは しぶとく陸に生き残ったが
6度目にはついに海に入り
魂と肉と骨 この3つに分かれたという
生殖と死を繰り返しながら知を重ね紡ぐ特性を受け継いだのが肉のアドミラビリス属
他の生物と契約し長い時を渡る術を身につけ陸に戻った骨の宝石
→インクルージョンが契約対象生物?
清らかな新天地を得て再興のため肉と骨を取り戻すためさまよっているとされる魂の月人
仏典要素とおもわしきもの
三界説 三界六趣(五趣)説との近似
無色界:精神世界→月人? 魂
色界:欲がない物質世界→宝石? 骨
欲界:欲(食欲淫欲等)がある状態→アドミラビリス属? 肉
倶舎論における三界は欲界 色界 無色界とされ、無色界を頂点とするピラミット状の構造をしている 三界は輪廻する世界のすべてである この時点では浄土は存在せず、三界の中で世界が簡潔している。
(上座部仏教においてはさらにこの世界から脱出(解脱)して涅槃にたどり着き、無に帰ることを最上として宗派が分かれたため経典によって違いがある。)
上から
無色界
最上位の天界 精神世界に近い 存在することも存在しないことも自在となれる 肉体、物質が存在しないこともできる。
→天人達はここにいる?
色界
上位の天界 物質世界だが全てが清らかなものとして存在している 欲や快楽、不快などが無い状態
→宝石?
欲界
食欲や性欲などが存在する世界 快不快も欲に属する
→アドミラビリス属?
→欲界の中にも天 地上 地下が存在し 有名な六道もしくは六趣(五趣)も存在する
最上位は他化自在天 天とつくように天界に属すがまだ欲がある状態である。他化自在天は相手に与えた快楽をすべて自分も感じられる、もしくは見つめただけで相手も自分も快楽を感じられる。
上から4番目 夜摩天に閻魔大王が所属している
六道は上から
天道
人間道
~(修羅道)地獄道に収まる形もある~ ここまで三善道
~畜生道~ ここから三悪道
餓鬼道
地獄道(閻魔大王が王)
ex エクメアの本名がエンマと名乗っていたが、エンマを閻魔大王とすると地獄界の王であり、かつ欲界第三天の夜摩天なので、月人が欲界にいまだ居ると考えることもできる?
中国思想を経由して日本に入った十王経においては地蔵菩薩と同一、もしくは化身とされる場合もある。
→金剛先生も65話で金剛大慈悲晶地蔵菩薩と名乗っている。
フォスの変遷と阿弥陀経における極楽浄土
1:アドミラビリスに捕食され一旦殻になり復活(硨磲しゃこ)
2:2巻にて足をアゲート(瑪瑙)に交換
3:3巻にて両腕を金と白金に交換
4:6巻にて頭部をラピスラズリ(瑠璃)と交換
5:8巻にて左目を合成真珠(赤珠)に交換させられる
6:12巻にてシンシャの水銀を浴びる(銀)
7:同じく12巻にて右目を金剛先生のものと交換する
仏説阿弥陀経の極楽の様子
大乗仏典276p 阿弥陀経 序説 より
また、シャーリプトラよ〈幸あるところ〉という国土には、七重の石垣、七重の鈴をつけた網、七重のターラ樹の並木がある。それらは、みなことごとく金・銀・瑠璃(青玉)・玻璃(水晶)の四種の宝石で飾られ、国中の至る所にはりめぐらされている。それ故に、かの国は〈幸有るところ〉と名付けられるのだ。
また、シャーリプトラよ、〈幸あるところ〉という世界には、七種の宝石からできている池がある。池の中には八つの特性がある水が充満し、池の底には、一面の金の砂で敷き詰められている。池の周囲四方に四つの階段があって、金・銀・瑠璃・玻璃の四種の宝石でできている。
階段の上に高殿があって、金・銀・瑠璃・硨磲・赤珠・瑪瑙の七種類の宝石からできており、それらはまことみごとに飾られている。
市川春子先生のインタビュー時の該当箇所はここだと思われる
また、この7つの宝石を七宝と呼ぶ
→連載時から七宝になっていくなって話はあったけれど極楽を構成するものにフォスは最終的に成った。
金剛先生の瞳
→金剛先生を地蔵菩薩とすると、もともとの地蔵菩薩の役割は
釈尊が入滅してから弥勒菩薩が次の悟りを開き仏(弥勒如来)になるまでの間衆生を救済することを釈尊に委ねられたものである。
フォスに役目を引き継いだことからもフォスに求められた役割は弥勒菩薩もしくは弥勒如来だと思われる。
瞳の記録を何度も再生することでフォスは月人を無に返すことができる金剛先生と同じ祈りの力をもつことになるが、繰り返しの記憶の再生を輪廻とするか、それとも金剛先生とおなじ功徳を何度も積んだとするか、小悟を繰り返しなにかの悟りを得たのか、いずれにせよ仏になるための要素の何かだと思うがこれというものが今のところ見つけられていないので要読み込み。
ex 弥勒菩薩は56億7000万年(5億6700万年説もある インドはすぐ数字を盛る)後に如来となることが定められており、月人の最初の計算のもっと長い期間 はこれにあたるかもしれない。
もしくは最終巻において太陽に飲まれた地球は、地球の寿命が訳50億年と現在試算されてることからも最後の最後で如来になったのかもしれない。