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オーボエパートより「あと5日!」

オーボエってどんな楽器?

世界一難しい木管楽器、オーボエ!黒くて細長くて、よくクラリネットに似ていると言われますが、クラリネットとの違いはたくさんあります。リードの違いはもちろんですが、息の使い方も運指もまるで違います。そして、楽器もリードもとても繊細で扱いが難しいです(泣)気分屋なオーボエさんに何度泣かされたことかわかりません。でもやっぱり音が良いんですよね~。たまに良い音出してくれるとなんでも許しちゃう。


各曲のトップが見どころを紹介します!

「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より前奏曲

100周年記念のオープニングを飾るのは、ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より前奏曲です。オーボエ奏者として言いたいのは、「こんなにおいしくオーボエを書いてくれてありがとうワーグナーさん」ということです。

ワーグナーが書く曲は、各楽器のセーブに表情がたくさん見えるので、難しいけどとにかくおいしいです。でも恐ろしいのは、これが「前奏曲」つまり幕はまだ開く前ということ。この後に4時間強にわたるオペラの本編が始まるのです。

前奏曲を一曲通してゼエゼエ言っている私からすると、実際にオペラのオーケストラピットで演奏される方々に脱帽の一言です。本番はどんなサウンドがKitaraに響くのかな〜と想像するだけで口角が上がってしまいます。と呑気に言っている場合では実はなく、まだまだ自分の実力不足を感じる一週間前でした。

「祝いのために」

今回演奏させていただく北大オケの恩師・川越守先生の作品は、「祝いのために」です。

この曲は、ファンファーレのテーマや、日本の祭りを彷彿させるようなフレーズなど川越先生の遊び心や感性から生まれるアイデアによって、言葉で表現できないような色で彩られているように感じます。練習すればするほど、見えてくるものがある。なんだか硬い材質でできたスクラッチみたいで本当にやりがいがあります。

北大オケに所属する一奏者として、川越先生は、どんな景色を見て、何を考えてこの音を選んだのか。

完全な正解に辿り着かなくとも、そういった意図を少しでも汲み取り、敬意を持って本番に臨みたいです。

「交響曲第9番」

日本では年末に人気があるこの曲、4楽章に登場する歓喜の歌は多くの人が一度は耳にしたことがあるでしょう。しかし、クラシックをよく聞く人でない限り、1から3楽章がどんなメロディでどんな雰囲気なのかご存じの方は意外と少ないのではないかと思います。

私自身、オーケストラでの演奏は大学に入ってからで今回この曲を演奏することになるまで、1から3楽章は聞いたことがありませんでした。交響曲って長いですよね。第9も1時間以上あります。それぞれの楽章は独立していて、各楽章だけでも十分聞きごたえがあると思っていました。

ところが練習を重ねるにつれ、1楽章、2楽章、3楽章がなければ歓喜の歌は意味がないように思えてきたのです。1楽章の主題で特徴的なレ、ラ、ファ、レの並びは全楽章を通じて登場します。歓喜の歌ではレ、ファ♯、ラになります。単にベートーヴェンの気分やこだわりなのかもしれませんが、同じ音を使って異なる音楽を作っていき、あれでもない、これでもない、と否定して、最後に歓喜の歌にたどり着くストーリー性、メッセージ性のある曲なので、やはり4楽章だけではこの曲の素晴らしさは説明しきれないと思います!

というわけで、そう簡単には歓喜の歌までたどり着きませんが、4楽章に入るとあのメロディが一瞬聞こえてきたりします。そのちょいだしをしているのがなんと!オーボエです。さらに、あの名シーンの前に歓喜の歌を仄めかしているのもオーボエなんです。私がもったいぶっているんじゃなくて、ちゃんと楽譜通りに吹いていますから、お客さん、穏やかな気持ちで聞いてくださいね!


オーボエパートから一言!

オーボエパートは、現在3年目1人に対し、1・2年目が6人という構成になっています。(頼れる4年目の先輩たちもいます!)個性的で自由奔放なメンバーが多いので、3年目1人では到底まとめきれず、手を焼いております…ですが、メンバーはそれぞれが楽器や音楽に対してとても真剣に向き合っていて、上手になろうと常に向上心を持って練習に励んでいます。個人の技術も高く、非常に心強いです。ぜひ、会場にてオーボエの美しい音色をお楽しみください!!

あと五日!


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